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7.暴れゴーレムを止めろ!

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 えーと、えーと、どうしよう。
 わたしにヴァンみたいな力はないし、ゴーレムは人形だから、話は通じないし……。
 あ、そうだ、応援を呼ぼう!
「エートの名において、願う。友よ、ムドーよ、あらわれたまえ!」
 床に魔法陣があらわれ、サラマンダーのムドーが出てきた。
「どうした、友よ。久しぶりじゃのぅ」
「ムドー、久しぶり~……、じゃなくて。その、お願いがあるの! あの超大型ゴーレムを止めて!」
「まかされよう。ほら、どけ、ヴァンの小僧!」
 ヴァンがどいた瞬間に、ムドーは駆け出していた。
 超大型ゴーレムに向かって猛突進!
 ドガァッ!
 うわわっ、すごい音!
 でも、超大型ゴーレムはふらついただけで、倒れない。
 そのまま、ムドーと超大型ゴーレムは組み合った形になった。
「ぐぐぐ、こいつはなかなか、骨が折れるわい」
 ムドーの言う通り、力勝負ではなかなか力がつかない。
 むしろ、ムドーの方が押されている。
 ムドーは、じり、じりと押されて壁に向かっていく。
 このままじゃ、ムドーがゴーレムと壁にはさまれてつぶされちゃうよ!
 何か、何か方法は……。
 必死で考えをめぐらせる。
「くそ、おれじゃ力不足だった。あの泥の体に蹴りの衝撃が吸収されちまって……」
 ヴァンがくやしそうに言う。
 泥か、ゴーレムは、泥でできてるんだよね……。
 ふと見ると、ムドーと組みあっている超大型ゴーレムの体から、パラパラと何かが落ちてきた。
 あれは……、水分が抜けて固まった、泥のカケラ?
 そうか、ムドーの体が燃えているから、表面が乾いてきているんだ。
 じゃあ、もしかして……。
「ムドー! いったん離れて! そして、ゴーレムに向かって、全力で火炎を吐き出して! ゴーレムの泥が、ぱさぱさになっちゃうくらいに!」
 ムドーはどがっとしっぽでゴーレムを突き放すと、わたしの言う通りに思い切り火の息を吐き出した。
 ごおおおっ!
 こっちにまで伝わってくる、熱気。
 あれを、人間が食らったら、消し炭になっちゃうってくらいの勢いだ。
 超大型ゴーレムは火炎をくらいながら動こうとして……。
 どさ、と腕が落ちた。
 よし、計算通り!
 ゴーレムは泥でできている。ということは、土が水分を含んで、固まっているってこと。
 だから、ムドーの火炎で乾かしちゃえば……、泥から、土になっちゃうってワケ!
 超大型ゴーレムは動くたびにぼろぼろとくずれていく。
 人形で、痛みを感じないから、まだ攻撃しようとしているんだ。
 でも、それは逆効果だよ!
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