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11.ニセダンジョンクリア証明書の売買を防げ!

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「エートの名において、願う。友よ、キヨコよ、あらわれたまえ」
 わたしの頭の下に、帽子をかぶったマーメイドの紋章を組み込んだ魔法陣が浮かび上がった。
 そこから、マーメイドのキヨコが出てきた。キヨコは水場ではないと気づき、すぐに魔法で魚から人間の足になる。
「あらあら、エートちゃん、どうしたの? そんな逆さづりになっちゃって」
 何かの練習? とキヨコは首をかしげた。
 そんなわけないじゃん、もーっ!
「キヨコ、お願い。このロープを切って」
「分かったわ」
 キヨコは空中に水の矢を出すと、その矢をロープに向けて発射した。
 ブチン!
 ロープが切れて、落ちたわたしはキヨコに抱きとめられた。
 よ、よかった。無防備なまま、頭から落ちたらどうしようかと思った。
 それにしても、さすがモンスター。落ちてきたわたしを受け止めるなんて、力があるなぁ。
「ありがとう、キヨコ」
「どういたしまして」
 キヨコに今の状況を軽く説明して、一緒に走り出す。
 なんか、ワナにひっかかった右足が痛いような……。
 ううん、そんなのにかまってられない!
「それにしても、人間って、面白いこと考えるわねー。ただの紙きれをお金にしちゃうなんて、すごいわ」
「感心しないでよ、キヨコ!」
 そうこうしているうちに、ヴァンのところに追いついた。
 だけど……。
 犯人は三人とも、すでにヴァンによってぼろぼろにされ、床に倒れてました……。
 ひゃー、みんな、顔とか腕とか腫れ上がってるよ。
 ヴァンの蹴りをくらったんだね。
 痛そう……。
「おう、エート。今、こいつらしばりあげたら、助けに行こうと思ってたところだ」
 ヴァンはケロっとしていて、傷のひとつもない。
 大の男相手に、三対一でよく戦えたなぁ。
 ……見たかったな、ヴァンの活躍するところ。絶対、カッコイイに決まってる。
 想像して、わたしは思わずため息をもらした。
 その瞬間、倒れていたひとりがふらふらと立ち上がった。
 手に持っているのは……、ナイフだ!
 男は何か叫びながら、ヴァンに向かって突進してきた!
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