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プロローグ
二度目の人生 4
しおりを挟む世界が、壊れる。
おかしい。
おかしいのだ。
こんなことは。
叫びたくなった。
なぜこの世界にいないのだと。
そう、慟哭した。
王女の葬儀の日だった。
ぼんやり立って、見ていた。
気がついたら棺はなくなっていた。
でかい国葬だったのに、もう一日経っていた。
ぼんやりしているうちに、棺は燃えたらしい。
そう聞いて、吐き気がした。
気が、狂うかと思った。
ひたすらに立ち続ける俺は恐ろしかったという。
正気を疑うような、今にも死にそうな顔で、目で、食い入るようにその様を見つめていたらしい。
誰も責めなかった。
その日お前はいなかったんだから、仕方ない。
誰も誰も、莉緒の居場所を知らない。
莉緒の、居場所を。
葬儀が終わって、俺は家に帰った。
家の、いつも剣を振っていた裏庭で、ひたすらに素振りした。
楽になると思った。
全然楽にならなかった。
なんで、
剣を振るう手は止まっていた。
ひたすらに、なんで、と。
頭の中で、そう繰り返す。
なんで王女は死んだのか。
なんで王女が死ななければならなかったのか。
なんで王女は暗殺されたのか。
なんで王女の護衛は何もしなかったのか。
その時俺は何をしていたのか。
その日、俺は吐いた。
死ぬほど気持ち悪くて、死ぬほど辛い。
あまりにも苦しくて、生きているのかどうかも謎の中、弟が遠くから駆け寄る姿を最後に、意識は途絶えた。
その二日後、俺は王女の兄に、王女の日記を見せてもらった。
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