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結婚式に義兄が出張ってくる
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色々あってシュネーとルキスの結婚式当日を迎えた。
俺は朝から見慣れぬ奴らに飾り立てられ伯父上曰くの『ぎりしゃしんわのかみさま』みたいな格好をしている。
大聖堂の古くからの伝統ある服装だ。
ちなみにネロとレイドはちょっと豪華な服を着ているが伝統服では無い。
面倒なのでさっさと会場にやってきた。
準備はあらかた終わり、出席者を待つだけの状態のようだ。
誰もいねぇな・・・。
さて、どうするか。
ネロとレイドと話してたところで何にもなんねぇ、シュネーとルキスがいるとこに向かうか?
シュネーのとこは怒られそうだからレイドの方に行くか・・・。
「ダメですよリュオン様」
「なんでだよ」
お前はシュネーか。
「リュオン!」
「あ?・・・母上」
誰かと思えば母上だった。
相変わらず若々しい。
ミルクティーブロンドの髪は豊かに波打ち、薄い翠の瞳は確かな輝きを持っている。
落ち着いたすみれ色のドレスは・・・十中八九父上の瞳をイメージしてのことか。
流石に結婚式に濃い色のドレスは断念したらしい。
紫って結構目立つしな。
その斜め後ろには従者のように付き従う父上の姿・・・。
こちらも若々しい。
灰銀色の髪を後ろで一つに結んで、深い紫水晶の瞳が伏せられる。
うむ、相変わらず顔がいいな。
こう見えてヘタレだけどな。
二人してキラキラしている・・・しばらく雑談を楽しんでいると、段々と人が増え人口密度も高くなって・・・やがてアイトとマキアが連れ立って来た。
初めて見たら見分けがつかないほどに両親そっくりだ。
「久しぶり」
「あ、うん」
簡潔な二人だがいつもの事なので気にしない。
やがて双子が両親と会話し始めたのでちょうど小腹がすいた俺は誰もいない食事の置いてあるスペースに向かった。
・・・やっぱこういうのは苦手だわ。
短時間で激しくげっそりした気がする。
しかも周りの視線もうるせぇし。
チラチラこっち見んなうぜえ。
話しかけてくんなよ。
軽食を口に運ぶ。
肉だけ選んでだぞ?
野菜なんか死んでも食うか。
あー、はんばーぐうめぇ・・・。
みーとぼーるにからあげ。
しょうがやきに・・・うおっ!すきやきもある!
鍋に駆け寄って手を伸ばし・・・その手が、掴まれた。
「───────ウルド様っっ・・・!」
「・・・は?」
うるど?だれだ、それ。
意味もわからず顔を上げた先には、切羽詰まったような、目だけ異様にギラギラとした男。
多分顔立ちは美しいんだろう。
薄い青の瞳と、珍しい白銀の髪を持っている。
・・・まあ、俺の純白の髪の方が断然珍しいが?
つうか手ェ離してくんね?
肉食べたいんだが・・・
肉に視線を送っていると軽い衝撃が走り男の手が離れた。
「離れて下さい」
「っ・・・」
レイドだった。
グイッと下がらせられて、そっちを向くと険しい顔のネロ。
は?何?
「どちら様でしょう」
「っあ、申し、遅れました・・・私は、アデル・シーフィルド・・・シーフィルド公爵家の、嫡男です」
シーフィルド。
「・・・シュネーの、義兄・・・?」
俺は朝から見慣れぬ奴らに飾り立てられ伯父上曰くの『ぎりしゃしんわのかみさま』みたいな格好をしている。
大聖堂の古くからの伝統ある服装だ。
ちなみにネロとレイドはちょっと豪華な服を着ているが伝統服では無い。
面倒なのでさっさと会場にやってきた。
準備はあらかた終わり、出席者を待つだけの状態のようだ。
誰もいねぇな・・・。
さて、どうするか。
ネロとレイドと話してたところで何にもなんねぇ、シュネーとルキスがいるとこに向かうか?
シュネーのとこは怒られそうだからレイドの方に行くか・・・。
「ダメですよリュオン様」
「なんでだよ」
お前はシュネーか。
「リュオン!」
「あ?・・・母上」
誰かと思えば母上だった。
相変わらず若々しい。
ミルクティーブロンドの髪は豊かに波打ち、薄い翠の瞳は確かな輝きを持っている。
落ち着いたすみれ色のドレスは・・・十中八九父上の瞳をイメージしてのことか。
流石に結婚式に濃い色のドレスは断念したらしい。
紫って結構目立つしな。
その斜め後ろには従者のように付き従う父上の姿・・・。
こちらも若々しい。
灰銀色の髪を後ろで一つに結んで、深い紫水晶の瞳が伏せられる。
うむ、相変わらず顔がいいな。
こう見えてヘタレだけどな。
二人してキラキラしている・・・しばらく雑談を楽しんでいると、段々と人が増え人口密度も高くなって・・・やがてアイトとマキアが連れ立って来た。
初めて見たら見分けがつかないほどに両親そっくりだ。
「久しぶり」
「あ、うん」
簡潔な二人だがいつもの事なので気にしない。
やがて双子が両親と会話し始めたのでちょうど小腹がすいた俺は誰もいない食事の置いてあるスペースに向かった。
・・・やっぱこういうのは苦手だわ。
短時間で激しくげっそりした気がする。
しかも周りの視線もうるせぇし。
チラチラこっち見んなうぜえ。
話しかけてくんなよ。
軽食を口に運ぶ。
肉だけ選んでだぞ?
野菜なんか死んでも食うか。
あー、はんばーぐうめぇ・・・。
みーとぼーるにからあげ。
しょうがやきに・・・うおっ!すきやきもある!
鍋に駆け寄って手を伸ばし・・・その手が、掴まれた。
「───────ウルド様っっ・・・!」
「・・・は?」
うるど?だれだ、それ。
意味もわからず顔を上げた先には、切羽詰まったような、目だけ異様にギラギラとした男。
多分顔立ちは美しいんだろう。
薄い青の瞳と、珍しい白銀の髪を持っている。
・・・まあ、俺の純白の髪の方が断然珍しいが?
つうか手ェ離してくんね?
肉食べたいんだが・・・
肉に視線を送っていると軽い衝撃が走り男の手が離れた。
「離れて下さい」
「っ・・・」
レイドだった。
グイッと下がらせられて、そっちを向くと険しい顔のネロ。
は?何?
「どちら様でしょう」
「っあ、申し、遅れました・・・私は、アデル・シーフィルド・・・シーフィルド公爵家の、嫡男です」
シーフィルド。
「・・・シュネーの、義兄・・・?」
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