俺の恋路を邪魔するなら死ね

ものくろぱんだ

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てめぇは俺のもんなんだよ

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俺が白昼夢から目覚めたのはそれからすぐだった。
・・・つうか、瞬きしたら会場に立ってた。

さっきまでの暗い部屋なんかどこにも見当たらねぇ、ただの結婚式会場。
未だ俺を凝視している男もいる・・・と。

「・・・ん?ネロは?」
「・・・先ほど、知り合いを見つけたからと」
「はぁ?」

知り合い?あいつの?なんだそりゃ。
・・・街の人間なんて招待してねーぞ、ってことは・・・。

「・・・祖国の人間かよ」
「どうされます?」
「どうもこうも・・・行ってくるから、あの男止めとけ」
「わかりました」

自然な動作でネロが向かったという廊下に足を進める。
背後で動いた例の男は押さえつけられたらしい。

廊下に出て、ネロを探す。
ああ、いた。

「・・・ごめんロヴァンナ、俺は──────────」
「おい、ネロ?」

・・・ちょうどネロの声が俺の声かけと重なった。
廊下で二人の人影がこちらを振り向く。
・・・なんか泣いてねぇか?
ネロに近づいていきながらネロの真向かいに立つ女が泣いていることに気がついた。
本人は涙を拭ってこっちにカーテシーしたけど。

「何泣かせてんだよ」
「・・・」

思いっきりネロが「泣かせてない」と言い返すかと思ったが何も言わねぇ、まじか。
どうやらこの女はネロが泣かせたらしい。

「まじで泣かしたのか」

もう一回女をまじまじと見る。
・・・ふつーの女だ。
どこにでも居そうな、ドレスを着てなかったら周囲に埋没しそうな。

ふと女が顔を上げた。

「神子様!どうか、どうかお願いですっ・・・どうか、ネロを解放してください!」

・・・何言ってんだろこいつ。

「・・・はあ?」
「ちょ、ロヴァンナ・・・」 

ネロが困ったように女をなだめようとする。
・・・無性にイラついた。
なんなんだよお前。

「お前、なんなの?それどこ目線?」
「えっ・・・」

思わず言い返せば狼狽えたように動揺する女。
・・・言い返されると思ってなかったのかよ、脳内お花畑か。

「お前に指図される覚えねぇんだよ・・・ネロも」
「・・・」
「今更辞めようったって許さねぇ、最期の最後まで、てめぇは俺のもんなんだよ」
「っ、ネロは物じゃ───────────」
「うるせぇ、お前はさっさとどっか消えろ」

言いたいだけ吐き出して、くるりと後ろを向いた。
まだ俺よか背の低いネロの肩を引っ掴んで、引き摺る勢いで前に進んだ。

後ろのすすり泣きは聞かねぇふりをした。

「あーまじで気持ちわりぃー」

棒読みでそう呟く。
ネロは何も返さねぇ。
それに少し不満を抱きながら、会場に戻った。

白い髪の男と目が合った。
黄色い瞳の男だった。
それをどこかで見たことのあるもののように感じたけど、苛立つ心では考えることもままならない。
ネロの肩を掴んだその手に力を込めて、うざったい男の視線を振り切るように背を向けて。

結局どす黒い気持ちのまま、俺にとって身内に等しい二人の結婚式は終わって行った。
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