自宅が全焼して女神様と同居する事になりました

皐月 遊

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二章 新学期、新たな出会い編

49話 「お皿と服を買いに行こう」

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「あ、如月君おはようございます」

「んー…」

今日は日曜日という事で10時に目覚め、リビングに行くと柊がソファに座って雑誌を見ていた。

「今日は随分とぐっすり寝てましたねぇ」

「昨日夜遅くまで勉強しててな…」

「お疲れ様です。 朝ごはん食べますか? 食べるなら今から卵焼き作りますけど」

「頼む…」

「はい。 じゃあ座って待ってて下さいね」

そう言って柊はキッチンに向かい、俺はソファに座る。

テーブルの上には柊が読みかけだった雑誌が置いてあり、最後に開いてあったページにはおしゃれな柄が入っている皿や可愛らしいコップが載っていた。

「新しい食器買いたいのか?」

「え? あぁその雑誌ですか。 そうですね、新しいを買って古い食器は処分しようかと思って」

柊は卵焼きを作りながら答えた。

「なるほどなぁ。 こういうオシャレな食器ってどこに売ってるんだ? 俺が1人暮らししてた時は全部100均で揃えたぞ」

「駅前に食器専門店があるので、今ある食器は全てそのお店で買いました。 
でも金曜日に行ったデパートにも別の食器専門店があって、いつか行きたいなと思ってます」

「あのデパート食器専門店もあったのか。 全然気づかなかったぞ」

「デパートのホームページに載ってたんです。 あの日は1階と2階しか行きませんでしたが、食器専門店は4階にあるみたいですね」

なるほど…だから気づかなかったのか。

「はい。 出来ましたよ」

「お、ありがとな」

テーブルの上に卵焼き、白米、味噌汁が置かれる。
最初に味噌汁を飲むと、いつも通り美味しかった。
俺好みの味だ。

卵焼きを食べながら、チラッと柊を見ると、柊はソファに座ってまた雑誌を読んでいた。

…ふむ…新しい食器か…

「…買いに行くか?食器」

「え?」

「日頃世話になってる礼をしたい。 だから柊が買いたい食器を買わせてくれ」

卵焼きを食べながら言うと、柊は驚いた表情で俺の方を見た。

「そ、そんなお礼なんて…! 私がしたくてやってる事ですし…」

「母さんから多めに小遣い貰ってるから遠慮すんな」

「でも…それは如月君のお金ですし」

「『これで美味い物でも食べさせてあげな』って言われてるし、俺は別に欲しいものとかないから大丈夫だ」

…まぁ正確には、『これで渚咲ちゃんとデートしてきな!』だがな。

柊は何度も俺と雑誌を見て悩む。

「んー…じゃあ…お願いしても良いですか…?」

「おう。 んじゃ昼飯食ったら行くか」

「はいっ!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

昼飯を食べ終え、身支度も終えた俺は、リビングで柊が来るのを待っていた。

「お待たせしました!」

柊は水色のフリルのついた膝丈のワンピースを着てリビングに来た。

「どうですか…? これ金曜日に買ったワンピースなんですが…」

「おー、良いんじゃねぇか? 似合ってると思うけど」

「そうですか…良かった…」

柊は安心したように笑う。
試着せずに買ったから不安だったんだろう。

「んじゃ行くか」

「はいっ! 」

俺と柊は一緒に家を出てデパートへ向かった。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「暑…」

「確かに…最近急に暑くなりましたよね…」

まだ6月だというのになんだこの猛暑は…本当に地球温暖化というのは恐ろしい。

「もうそろそろ制服も半袖になる時期ですね」

「だな…流石にこの暑さでブレザーはきつい…」

「ですね…あ、デパート見えてきましたよ。 デパートの中は涼しいので早く行きましょう」

「おー…」

俺と柊は汗をハンカチで拭いながらデパートに入る。
デパートの中はクーラーが効いており、別の世界なんじゃないかと錯覚するくらい涼しかった。

「あ~クーラー最高…」

「ふふ…お買い物する前に少し休みましょうか」

「だな…」

俺達は休憩スペースに座り、10分程休憩し、汗が引いてからお目当ての食器専門店へ向かった。

流石食器専門店というだけはあり、オシャレな皿やコップが沢山売っていた。

柊は沢山の食器を見て目を輝かせた。
ここに来る前に銀行で金を下ろしてきたから、足りないという事はないはずだ。

「いっぱいありますね~!」

「だな…高級料理で使われてそうな皿ばかりだ」

「オシャレなお皿に盛り付けると更に美味しく見えますからね。 お皿はちゃんとした物を選びたいんです」

「なるほどな。 時間はいっぱいあるからじっくり選べよ」

「はいっ!」

そう言うと、柊は店内を歩き回り、とある棚の前で立ち止まった。

柊の前には柄は全て同じだが色が違う皿が沢山並んでいた。
柊は黒、青、オレンジ、緑、ピンクの色の柄の5枚の皿をジーッと見ていた。

「その皿が気になるのか?」

「え? あ、はい。 なんか皆さんの色と同じだなって」

皆さんとは、俺、春樹、七海、桃井の事だろう。

確かに言われてみれば確かにあいつらの事が思い浮かぶ色だ。

黒は黒髪の俺。
青は青目の柊。
オレンジはオレンジ色の髪の春樹。
緑は緑が好きと言っていた青葉。
ピンクは桃色の髪の桃井。

「これから、もしかしたら皆さんでご飯を食べる機会があるかも知れません」

「あるかもな」

「はい。 なのでこのお皿を買いたいです」

「了解だ。 後はなんか買いたいのあるか?」

「んー…マグカップが欲しいですね」

柊はそう言ってコップが置いてある場所へ向かう。
当たり前だが色々なコップがある。

「如月君って何色が好きですか?」

「ん?俺は黒だな」

「なるほど…」

柊の視線の先には、2つセットのマグカップが入った箱が置いてあった。
黒のマグカップに青のマグカップだ。

ちょうど良いなと思っていたら、下のポップが目に入った。
ポップには、『カップルに人気!!』と書いてあった。

柊もそのポップを見て買うか買わないか悩んでいるようだった。

「…じゃあ、これも買います」

柊は緊張して震えながら2つのマグカップが入った箱を手に取った。

「おう。 後はなんかあるか?」

「いえ、お皿とマグカップが変えれば十分です」

「了解。んじゃ会計してくる」

俺は店員さんにさっきの5枚の皿と2つセットのマグカップを渡し、会計をしてもらった。

…まさか皿5枚とマグカップ2つで2万円を超えるとは思わなかったが、日頃の感謝の為だ。

皿が割れないように梱包してもらい、袋を受け取る。

「ありがとうございます」

「気にすんな。 で、これからどうする?」

食器専門店を出て柊に聞くと、柊は悩んだ後口を開いた。

「お洋服屋さんに行っても良いですか?」

「服屋? 金曜日も行っただろ」

「はい…1着だけ試着してみたい服があって…」

「まぁ、良いんじゃないか?」

「ありがとうございます…!」

そう言って、俺達は金曜日皆と一緒に着た服屋に来た。
柊は迷わずに進み、とある服を手に取る。

それは、柊が桃井におすすめされた肩が出るタイプのフリフリした白のブラウスに、膝上までの短い水色のスカートだった。

「お前これ…」

「はい…金曜日は試着出来なかったので似合うか分からず書いませんでしたが…ちょっと気になってしまって」

「なるほどな」

「あの…今から試着してくるので…正直に感想言ってもらっても良いですか…? 似合わなかったら諦めるので」

「ん。了解」

俺が頷くと、柊は緊張しながら試着室に入って行った。

…さて…柊を待ってる間暇だな…この店には女性用の服しかないし、男の俺は明らかに場違いだ。

「さっきの可愛い女の子は彼女さんですか~?」

どうやって時間を潰そうか考えていると、店員の女性に話しかけられた。

「彼女じゃないですよ」

「あら! そうなんですか!? とても仲が良さそうだったからてっきり…」

この台詞よく言われるが、側から見たらそんなに俺達は付き合っているように見えるのだろうか…?

「あんなに綺麗な子見た事ないので、いっぱいオシャレさせてあげたいなって思っちゃいます!」

店員の女性はそう言って笑う。

「…例えばどんなのですか?」

世間話のつもりで聞くと、店員さんは顎に手を当てて考える。

「ああいう元が綺麗な子は、ちょっとアクセサリーをつけるだけで更に魅力的になると思うんですよね~」

「アクセサリー…ですか」

確かに柊はアクセサリーを付けてるのを見た事ないな…

「さっきあの子が試着室に持って行ったオフショルダーのブラウス、あの反応を見るに、きっとああいう露出の高い服は着た事がないんでしょう?」

「…す、凄いですね…なんで分かるんですか」

「この仕事をやってると分かっちゃうんですよ~」

そして、店員さんは箱に入ったネックレスを見せてきた。

「さっきのオフショルダーのブラウスにはこういうネックレスが合うと思うんですよね~」

箱に入ったネックレスを見てみると、青くて綺麗な宝石が埋め込まれているタイプだった。

「…でも、彼氏でもない人から貰っても困らないですか?」

「ただの友達だと思ってたら試着に付き合わせたりしませんよ~! 自信持って下さい!」

ふむ…そういう物なのか…
値段も別に買えない程高いわけじゃないしな…

しかも青い宝石というのもまた柊に合いそうだ。

「そろそろ試着終わると思うので、私はこれで失礼しますね。 ぜひご検討下さいっ」

店員さんはそう言って俺から離れて行った。
そしてそれから少し経った後、試着室のカーテンが開いた。

俺の目の前には、恥ずかしそうに顔を真っ赤にした柊が立っていた。

オフショルダーのブラウスからは普段は見えない柊の綺麗な肩が見えている。

更にいつもは膝丈までの長さのスカートなのに今柊が履いているのは膝上の丈のミニスカートだ。
そのミニスカートは柊の健康的な細くて長い美脚をこれでもかというくらい見せつけており、当の本人は恥ずかしそうにしているが、はっきり言ってめちゃくちゃ似合っている。

「あ…あの…どうですか…?」

柊は上目遣いで聞いてくる。

流石に思った事をそのまま声に出すのはキモすぎるしな…

「…似合ってんじゃねぇかな」

こういう時に気の利いた一言が言えない自分が憎いが、俺の言葉を聞いた柊は嬉しそうな顔をしていた。

「ほ、本当ですか!? じゃあ買っちゃおうかな…」

「良いんじゃねぇか? 」

「ありがとうございます! じゃあもう一回着替えるので、もう少しだけ待っていて下さい!」

「あいよ」

柊はそう言って笑顔でカーテンを閉めた。
そして俺は一直線にレジへと向かった。

レジではさっきのお姉さんがニヤニヤしながらこっちを見ていた。

「…さっきのネックレス下さい」

「はーい! ラッピングしちゃいます?」

「お願いします」

「ふふ…やっぱり似合ってましたね~。 レジから見てました!」

店員さんは丁寧にネックレスね入った箱をラッピングしながら言う。

「きっと喜ぶと思いますよ~? 良い物を見せてもらったので、特別に割引にしときますね!」

「いや、別に大丈夫ですよ。 お金なら…」

「いいからいいから! 私ここの店長なので!」

「そういう問題なんですか…? まぁ、ありがとうございます」

俺は20%割引されたネックレスの値段を払い、青い袋で綺麗にラッピングされたネックレスの箱を受け取ると、柊にバレないようにバッグの中に入れた。

その後試着室の前に戻ると、満足そうな顔をした柊が出てきて、笑顔でレジに向かって行った。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「なんかこの服割引になったんですけど、なんででしょう…? 古いわけでもないのに…」

服屋を出ると、柊が首を傾げながら呟いた。

「…知らん」

「んー…疑問です」

「それより、次はどこか行きたいところないのか?」

「行きたい所…逆に如月くんはないんですか? 私の物ばかりで申し訳ないです」

適当にデパート内を歩きながら、柊に言われた。

「特にないな。 欲しいものとかもないし」

俺が言うと、柊は顎に手を当てて「んー…」と悩む。
そして俺の服を見てくる。

オシャレしている柊とは違い、今の俺の服は黒ズボンに灰色の半袖パーカーと地味な格好だ。

「…如月君の服を買いに行きましょう!」

「俺の服…?」

「はい! 前に如月くんは「動きやすければなんでも良い」と言ってましたが、如月君ももっとオシャレに興味持ってもいいと思います」

「別にいらな…」

「良いから。行きますよ~」

そう言って柊は男性用の服屋へと歩き出した。
俺はため息を吐き、柊について行った。
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