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2 ロザリンダを殺したのはあなた達ですよね?
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ロザリンダ・ラクシエルは公爵令嬢である。
“王家の色“といわれる青銀の髪と瞳を持って生まれたため、王太子の婚約者に選ばれ、十歳の頃から王宮に通い、王太子妃教育を受けてきた。
同じ年で同じ青銀の王太子とは公私共に長く過ごした仲__、だったはずだ。
だが、聖属性魔法を持つナタリアという子爵令嬢が現れてから全てが狂った。
王太子は骨抜きになり、兄も弟も他の有力子息もナタリアの虜になった。
金髪碧眼のナタリアは確かに可愛いらしく、聖属性魔法は希少だが成績が特に良いわけでもなく、聖属性魔法で国を救う力があるわけでもない。
言ってしまえばただちょっと可愛いだけで礼儀もなってない(だがあざとさだけは超一級な)少女にすぎない。
「ゲームプレイしてる時は、健気で可愛いって思ってたけど……」
(ほんとに可愛いだけ、なんだよねぇ……)
引き換えロザリンダは成績良し、血筋良し、スタイル良しの絶世の美少女。
「私が男だったら、絶対ロザリンダとるけどなー?」
そりゃあ胸はナタリアの方が少しでかいかもだけど、でかければいいってもんじゃないし、ロザリンダの方が間違いなく黄金比率っていうか。
「それを辺境のヒヒジジイに売ってアレ取るって、マジで見る目なさすぎでしょ……」
いや、単に好みが残念なのか……?
青銀の長い髪を弄びながらごちる私はロザリンダではない。
婚約破棄を言い渡された時、ロザリンダの意識は完全に落ちた。
おそらくはショック死に近い。
今まで頑張ってきたことの全てが無駄になり、愛する人に手酷い裏切りを受け、さらに死刑より辛い未来を突きつけられて耐えられなかったのだろう。
確かにロザリンダはナタリアにきっつーいひとこと言ったり、マナーがなってないとこ痛烈に批判したりしたけど、自分は少しでもトチれば嘲笑されたり叱責されたりする立場にいたのだ。
なのに全くなってない可愛さだけが取り柄の娘が婚約者と目の前でイチャコラしてたら怒って当然だ。
我が儘放題にさせたのは実家の公爵家だし、王族らしい傲慢さを植えつけたのは妃教育だ。
そもそも高慢さは高位の貴族令嬢なら大小あれど身についてて当たり前だ。
公爵家の両親は娘可愛さに我が儘を許していたのでなく、放置していただけだ。
“いずれ娘は王妃になる“という恩恵を享受していただけ。
ロザリンダの我が儘や高慢さは、孤独の裏返しと自身を守る鎧だったのだろう、妃教育だって、子供の時分は投げ出してしまいたかった。
けれど生まれつき“王家の色“を持っていた彼女はそれが自分の役割だと逃げなかった。
「なのに、こんなバッドエンド……」
この国の王位は“青銀の髪と瞳“を持つ者のみが継承を許される。
直系でも傍系でも、王族の血を引き、その色を持ってさえいれば良いのだ。
だからこそ、ロザリンダが選ばれた。
王太子も現在の王家の中では唯一青銀だが、瞳の色はロザリンダより薄く、髪は銀より青に近い。
だからこそより鮮やかな色を持つロザリンダが選ばれた。
政略であってもロザリンダと王太子の仲は悪くはなかった、ナタリアが現れるまでは。
いくらナタリアがヒロインでロザリンダが悪役令嬢とはいえ「流石に、可哀想だったよなぁ……」悪役令嬢の数あるバッドエンドの中でも、「王家の孕み腹として辺境の老公爵に嫁がされ、その老公爵はじめ城に集められた傍系の男たちに毎日犯され続け、休む間もなく子を産まされ続けることになった」。
ゲーム内の文はこれだけだったが、蝶よ花よと育てられた貴族令嬢が、そんな環境に耐えられるものだろうか。すぐに衰弱とストレスで死んでしまったのではなかろうか?
ゲームはヒロインのみの視点で描かれる為、めでたしめでたしで終わりだが当事者になってみたらそうはいかない。
ロザリンダとしての記憶は私、木ノ葉サツキにしっかり引き継がれている。
ロザリンダが蓄えた知識も魔力も、今は私が自由に引き出せる。
幸い、ロザリンダの家族は破滅させても良心の痛まないクズ揃い。
公爵夫妻も私にとっての親ではないし、ロザリンダからしたら立派な毒親だ。
なら、やることはひとつ。
「見ててね、ロザリンダ」
死んでしまった貴女の代わりに。
「私がアイツらを、やっつけてあげるからね?」
サツキは鏡に向かって微笑んだ。
“王家の色“といわれる青銀の髪と瞳を持って生まれたため、王太子の婚約者に選ばれ、十歳の頃から王宮に通い、王太子妃教育を受けてきた。
同じ年で同じ青銀の王太子とは公私共に長く過ごした仲__、だったはずだ。
だが、聖属性魔法を持つナタリアという子爵令嬢が現れてから全てが狂った。
王太子は骨抜きになり、兄も弟も他の有力子息もナタリアの虜になった。
金髪碧眼のナタリアは確かに可愛いらしく、聖属性魔法は希少だが成績が特に良いわけでもなく、聖属性魔法で国を救う力があるわけでもない。
言ってしまえばただちょっと可愛いだけで礼儀もなってない(だがあざとさだけは超一級な)少女にすぎない。
「ゲームプレイしてる時は、健気で可愛いって思ってたけど……」
(ほんとに可愛いだけ、なんだよねぇ……)
引き換えロザリンダは成績良し、血筋良し、スタイル良しの絶世の美少女。
「私が男だったら、絶対ロザリンダとるけどなー?」
そりゃあ胸はナタリアの方が少しでかいかもだけど、でかければいいってもんじゃないし、ロザリンダの方が間違いなく黄金比率っていうか。
「それを辺境のヒヒジジイに売ってアレ取るって、マジで見る目なさすぎでしょ……」
いや、単に好みが残念なのか……?
青銀の長い髪を弄びながらごちる私はロザリンダではない。
婚約破棄を言い渡された時、ロザリンダの意識は完全に落ちた。
おそらくはショック死に近い。
今まで頑張ってきたことの全てが無駄になり、愛する人に手酷い裏切りを受け、さらに死刑より辛い未来を突きつけられて耐えられなかったのだろう。
確かにロザリンダはナタリアにきっつーいひとこと言ったり、マナーがなってないとこ痛烈に批判したりしたけど、自分は少しでもトチれば嘲笑されたり叱責されたりする立場にいたのだ。
なのに全くなってない可愛さだけが取り柄の娘が婚約者と目の前でイチャコラしてたら怒って当然だ。
我が儘放題にさせたのは実家の公爵家だし、王族らしい傲慢さを植えつけたのは妃教育だ。
そもそも高慢さは高位の貴族令嬢なら大小あれど身についてて当たり前だ。
公爵家の両親は娘可愛さに我が儘を許していたのでなく、放置していただけだ。
“いずれ娘は王妃になる“という恩恵を享受していただけ。
ロザリンダの我が儘や高慢さは、孤独の裏返しと自身を守る鎧だったのだろう、妃教育だって、子供の時分は投げ出してしまいたかった。
けれど生まれつき“王家の色“を持っていた彼女はそれが自分の役割だと逃げなかった。
「なのに、こんなバッドエンド……」
この国の王位は“青銀の髪と瞳“を持つ者のみが継承を許される。
直系でも傍系でも、王族の血を引き、その色を持ってさえいれば良いのだ。
だからこそ、ロザリンダが選ばれた。
王太子も現在の王家の中では唯一青銀だが、瞳の色はロザリンダより薄く、髪は銀より青に近い。
だからこそより鮮やかな色を持つロザリンダが選ばれた。
政略であってもロザリンダと王太子の仲は悪くはなかった、ナタリアが現れるまでは。
いくらナタリアがヒロインでロザリンダが悪役令嬢とはいえ「流石に、可哀想だったよなぁ……」悪役令嬢の数あるバッドエンドの中でも、「王家の孕み腹として辺境の老公爵に嫁がされ、その老公爵はじめ城に集められた傍系の男たちに毎日犯され続け、休む間もなく子を産まされ続けることになった」。
ゲーム内の文はこれだけだったが、蝶よ花よと育てられた貴族令嬢が、そんな環境に耐えられるものだろうか。すぐに衰弱とストレスで死んでしまったのではなかろうか?
ゲームはヒロインのみの視点で描かれる為、めでたしめでたしで終わりだが当事者になってみたらそうはいかない。
ロザリンダとしての記憶は私、木ノ葉サツキにしっかり引き継がれている。
ロザリンダが蓄えた知識も魔力も、今は私が自由に引き出せる。
幸い、ロザリンダの家族は破滅させても良心の痛まないクズ揃い。
公爵夫妻も私にとっての親ではないし、ロザリンダからしたら立派な毒親だ。
なら、やることはひとつ。
「見ててね、ロザリンダ」
死んでしまった貴女の代わりに。
「私がアイツらを、やっつけてあげるからね?」
サツキは鏡に向かって微笑んだ。
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