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影が追いかけてくるっ!④〜ミカゲ様の真実〜
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葵はあの晩、どうしてあの影は私を追って来たのだろうかと考えた。実はあのクローゼットで恐怖を感じていたと同時に、なぜか懐かしさも感じていたのだ。
あれは曽祖父だったのでは…
あの恐怖の影の正体があの優しい曽祖父などとら信じられないかもしれないが、直感で感じたのだ。葵は今回あったことを家族に話した。しかし家族はみんな知らない、あるいは話を逸らす感じだった。諦めかけていたが、最後に訪ねた祖母のサト子が重い口を開いた。
曽祖父の源太は昔、谷坂村に住んでいた。谷坂村は村に住んでいるだけで、高額の住民料を徴収していた限界集落である。源太は腕っぷしだけは強く、村長に雇われた取り立て屋だったようだ。住民料が払えない者を村の地下牢に連れていった。
「ミカゲ様はね、人の心の奥底に潜む闇なんだよ。どんなに善行を重ねてきた者でも、心どこかに闇が存在するんだよ…。源太おじいちゃんが亡くなってから、辛かった昔の記憶だけが取り残されてたみたいだね。源太おじいちゃんはね、自分の行いをずっと悔やんでたよ。」
葵はエレベーターで影に襲われたときのことを思い出していた。まさか…あのとき一瞬見えた、許しを乞う人々の光景は、源太おじいちゃんの辛く、思い出したくない、過去の記憶だったのだろうか…?
「ミカゲ様は心の綺麗な人に引き寄せられると言われるからね。源太おじいちゃんは、葵に残された自分の過去の記憶を終わらせて欲しかったのでしょう。源太おじいちゃんから何か貰わなかった?」
「十字架のペンダントを貰ったけどミカゲ様に襲われたときにチェーンをちぎって投げたから、失くしちゃった。ごめんなさい。」
「いいんだよ。助かるにはそうするしかない。ミカゲ様から逃れるには、影を残した者との縁を切る必要があるんだよ。贈り物のペンダントのチェーンを切ることが縁を切ることになったみたいだね。でも無事で良かった。怖かったね。」
過去の暗い記憶の塊は、源太という肉体を失い、ミカゲ様に姿を変え、ずっと孤独に彷徨い続け、拠り所となる光を追い求めてきたのだろうか…?その光が葵だったのかもしれない。
ペンダントはどこへいったのだろう。あれから探したのだが、全く見つからない。少し残念だが、もうミカゲ様は現れない気がする。
「ペンダントは失くしちゃったけど、そんなことで家族の縁は切れないよね。源太おじいちゃんもそう思うでしょう?」
就職内定報告に来た葵は、源太の遺影にそう語りかけていた。
あれは曽祖父だったのでは…
あの恐怖の影の正体があの優しい曽祖父などとら信じられないかもしれないが、直感で感じたのだ。葵は今回あったことを家族に話した。しかし家族はみんな知らない、あるいは話を逸らす感じだった。諦めかけていたが、最後に訪ねた祖母のサト子が重い口を開いた。
曽祖父の源太は昔、谷坂村に住んでいた。谷坂村は村に住んでいるだけで、高額の住民料を徴収していた限界集落である。源太は腕っぷしだけは強く、村長に雇われた取り立て屋だったようだ。住民料が払えない者を村の地下牢に連れていった。
「ミカゲ様はね、人の心の奥底に潜む闇なんだよ。どんなに善行を重ねてきた者でも、心どこかに闇が存在するんだよ…。源太おじいちゃんが亡くなってから、辛かった昔の記憶だけが取り残されてたみたいだね。源太おじいちゃんはね、自分の行いをずっと悔やんでたよ。」
葵はエレベーターで影に襲われたときのことを思い出していた。まさか…あのとき一瞬見えた、許しを乞う人々の光景は、源太おじいちゃんの辛く、思い出したくない、過去の記憶だったのだろうか…?
「ミカゲ様は心の綺麗な人に引き寄せられると言われるからね。源太おじいちゃんは、葵に残された自分の過去の記憶を終わらせて欲しかったのでしょう。源太おじいちゃんから何か貰わなかった?」
「十字架のペンダントを貰ったけどミカゲ様に襲われたときにチェーンをちぎって投げたから、失くしちゃった。ごめんなさい。」
「いいんだよ。助かるにはそうするしかない。ミカゲ様から逃れるには、影を残した者との縁を切る必要があるんだよ。贈り物のペンダントのチェーンを切ることが縁を切ることになったみたいだね。でも無事で良かった。怖かったね。」
過去の暗い記憶の塊は、源太という肉体を失い、ミカゲ様に姿を変え、ずっと孤独に彷徨い続け、拠り所となる光を追い求めてきたのだろうか…?その光が葵だったのかもしれない。
ペンダントはどこへいったのだろう。あれから探したのだが、全く見つからない。少し残念だが、もうミカゲ様は現れない気がする。
「ペンダントは失くしちゃったけど、そんなことで家族の縁は切れないよね。源太おじいちゃんもそう思うでしょう?」
就職内定報告に来た葵は、源太の遺影にそう語りかけていた。
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