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第一章 運命に抗うドブネズミ
5・襲撃と時間稼ぎ
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や、やべえ! これ、マジで攻められてんじゃねえか!
俺は一気に山を駆け降りた。たぶん今までで一番速かったんじゃねえか? 途中、なんどか足をとられかけたが、こけてる暇なんかねえ。いや、落ち着け。火はまだ向こうの山だけだった。もしこっちに向かってるとしても、あのゴチャゴチャした山を登ってくるのは骨なはずだ。よかった。早めに気が付けて。今から移動すれば絶対に間に合う。あ、その前に村の鐘を鳴らさねえと。ああ、頭ん中がぐちゃぐちゃして面倒くせえ! イラつく!
ようやく着いた。まずは鐘だ!
――カーン……カーン……。
俺の音につられて、聞こえた奴らがまた鐘を鳴らす。そうやって広がっていく仕組みなんだよ。うん、順調に鐘の音が広がってんな。
「どうしたの? ラット」
「ああ、ツバメ姉、ゴリ兄。わっかんねえけど、たぶんやべえ。すぐに準備してくれ」
「え、だって」
「だってじゃねえって。向こうの山が燃えてんだよ!」
「ラットちゃん、それマジか」
「ラット! 山には行くなって村長が」
「今はそれどころじゃねえよ! たぶん火属性の敵が暴れてんだ! こっちにも来るかもしれねえ」
「えぇっ!?」
「落ち着いて、ツバメちゃん。わかったよラットちゃん。すぐに準備しよう」
「ああ」
「でも、まだタコ助が帰ってきてないの」
……マジで? タコ助、あいつどっかで道草くってんな。……まあ、俺も人のことは言えねえけど。
「とにかく、準備だけはしよう! チビたちの足じゃ洞窟まで時間がかかる。あんまり遅えと入り口塞がれちまうぞ」
「「わかった!」」
そうして、荷物やらなんやらをまとめ始めた。あの山火事を見てから何分経った? いや、あの道はマジできついはず。あいつらは土地勘ないわけだしな。大丈夫。絶対に大丈夫だ!
そう思った瞬間、家が風で強く揺れた。一瞬だけ台風が来たみてえに。
「きゃあ!」
「しっ!」
「怖いよ~、ツバメ姉ちゃん……」
……来やがった。今のは風属性の仕業だ。それ以外に山から風が吹くなんてそうそうねえ。
「いいか、皆。俺が囮になる」
「ラット」
「ツバメちゃん、聞こう」
「なるべくこの家から離れたところに誘導すっからよ、そしたらチビ達連れて逃げてくれ」
「ラットちゃん、一人で風属性に勝てると思ってるのかい?」
「勝たなくていいんだよ。誘導さえできりゃ。一回姿を見せて、山に逃げ込んでやりゃ、そのうち日も暮れる。なんとか逃げ切れるさ」
我ながらいい作戦だろ? 俺より山に詳しいやつなんかいやしねえ。敵さんが何人いんのかわかんねえが、風属性の技ならこの前みたしな。なんとかなる。してみせる。
「それなら俺も」
「ゴリ兄。この人数のチビ達を連れていくにはどうしたって二人は必要だ。頼むよ」
「ラット……」
「ツバメ姉もそんな顔すんな。じゃ、始めるぞ。窓から様子を見ててくれ」
「わかった。死ぬなよ、ラットちゃん」
「おうよ」
俺は裏口からそっと出た。山道の草がこっち側に倒されてやがる。なるほど、邪魔な草や低い木を取り払うのに、風の技を使ったってわけか。ここに風属性がいるぞ、ってご丁寧に知らせてくれるとは、たぶんそいつ、アホだな。運が向いてきたぜ。
……来た! あいつだ!
「よーう。そこの風属性さん。迷子かな~?」
「……第一村人、はっけーん! ウインドカッター!」
うお、早速うってきやがった! よっと、危ねえ。だが、一回見てるし、あんま速くねえな。
「……避けた? お前、闇属性だよな?」
「そうだけど、風属性さん」
「闇属性に避けられた……うわぁ! ウインドカッター!!」
なんだこいつ、はちゃめちゃにうってきやがる! だが、方向も定まってねえし、あれ、こいつ、この前見た風属性の騎士よりだいぶ弱いんじゃねえか? これならいける!
「あれえ? 全然当たらねえな~。それによく見たら村で飼ってる豚にそっくりだ~。運動不足なんじゃないの~?」
「な・ん・だ・とぉ~!?」
やっぱり、あんま強くねえし単細胞だ。
「もし速いなら、こっこまでおいで~子豚ちゃ~ん」
「貴様~! 許さんぞ!!」
ほう、剣を抜いたか、後は山に逃げれば……って、速えっ!!
「おりゃあ!!」
剣で勢いを殺して、なんとか避けられたが、流石は倍率三倍以上か……。見た目よりもずっと速え。
「ほう、避けたか。だがそう何度も偶然は続かんぞ~?」
気持ち悪い顔。なんで戦ってる最中によだれがでてんだよ。だが、確かにやべえ。俺がいくら速いっても、流石に背を向けて逃げたら一発で仕留められる。これじゃあいつらが逃げる隙を作れねえ。
「なーんだ。もう手詰まりか。つまらんな。でゅふっ。でゅふっ」
うわー笑い声も最悪だ。豚や牛の屁の方か数倍マシだぜ。こいつだけには殺されたくねえし、俺の家族を殺させたくねえわ。さて、どうしたもん…ん?
「ん? な、なんだこの霧は? ま、前が見えん!」
……おせえよ、タコ助。どこだ? あぁ、岩陰に隠れてやがる。あの申し訳なさそうな顔。なーにが「ごめーん、ラット」だ。ムカつくぜ。あ、表情から心を読めたわ。
「くそ、ウインドカッター! ウインドカッター!!」
無駄無駄。霧はいくらでも出せるからな。あの風の威力なら、岩は破壊できねえ。陣取りは完璧だ。後はゴリ兄に合図を……
「すべてを吹き飛ばせ! 暴風の舞!!」
うお! なんだこの風は! た、竜巻みてえなのがタコ助のほうに……やべえ!
「うわー!」
「タコ助~!!」
範囲攻撃ってやつか!? 霧がタコ助ごと吹き飛ばされちまう!! ……そうだ! 俺は足元にあったとある物を握って、やつの顔面目掛けて投げてやった。
「ぬ!?」
とっさに剣で切るが、とある物は二つに切れながら、奴の顔面と服にべっとりついた。
「な、なんだこれは、く、臭い~!!」
「はっはっは、そいつは糞爆弾だ!」
「く、糞~!?」
「田舎なめんじゃねえぞ、風のお坊ちゃん」
タコ助がまた霧を出す。
「ちっ!!」
また例の竜巻を出そうとしたところを、また糞爆弾を投げつける。これがなんぼでもあるんだわ、ここらへん。ほんでちょっとずつ移動して、距離を取れば……。
「だー! よせ! 汚いことは!!」
よし、ゴリ兄たちが動き出した。五、六分くらいこの状況を保っていりゃあ、俺たちの勝ちだ。
「この、お前から始末してやる~!!」
この距離なら山に逃げられる。ほら、ついてこい!!
「まてー!! 逃げるな!!」
さすがに速いが、そのまま前進してくれれば……。
「うわあ! なんだこれは!?」
残念、そちらは肥溜めです。ようこそ、糞の世界へ。
「ぎゃーっはっは! 随分くそがお好きなようで」
「好きなわけあるかー! 貴様ー!!」
と、言ってる側から足元の泥を顔面に投げつけてやる。
「ぶしっ!」
くくっ、ぶしっ! だってよ! まあ、今のは糞じゃなくてただの泥だが、あんだけぐちゃぐちゃになっちゃあ泥も糞も味噌もあったもんじゃねえわな!
「き、騎士を愚弄しおってー!」
「はい? 糞を愚弄?」
「騎士だ! 騎士!!」
よし、だいぶ時間は稼げたな。タコ助の霧もかなり深くなってきた。もうちょいしたらタコ助を先に逃がして、俺も霧の中へおさらばすっか。
「あ、ちなみに~、うちの村は肥溜めだらけなんで、この霧の中じゃあまた糞まみれになりますよ~」
「うるさい! 貴様を始末した後、風で吹き飛ばしてやるわ!」
ホントにバカだな、こいつ。頭に血が上ると全部口から出ちまうタイプだな。って、やべえ……こいつに構ってて気が付かなかった。
「おい、ダル! わっ、くっさ」
「み、ミュゼル!」
「だから先に行くなといったろうが、この間抜けが」
……火属性。考えてみりゃあ、火事から敵の襲来を見抜いたんだ。そりゃ風だけじゃなく、火もいるよな。さて……どうしたもんかな、こりゃ。
俺は一気に山を駆け降りた。たぶん今までで一番速かったんじゃねえか? 途中、なんどか足をとられかけたが、こけてる暇なんかねえ。いや、落ち着け。火はまだ向こうの山だけだった。もしこっちに向かってるとしても、あのゴチャゴチャした山を登ってくるのは骨なはずだ。よかった。早めに気が付けて。今から移動すれば絶対に間に合う。あ、その前に村の鐘を鳴らさねえと。ああ、頭ん中がぐちゃぐちゃして面倒くせえ! イラつく!
ようやく着いた。まずは鐘だ!
――カーン……カーン……。
俺の音につられて、聞こえた奴らがまた鐘を鳴らす。そうやって広がっていく仕組みなんだよ。うん、順調に鐘の音が広がってんな。
「どうしたの? ラット」
「ああ、ツバメ姉、ゴリ兄。わっかんねえけど、たぶんやべえ。すぐに準備してくれ」
「え、だって」
「だってじゃねえって。向こうの山が燃えてんだよ!」
「ラットちゃん、それマジか」
「ラット! 山には行くなって村長が」
「今はそれどころじゃねえよ! たぶん火属性の敵が暴れてんだ! こっちにも来るかもしれねえ」
「えぇっ!?」
「落ち着いて、ツバメちゃん。わかったよラットちゃん。すぐに準備しよう」
「ああ」
「でも、まだタコ助が帰ってきてないの」
……マジで? タコ助、あいつどっかで道草くってんな。……まあ、俺も人のことは言えねえけど。
「とにかく、準備だけはしよう! チビたちの足じゃ洞窟まで時間がかかる。あんまり遅えと入り口塞がれちまうぞ」
「「わかった!」」
そうして、荷物やらなんやらをまとめ始めた。あの山火事を見てから何分経った? いや、あの道はマジできついはず。あいつらは土地勘ないわけだしな。大丈夫。絶対に大丈夫だ!
そう思った瞬間、家が風で強く揺れた。一瞬だけ台風が来たみてえに。
「きゃあ!」
「しっ!」
「怖いよ~、ツバメ姉ちゃん……」
……来やがった。今のは風属性の仕業だ。それ以外に山から風が吹くなんてそうそうねえ。
「いいか、皆。俺が囮になる」
「ラット」
「ツバメちゃん、聞こう」
「なるべくこの家から離れたところに誘導すっからよ、そしたらチビ達連れて逃げてくれ」
「ラットちゃん、一人で風属性に勝てると思ってるのかい?」
「勝たなくていいんだよ。誘導さえできりゃ。一回姿を見せて、山に逃げ込んでやりゃ、そのうち日も暮れる。なんとか逃げ切れるさ」
我ながらいい作戦だろ? 俺より山に詳しいやつなんかいやしねえ。敵さんが何人いんのかわかんねえが、風属性の技ならこの前みたしな。なんとかなる。してみせる。
「それなら俺も」
「ゴリ兄。この人数のチビ達を連れていくにはどうしたって二人は必要だ。頼むよ」
「ラット……」
「ツバメ姉もそんな顔すんな。じゃ、始めるぞ。窓から様子を見ててくれ」
「わかった。死ぬなよ、ラットちゃん」
「おうよ」
俺は裏口からそっと出た。山道の草がこっち側に倒されてやがる。なるほど、邪魔な草や低い木を取り払うのに、風の技を使ったってわけか。ここに風属性がいるぞ、ってご丁寧に知らせてくれるとは、たぶんそいつ、アホだな。運が向いてきたぜ。
……来た! あいつだ!
「よーう。そこの風属性さん。迷子かな~?」
「……第一村人、はっけーん! ウインドカッター!」
うお、早速うってきやがった! よっと、危ねえ。だが、一回見てるし、あんま速くねえな。
「……避けた? お前、闇属性だよな?」
「そうだけど、風属性さん」
「闇属性に避けられた……うわぁ! ウインドカッター!!」
なんだこいつ、はちゃめちゃにうってきやがる! だが、方向も定まってねえし、あれ、こいつ、この前見た風属性の騎士よりだいぶ弱いんじゃねえか? これならいける!
「あれえ? 全然当たらねえな~。それによく見たら村で飼ってる豚にそっくりだ~。運動不足なんじゃないの~?」
「な・ん・だ・とぉ~!?」
やっぱり、あんま強くねえし単細胞だ。
「もし速いなら、こっこまでおいで~子豚ちゃ~ん」
「貴様~! 許さんぞ!!」
ほう、剣を抜いたか、後は山に逃げれば……って、速えっ!!
「おりゃあ!!」
剣で勢いを殺して、なんとか避けられたが、流石は倍率三倍以上か……。見た目よりもずっと速え。
「ほう、避けたか。だがそう何度も偶然は続かんぞ~?」
気持ち悪い顔。なんで戦ってる最中によだれがでてんだよ。だが、確かにやべえ。俺がいくら速いっても、流石に背を向けて逃げたら一発で仕留められる。これじゃあいつらが逃げる隙を作れねえ。
「なーんだ。もう手詰まりか。つまらんな。でゅふっ。でゅふっ」
うわー笑い声も最悪だ。豚や牛の屁の方か数倍マシだぜ。こいつだけには殺されたくねえし、俺の家族を殺させたくねえわ。さて、どうしたもん…ん?
「ん? な、なんだこの霧は? ま、前が見えん!」
……おせえよ、タコ助。どこだ? あぁ、岩陰に隠れてやがる。あの申し訳なさそうな顔。なーにが「ごめーん、ラット」だ。ムカつくぜ。あ、表情から心を読めたわ。
「くそ、ウインドカッター! ウインドカッター!!」
無駄無駄。霧はいくらでも出せるからな。あの風の威力なら、岩は破壊できねえ。陣取りは完璧だ。後はゴリ兄に合図を……
「すべてを吹き飛ばせ! 暴風の舞!!」
うお! なんだこの風は! た、竜巻みてえなのがタコ助のほうに……やべえ!
「うわー!」
「タコ助~!!」
範囲攻撃ってやつか!? 霧がタコ助ごと吹き飛ばされちまう!! ……そうだ! 俺は足元にあったとある物を握って、やつの顔面目掛けて投げてやった。
「ぬ!?」
とっさに剣で切るが、とある物は二つに切れながら、奴の顔面と服にべっとりついた。
「な、なんだこれは、く、臭い~!!」
「はっはっは、そいつは糞爆弾だ!」
「く、糞~!?」
「田舎なめんじゃねえぞ、風のお坊ちゃん」
タコ助がまた霧を出す。
「ちっ!!」
また例の竜巻を出そうとしたところを、また糞爆弾を投げつける。これがなんぼでもあるんだわ、ここらへん。ほんでちょっとずつ移動して、距離を取れば……。
「だー! よせ! 汚いことは!!」
よし、ゴリ兄たちが動き出した。五、六分くらいこの状況を保っていりゃあ、俺たちの勝ちだ。
「この、お前から始末してやる~!!」
この距離なら山に逃げられる。ほら、ついてこい!!
「まてー!! 逃げるな!!」
さすがに速いが、そのまま前進してくれれば……。
「うわあ! なんだこれは!?」
残念、そちらは肥溜めです。ようこそ、糞の世界へ。
「ぎゃーっはっは! 随分くそがお好きなようで」
「好きなわけあるかー! 貴様ー!!」
と、言ってる側から足元の泥を顔面に投げつけてやる。
「ぶしっ!」
くくっ、ぶしっ! だってよ! まあ、今のは糞じゃなくてただの泥だが、あんだけぐちゃぐちゃになっちゃあ泥も糞も味噌もあったもんじゃねえわな!
「き、騎士を愚弄しおってー!」
「はい? 糞を愚弄?」
「騎士だ! 騎士!!」
よし、だいぶ時間は稼げたな。タコ助の霧もかなり深くなってきた。もうちょいしたらタコ助を先に逃がして、俺も霧の中へおさらばすっか。
「あ、ちなみに~、うちの村は肥溜めだらけなんで、この霧の中じゃあまた糞まみれになりますよ~」
「うるさい! 貴様を始末した後、風で吹き飛ばしてやるわ!」
ホントにバカだな、こいつ。頭に血が上ると全部口から出ちまうタイプだな。って、やべえ……こいつに構ってて気が付かなかった。
「おい、ダル! わっ、くっさ」
「み、ミュゼル!」
「だから先に行くなといったろうが、この間抜けが」
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