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しおりを挟む最近、アラン様(婚約者)はクラブ活動が忙しくて中々お会いできていないの。
そんなアラン様と少しでもお話がしたくて
今日はちょっとした差し入れをしようと思うの!
アラン様はクールな雰囲気だけど実は甘党なので手作りのホームパイを用意したわ。
あまりお邪魔になるもの良くないから、差し入れをお渡ししたらすぐに帰りましょう。
でも許されるならクラブのメンバーの方にもご挨拶できたら嬉しいのだけど。
クラブ棟へ来たのは初めてだが
この階はスポーツクラブの部室がほとんどで中々ものさみしい雰囲気だ。
目的の場所を見つけ、緊張しつつも扉を優しくノックしようとした時・・・・
「やっ・・・。アラン様こんな所でだめですっ・・」
「アリスそんな事いって、君の身体は僕をほしがっている様だよ」
「もう、アラン様ったらぁ~キャッ」
艶めかしい声と誰よりも知っていると思っていた声が聞こえてきた。
「アラン様ったらぁ~。婚約者がいるのに私とこんな事していいんですかぁ~」
「あぁ。君といるときに野暮な事は言わないでよ。婚約者といっても政略結婚だ。それに今僕が心惹かれているのは君だよ。アリス」
「アラン様ぁ~。アリスもアラン様の事が好きですぅ」
思わず持っていたランチボックスを落としそうになる。
そんな
まさかアラン様が・・・・。
おまりの出来事に膝が震えて動けない。
思考がうまく回らず息が浅くなる。
その間にも聞こえてくる音は激しさを増す様に思える。
私は必至に息を整える。
酸素が取り込まれるたびに頭がクリアになってくる。
「はぁ。はぁ。はぁ。スウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥゥ~」
バンッ!!!!!
「「ッキャアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァ~!!!!!」」
この日2つの叫び声がこだました。
あの後、私とアリスという女性の叫び声を聞いた生徒や教師が駆け付け
腰を砕く私の目の前でアラン様と女性はあられもない姿で発見された。
いくら人気の少ないと言っても、学園内でまだクラブ活動時間という事もあり思った以上に人が駆け付けた。
二人は焦りながら身だしなみを整え言い訳を並べるも、ここは神聖な学び舎。
また婚約者がいるものが起こした不祥事という事で、勿論婚約はアラン様有責で婚約破棄。
二人とも退学とまでもいかないものの、謹慎処分とそれぞれの家から我が家へ慰謝料が支払われる事となった。
貴族社会では信用を失う事は命取りだ。
自分の欲の為に他家との契約を破るような行動をしたアラン様は次期後継者の資格を剥奪され、弟が引き継ぐ事となった。
アラン様は最後まで私とやり直したいと言っていた様だけど私は直接顔を合わす事はなかったので詳しくはしらない。
そして、
二人とも1月の謹慎が先日解け学園へと通い始めた様だが、あまりにも今回の目撃者が多く二人は他の人の眼を気にして居心地悪そうに過ごしているようだ。
「ネリア、よく貴方扉を開ける勇気があったわね。私だったら、そんな勇気なくて泣きながらその場から立ち去っているかもしれないわ」
「ふふっ。私今流行りの婚約破棄モノの小説が好きなんだけど同じ様なシチュエーションが多くて、大体は皆その場を泣きながら立ち去るのよね。でも私それが不思議で。だって、浮気の真最中なら言い逃れのできない証拠だし他に目撃者でも居れば相手側の有責間違いなしでしょ?まさか自分がそんな目に合うとは思わなかったけど」
と冗談交じりに笑うと友人は私に優しい笑みを向けてくれた。
「引っ込み思案のネリアが頑張ったのね。でも、無理はしないで。眼が赤くなっているわ」
長い付き合いの友人にはばれている様だ。
どんなに気丈に振舞っていても私が連日涙を流している事に。
本当を言うと私も小説の様に泣いてその場を立ち去りたかった。
きっと眼の前の事は悪い夢だって・・・・・
自らパンドラの箱を開ける様で怖かった。
でも主人公達を見ては、逃げないで!勇気を出してダメ男と立ち向かって!とエールしていた私を思い出した。
そう。
ここで逃げても、見ぬふりしても現実は変わらない。
それなら、嫌な事は少しでも短縮できたほうがいいもの!!
そして私はこの後素敵な彼との出会いがあるなんて事は、
まだ知らない。
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