やすらぎはあなたと

神名代洸

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カレンはその後なんとか誰にも見られずにガイを家に連れてくる事が出来た。
だけどこれからどうしたらいいのかは全く分からなかった。
そもそもここに連れてくること自体間違っていたのだ。
こんな時間に電話をするのは非常識だとは思ったけど、途方に暮れエマ・ジョナサンに電話をした。エマはカレンの友人の一人だけれど、とても大切な友人だった。
 
「こんな時間に誰かしら?」
 
ベットで寝ていたエマは時計を見ると睡眠を邪魔された事に少し膨れたが、番号案内を見るとすぐに受話器をとった。
 
「カレン、どうしたの?こんな時間に。」
「ごめんなさいね。ちょっと困ったことになって・・・。今、私の家に男の人がいるんだけれど、その人酔ってて・・・。こんな時にどうすればいいか分からないのよ。」
「ちょっとカレン、・・・それってどういう事?私の知っている人?どこでどうしてそんなことになったの?」
 
仕方がないので、さっき店であったことを全部話して聞かせた。もちろん別れたギャブの事も。どうやって別れたかという事も。
そうこういろいろ話していたら、エマの隣で寝ていたトーマスが目を覚ました。
 
「どうしたんだい?エマ。こんな時間に誰からの電話かい?」
 
そう言ってトーマスがエマをやさしく抱き寄せた。
エマから今夜のカレンの事を聞いたが、一緒にいた男性達の職場はトーマスが社長をしているクリジェット・エンターズ社だった。ただ、トーマスの会社は従業員が大勢いるのでどんな人物かはトーマスには分からなかった。だが、社員なら会う事がしやすいので、調べてみる事にした。
 
「ま~酔っているならどこかに寝かせておけば朝までグッスリだから心配はないと思うけど、何かあったら電話してくれるかい?」
 
トーマスはそう言って妻の友人を安心させてくれた。
 
「ごめんなさいね。迷惑かけて・・・。」
「迷惑だなんて、全然そんな事ないわよ。それよりそのガイっていう人とまた何かあったら電話頂戴ね。」
「エマったら・・・。そんな、何かあるような言い方やめて。まだ知り会ったばかりだし、今夜また逢うとは限らないわ。」
 
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