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第二章 東方大陸と無能姫
4 朋有り遠方より来たる、亦た楽しからずや
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「アデリー、何やってるんだ?」
「ベルこそ、なにしてんの? こんなところで」
ひっくり返って地面に寝転んでいるところに、見知った顔が現れた。
ベルトルド。
乳母のベルタの三男で、ボクの乳兄妹だ。
下手するともう二度と会わないかと思っていたのに、意外な再開だった。
「何じろじろ見てるのさ。えっち」
「そのはしたない態勢をひとまずどうにかしろ」
はしたないとはなんだ。まあ非常にはしたない格好だが。
イスハクに後ろ投げをされてひっくり返った姿勢だ。
大股開きでひっくり返っているその姿は乙女がしてはいけない姿勢なのは確かである。
ベルトルドはボクの肩を持つと抱きかかえた。お姫様抱っこだ。
「で、なにやってたんだ?」
「相撲したらイスハクに負けた」
「あいつか?」
三年ぶりに見たベルトルドはやばいぐらいイケメンになっていた。
美少女染みた線の細さはなくなり、がっしりしているがすごいキラキラしている。
久しぶりだったがベルトルドに抱っこされるとふにゃぁ、と落ち着いてしまう。
多分マイナスイオンか何かが出てる。
そんなベルトルドの視線の先にはイスハクがいた。
イスハクは来月で15になり、成人する。
今までずっとボクの全勝だったが、最近は体もできてきたイスハクに圧倒的に不利だった。
1割の技術と9割の悪知恵でどうにか逃げ回っていたが、ついに今日、完膚なまでに負けてしまったのだった。
さすがに体格差があり過ぎる。7歳のころから伸びないし太らないボクと、父親であるアデル顔負けのマッチョ高身長なイスハクでは勝負になるのも難しかったのだ。
ボクを引っこ抜き投げ飛ばしたイスハクはどや顔をしていたが、ベルが現れて焦っているようだった。
「相撲か。じゃあ俺が敵を取ってやろう」
「いや、そういうの別にベルに求めてないから」
「遠慮するなって」
「遠慮じゃないよ! イスハクも逃げて!」
「お前に勝ったんだ! 俺は負けない!」
「イスハクもそうじゃないって!」
何かわからないがベルトルドが切れてる。
いや、理由はわかる。ベルトルドはなんだかんだ言いながらボクに死ぬほど甘い。
そんなボクを投げ飛ばしたイスハクに切れているのだろう。
対してイスハクもベルトルドに対して闘志を燃やしている。
彼と勝負になる相手は町には既にほとんどいない。体格もいいし、技術もある彼には大人でもかなわなくなりつつあった。
ライバルになりそうなベルトルドにやりがいを見出したのだろう。
「すと~っぷ!」
「大丈夫だ。殺さない」
「殺すことまで検討してたの!?」
「まあ、腕の一本や二本は覚悟しろよ」
「覚悟しないで!!」
そうしてベルトルドはボクを土俵際におろした。
二人は土俵の真ん中でにらみ合い…… お互いの頬を殴った。
「ぎゃー!!」
「やれー! イスハク!」
「誰かかか様よんできて!!!」
ドガッ バギッ と相撲でしてはいけない音が響く。
蹴り、殴り、頭突き。本気で何でもありの様だ。
血だらけになりながら、二人が笑っているのがさらにホラーだ。
何か共鳴するところがあるのだろうが、見ているこちらとしてはやめてほしい。
そうして駆け付けた母アルテミアの鉄拳で二人の喧嘩は終わることになる。
あれだけ殴りあっても笑顔だった二人の意識が、一撃で刈り取られた。
一番逆らってはいけない相手がだれか、町のみんなが心に刻むのであった。
「ベルこそ、なにしてんの? こんなところで」
ひっくり返って地面に寝転んでいるところに、見知った顔が現れた。
ベルトルド。
乳母のベルタの三男で、ボクの乳兄妹だ。
下手するともう二度と会わないかと思っていたのに、意外な再開だった。
「何じろじろ見てるのさ。えっち」
「そのはしたない態勢をひとまずどうにかしろ」
はしたないとはなんだ。まあ非常にはしたない格好だが。
イスハクに後ろ投げをされてひっくり返った姿勢だ。
大股開きでひっくり返っているその姿は乙女がしてはいけない姿勢なのは確かである。
ベルトルドはボクの肩を持つと抱きかかえた。お姫様抱っこだ。
「で、なにやってたんだ?」
「相撲したらイスハクに負けた」
「あいつか?」
三年ぶりに見たベルトルドはやばいぐらいイケメンになっていた。
美少女染みた線の細さはなくなり、がっしりしているがすごいキラキラしている。
久しぶりだったがベルトルドに抱っこされるとふにゃぁ、と落ち着いてしまう。
多分マイナスイオンか何かが出てる。
そんなベルトルドの視線の先にはイスハクがいた。
イスハクは来月で15になり、成人する。
今までずっとボクの全勝だったが、最近は体もできてきたイスハクに圧倒的に不利だった。
1割の技術と9割の悪知恵でどうにか逃げ回っていたが、ついに今日、完膚なまでに負けてしまったのだった。
さすがに体格差があり過ぎる。7歳のころから伸びないし太らないボクと、父親であるアデル顔負けのマッチョ高身長なイスハクでは勝負になるのも難しかったのだ。
ボクを引っこ抜き投げ飛ばしたイスハクはどや顔をしていたが、ベルが現れて焦っているようだった。
「相撲か。じゃあ俺が敵を取ってやろう」
「いや、そういうの別にベルに求めてないから」
「遠慮するなって」
「遠慮じゃないよ! イスハクも逃げて!」
「お前に勝ったんだ! 俺は負けない!」
「イスハクもそうじゃないって!」
何かわからないがベルトルドが切れてる。
いや、理由はわかる。ベルトルドはなんだかんだ言いながらボクに死ぬほど甘い。
そんなボクを投げ飛ばしたイスハクに切れているのだろう。
対してイスハクもベルトルドに対して闘志を燃やしている。
彼と勝負になる相手は町には既にほとんどいない。体格もいいし、技術もある彼には大人でもかなわなくなりつつあった。
ライバルになりそうなベルトルドにやりがいを見出したのだろう。
「すと~っぷ!」
「大丈夫だ。殺さない」
「殺すことまで検討してたの!?」
「まあ、腕の一本や二本は覚悟しろよ」
「覚悟しないで!!」
そうしてベルトルドはボクを土俵際におろした。
二人は土俵の真ん中でにらみ合い…… お互いの頬を殴った。
「ぎゃー!!」
「やれー! イスハク!」
「誰かかか様よんできて!!!」
ドガッ バギッ と相撲でしてはいけない音が響く。
蹴り、殴り、頭突き。本気で何でもありの様だ。
血だらけになりながら、二人が笑っているのがさらにホラーだ。
何か共鳴するところがあるのだろうが、見ているこちらとしてはやめてほしい。
そうして駆け付けた母アルテミアの鉄拳で二人の喧嘩は終わることになる。
あれだけ殴りあっても笑顔だった二人の意識が、一撃で刈り取られた。
一番逆らってはいけない相手がだれか、町のみんなが心に刻むのであった。
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