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第二章 東方大陸と無能姫
6 機械職人マッキナ
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ボクたちが向かったのはある職人さんのおうちだ。
母が教えてくれた、ラッザロ先生のお弟子さんの一人らしい。
一応手紙を出しておいたから、ドアノッカーを鳴らすと人が出てきた。
「えっと、あなたがマッキナ様ですか?」
「『様』なんていいよ。アルテミアの娘だろ。ほら、は入んな」
「アデライドです」
「?」
「ラッザロ師の弟子アデライドです」
「ああ、悪かったよ。アデライト。入んな」
「ではお邪魔します。マッキナさん」
マッキナさんは母より年上の機械職人と聞いていたので、ごついおじ様をてっきりイメージしていたのだが……
出てきたのは美少女だった。チビなボクよりはさすがに背が高いが、それでも小柄な母より背が低い。
「全く、相変わらず先生はロリコンだねぇ」
「それ、マッキナさんに思いっきり跳ね返りますよ」
「いいんだよ、私は永遠の美少女だから」
「自分で言いますか?」
「そう思うだろう? そこのお二人さん」
マッキナさん曰く、ラッザロ先生の弟子は男女問わないが、なぜか女性の弟子は皆小柄なのだとか。
そこまで姉弟子というのを見たことがないが、ボク、母、マッキナさんを見る限り小柄率100%である。
ラッザロ先生は独身だったと思うが、幼い子供にしか興味がないのかもしれない。次あったときにはちょっと距離をとることにしよう。
マッキナさんは笑いながら、ボクの連れであるベルとイスハクをからかい始めた。
ソファに座る二人の膝に登ると、両手でそれぞれの頬を撫でる。
美少女に頬を撫でられ、二人とも固まっていた。
「二人とも純情なんですから、からかわないでください」
「なんだい、お前さんのハーレム要員とかじゃないのか」
「幼馴染と領地の次期代官ですよ」
「そういう詰まらんところはアルテミアと同じだな」
そういいながらマッキナさんは二人の膝から降りると、ボクを抱き上げて二人の膝の上に置いた。
なんか二人とも安心した表情をしながらボクの頬っぺたをつつき始めた。
なんだよ、ボクの頬っぺたは精神安定剤じゃないぞ。
あと反応違いすぎだろ。ボクも美少女だと思うんだけど。
「で、水車を作りたいんだっけか?」
「そうですね。木工までは村の人でもできるんですが、組み立てが出来なくて困ってます」
「まあ私に任せてもらえれば、そう難しくはないだろうな」
「お願いできませんか?」
「そうだな。1年契約で200ダカットだ」
「200!?」
イスハクが驚きの声を上げる。
1ダカットあれば、4人家族がかなり慎ましいながら1月生活ができる。
イチルの町の税収が、年間だいたい1000ダカットだから、すさまじい金額であろう。
すでに領主補佐であるアデルの手伝いを始めているイスハクは町の収支も知っているだろう。
驚くのも無理はない。
だが、職人というものはそれだけ高価なものだ。
小切手を即切って、マッキナさんに手渡す。
百科事典を売ったお金のほとんどを使ってしまうことになるが、躊躇することはしない。
「いいのかい? イチハの町って小さい所だろ?」
「ボクのポケットマネーだから問題ないですよ。値切っていいことないでしょうし」
200ダカット分こき使えばいいだけだ。
水車以外にもやりたいことはいっぱいあるのだから、全部1年の間に実現してやるのだ。
ニッコリと笑顔で渡すと、マッキナさんは肩をすくめた。
「降参だ。こっちも準備があるからな。1週間後にそっちに行く」
「1年間、散々こき使ってあげますからね」
「お手柔らかに頼むよ」
準備があるだろうし、ここでお暇することにした。
焦るイスハクと、よくわかってなさそうなベルトルドを連れて、ボクたちはマッキナさんの家を後にするのであった。
母が教えてくれた、ラッザロ先生のお弟子さんの一人らしい。
一応手紙を出しておいたから、ドアノッカーを鳴らすと人が出てきた。
「えっと、あなたがマッキナ様ですか?」
「『様』なんていいよ。アルテミアの娘だろ。ほら、は入んな」
「アデライドです」
「?」
「ラッザロ師の弟子アデライドです」
「ああ、悪かったよ。アデライト。入んな」
「ではお邪魔します。マッキナさん」
マッキナさんは母より年上の機械職人と聞いていたので、ごついおじ様をてっきりイメージしていたのだが……
出てきたのは美少女だった。チビなボクよりはさすがに背が高いが、それでも小柄な母より背が低い。
「全く、相変わらず先生はロリコンだねぇ」
「それ、マッキナさんに思いっきり跳ね返りますよ」
「いいんだよ、私は永遠の美少女だから」
「自分で言いますか?」
「そう思うだろう? そこのお二人さん」
マッキナさん曰く、ラッザロ先生の弟子は男女問わないが、なぜか女性の弟子は皆小柄なのだとか。
そこまで姉弟子というのを見たことがないが、ボク、母、マッキナさんを見る限り小柄率100%である。
ラッザロ先生は独身だったと思うが、幼い子供にしか興味がないのかもしれない。次あったときにはちょっと距離をとることにしよう。
マッキナさんは笑いながら、ボクの連れであるベルとイスハクをからかい始めた。
ソファに座る二人の膝に登ると、両手でそれぞれの頬を撫でる。
美少女に頬を撫でられ、二人とも固まっていた。
「二人とも純情なんですから、からかわないでください」
「なんだい、お前さんのハーレム要員とかじゃないのか」
「幼馴染と領地の次期代官ですよ」
「そういう詰まらんところはアルテミアと同じだな」
そういいながらマッキナさんは二人の膝から降りると、ボクを抱き上げて二人の膝の上に置いた。
なんか二人とも安心した表情をしながらボクの頬っぺたをつつき始めた。
なんだよ、ボクの頬っぺたは精神安定剤じゃないぞ。
あと反応違いすぎだろ。ボクも美少女だと思うんだけど。
「で、水車を作りたいんだっけか?」
「そうですね。木工までは村の人でもできるんですが、組み立てが出来なくて困ってます」
「まあ私に任せてもらえれば、そう難しくはないだろうな」
「お願いできませんか?」
「そうだな。1年契約で200ダカットだ」
「200!?」
イスハクが驚きの声を上げる。
1ダカットあれば、4人家族がかなり慎ましいながら1月生活ができる。
イチルの町の税収が、年間だいたい1000ダカットだから、すさまじい金額であろう。
すでに領主補佐であるアデルの手伝いを始めているイスハクは町の収支も知っているだろう。
驚くのも無理はない。
だが、職人というものはそれだけ高価なものだ。
小切手を即切って、マッキナさんに手渡す。
百科事典を売ったお金のほとんどを使ってしまうことになるが、躊躇することはしない。
「いいのかい? イチハの町って小さい所だろ?」
「ボクのポケットマネーだから問題ないですよ。値切っていいことないでしょうし」
200ダカット分こき使えばいいだけだ。
水車以外にもやりたいことはいっぱいあるのだから、全部1年の間に実現してやるのだ。
ニッコリと笑顔で渡すと、マッキナさんは肩をすくめた。
「降参だ。こっちも準備があるからな。1週間後にそっちに行く」
「1年間、散々こき使ってあげますからね」
「お手柔らかに頼むよ」
準備があるだろうし、ここでお暇することにした。
焦るイスハクと、よくわかってなさそうなベルトルドを連れて、ボクたちはマッキナさんの家を後にするのであった。
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