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第四章 黒鉄姫の東方大陸動乱 フリギアの変
1 フリギアの変 前夜
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ロンバルディアから使節団が訪れた。
名目は王位継承に伴う挨拶であるが、おそらくフルギア王国との交易の拡大、うまくいけば援助を求めるのではないかと推測されていた。
ロンバルディアの内情は極めて悪い。
だからこそ助力を求める必要があるのだが、侵略を繰り返してきたロンバルディアに東方大陸で手を差し伸べる相手はいなかったのだ。
なので別の大陸で交流があったフルギア王国へと白羽の矢を立てたのだろう。
最近ボクにお義父様と呼べとうるさいフルギア王は、ロンバルディアに対して個人的に思うところはある様だが、とはいえあくまで個人的な話であり国としての交流はできると考えているらしい。
多少の援助程度ならしてもいいかと思っているといっていたし、ボクも母もそれには反対しなかった。
そんなロンバルディア使節団が王都フリギアに来る直前にもかかわらず、王太子夫妻はイチルに滞在していた。
この夫妻、見た目は王子様、王女様然とした美男美女なのだが、中身は二人ともマッドな学者肌で、イチルに滞在しているラッザロ先生やマッキナさんを尊敬し過ぎているのだ。
そのせいでよくイチルに来ては、いろいろなことを師事しているようだった。
今回もロンバルディアからの使節団は国王や第二第三王子に丸投げし、イチルで貴族らを集めて対エフラク対応を話し合うという名目で来たにもかかわらずその対応をボクに丸投げして工房で先生たちとマッドな実験を繰り返していた。
まあいんだけど。研究成果はうちでももらえるし。
ただ、
「優秀な義妹がいるとお兄ちゃんは助かるな!」
と笑顔で宣った王太子の顔面にグーパンチしたボクはきっと悪くない。
今回の使節団には妹のヨーク公代行コーディリアも参加しているらしい。
母には、妹を可愛がってあげてくださいという口実で王都へ行くのを断ったのだが、正直妹と会うのがこわかった。
妹は母のことなど覚えてもいないだろう。母を妹から引きはがした原因は自分であり、恨まれていても当然である。
そんな目線を向けられて、ボクはどうなるか、自信がなかった。
なのでエフラク対応も口実にして王都に行かなかったのだ。
現にエフラクの対応は大変だった。特に分割の範囲の問題が非常に大きかった。
イチルとしては別に何ももらわなくてもよかった。先の戦争でもらったセヴァン盆地で十二分だし、お金も王家が立て替えているのだから、特に何も損をしていない。領民を返せと言われなければ特に問題はないのだ。
ただ、いくつかの領は難民対策に苦慮しており、それなりな対価を求めていた。
それ自体は別段構わないのだが、問題は分け方である。
領地の実測した地図もないのでどこをどう切るか、決めにくいのだ。
だが、あらかじめ決めておかないと絶対あとでもめる。
王家にあった古い地図を参考にし、元エフラクの官吏たちの助力も得ながら、どうにかこうにか領地の割方を決めた。
うちから大量の食糧を出す代わりに、公都エフラ含む地域を割譲されることになったのはちょっと誤算だった。
土地が増えると労力が増えるし、人も要るのだ。できればほしくなかったのだが、落としどころを探っているうちにそうなってしまった。
だが、なんにしろエフラクの差し押さえはうまくいきそうである。
そうしてささやかな宴会を領主や王太子夫妻としている中、火急の報が届くのであった。
名目は王位継承に伴う挨拶であるが、おそらくフルギア王国との交易の拡大、うまくいけば援助を求めるのではないかと推測されていた。
ロンバルディアの内情は極めて悪い。
だからこそ助力を求める必要があるのだが、侵略を繰り返してきたロンバルディアに東方大陸で手を差し伸べる相手はいなかったのだ。
なので別の大陸で交流があったフルギア王国へと白羽の矢を立てたのだろう。
最近ボクにお義父様と呼べとうるさいフルギア王は、ロンバルディアに対して個人的に思うところはある様だが、とはいえあくまで個人的な話であり国としての交流はできると考えているらしい。
多少の援助程度ならしてもいいかと思っているといっていたし、ボクも母もそれには反対しなかった。
そんなロンバルディア使節団が王都フリギアに来る直前にもかかわらず、王太子夫妻はイチルに滞在していた。
この夫妻、見た目は王子様、王女様然とした美男美女なのだが、中身は二人ともマッドな学者肌で、イチルに滞在しているラッザロ先生やマッキナさんを尊敬し過ぎているのだ。
そのせいでよくイチルに来ては、いろいろなことを師事しているようだった。
今回もロンバルディアからの使節団は国王や第二第三王子に丸投げし、イチルで貴族らを集めて対エフラク対応を話し合うという名目で来たにもかかわらずその対応をボクに丸投げして工房で先生たちとマッドな実験を繰り返していた。
まあいんだけど。研究成果はうちでももらえるし。
ただ、
「優秀な義妹がいるとお兄ちゃんは助かるな!」
と笑顔で宣った王太子の顔面にグーパンチしたボクはきっと悪くない。
今回の使節団には妹のヨーク公代行コーディリアも参加しているらしい。
母には、妹を可愛がってあげてくださいという口実で王都へ行くのを断ったのだが、正直妹と会うのがこわかった。
妹は母のことなど覚えてもいないだろう。母を妹から引きはがした原因は自分であり、恨まれていても当然である。
そんな目線を向けられて、ボクはどうなるか、自信がなかった。
なのでエフラク対応も口実にして王都に行かなかったのだ。
現にエフラクの対応は大変だった。特に分割の範囲の問題が非常に大きかった。
イチルとしては別に何ももらわなくてもよかった。先の戦争でもらったセヴァン盆地で十二分だし、お金も王家が立て替えているのだから、特に何も損をしていない。領民を返せと言われなければ特に問題はないのだ。
ただ、いくつかの領は難民対策に苦慮しており、それなりな対価を求めていた。
それ自体は別段構わないのだが、問題は分け方である。
領地の実測した地図もないのでどこをどう切るか、決めにくいのだ。
だが、あらかじめ決めておかないと絶対あとでもめる。
王家にあった古い地図を参考にし、元エフラクの官吏たちの助力も得ながら、どうにかこうにか領地の割方を決めた。
うちから大量の食糧を出す代わりに、公都エフラ含む地域を割譲されることになったのはちょっと誤算だった。
土地が増えると労力が増えるし、人も要るのだ。できればほしくなかったのだが、落としどころを探っているうちにそうなってしまった。
だが、なんにしろエフラクの差し押さえはうまくいきそうである。
そうしてささやかな宴会を領主や王太子夫妻としている中、火急の報が届くのであった。
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