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第五章 無能姫の西方大陸動乱 ロンバルディア戦役
4 ロンバルディア王都戦 前哨戦
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ロンバルディア王国側は、こちらの開墾作業について全く気付いていなかったようだ。
王都東方にある鉱山都市などは本来王都の奥にあり安全な場所であったわけで、そこからイチル軍が来襲したものだから大混乱を起こした。
王都東方の各都市は碌に抵抗もせずに降伏し、イチル軍は一気に王都まで迫ることになった。
こうなれば当然王国軍は総崩れになった。なんせ王都と前線の補給線すら遮断されてしまったのだから。
北方戦線はすべてフロウライト伯へ降伏し、フロウライト伯軍に吸収された。
そのままフロウライト伯軍は進撃し、ボクたちに遅れること1週間で合流した。
南方戦線は抵抗するジョンと撤退したい王国軍で対立が発生し、双方殺し合いに発展して自然消滅してしまったらしい。
そのままヨーク公軍は特に抵抗もなく王都まで進んでこれたとのこと。
こうして全軍で王都を取り囲み、王都は風前の灯火であった。
「それにしても、フロウライト伯はすごいな。敵だった軍をこうも簡単にまとめ上げて味方にするとは」
エマルが感嘆の声を上げた。
現在王都を包囲しているのは、ボク率いるイチル軍、フルギア王弟エマル率いるフルギア軍、ヨハン率いるフロウライト伯軍、そしてコーディリアのヨーク公軍の四つに大分される。
その中で現状一番数が多いのはフロウライト伯軍だ。北方戦線で敵対していた王国軍をすべてまとめ上げ自軍にしているのだからどんな統率力をしているんだか。
「ヨハン兄様がおかしいだけですよ。お姉さま以外のことなら天才ですから」
コーディリアはあきれたように肩をすくめ、ヨハンはボクのしっぽにくっついていた。
お姉ちゃん困るんだけどなぁ、と思いながら尻尾をうねうねさせるが離してくれない。
とてもかなしかった。
さて、王都を攻略する段になり、少し困り始めた。
王都ロンバルディアは古くからある城塞都市だ。
その城壁の防御力は極めて高く、なかなか突破するのは難しそうである。
囲って相手の音を上げるのを待つにしても、首都であり食料備蓄もそれなりにあるだろう。
ラッサロ先生やマッキナさんの秘密兵器もあるが、あまり期待できなさそうな代物だったので、正攻法で囲んで締め付けることにする。
「ねえ、王都の食糧備蓄ってどれくらいあると思う?」
「三か月程度だと思いますよ」
そう答えたのはヨハンが連れてきたシドニア公だ。
王国側として戦っていたがこちらに寝返った北方貴族の一人である。
王国側から情報や物資を回していた、なかなか腹黒なお方だ。
ヨハンはその能力を気に入っているようだが、あまり信用できそうにない。まあ、ヨハンが国王になってどうするか決めるわけだし、その辺には口を出さない。
「三か月って少なくない? 冬になったばかりじゃない」
秋に収穫するので、冬というのは基本的に食料に余裕があるはずだが……
「攻勢に必要と北方戦線に備蓄を回してもらっていましたから。概算ですがそのぐらいかと思います」
どうやらシドニア公は、あらかじめ大量に食料を王都から買い付けていたらしい。
食料を放出した王都にはあまり食料が残っていないだろうという推測のようだ。
ボクはニッコリとシドニア公に笑いかける。
シドニア公が黒い笑顔を浮かべる。
中々怖いお方だった。
王都東方にある鉱山都市などは本来王都の奥にあり安全な場所であったわけで、そこからイチル軍が来襲したものだから大混乱を起こした。
王都東方の各都市は碌に抵抗もせずに降伏し、イチル軍は一気に王都まで迫ることになった。
こうなれば当然王国軍は総崩れになった。なんせ王都と前線の補給線すら遮断されてしまったのだから。
北方戦線はすべてフロウライト伯へ降伏し、フロウライト伯軍に吸収された。
そのままフロウライト伯軍は進撃し、ボクたちに遅れること1週間で合流した。
南方戦線は抵抗するジョンと撤退したい王国軍で対立が発生し、双方殺し合いに発展して自然消滅してしまったらしい。
そのままヨーク公軍は特に抵抗もなく王都まで進んでこれたとのこと。
こうして全軍で王都を取り囲み、王都は風前の灯火であった。
「それにしても、フロウライト伯はすごいな。敵だった軍をこうも簡単にまとめ上げて味方にするとは」
エマルが感嘆の声を上げた。
現在王都を包囲しているのは、ボク率いるイチル軍、フルギア王弟エマル率いるフルギア軍、ヨハン率いるフロウライト伯軍、そしてコーディリアのヨーク公軍の四つに大分される。
その中で現状一番数が多いのはフロウライト伯軍だ。北方戦線で敵対していた王国軍をすべてまとめ上げ自軍にしているのだからどんな統率力をしているんだか。
「ヨハン兄様がおかしいだけですよ。お姉さま以外のことなら天才ですから」
コーディリアはあきれたように肩をすくめ、ヨハンはボクのしっぽにくっついていた。
お姉ちゃん困るんだけどなぁ、と思いながら尻尾をうねうねさせるが離してくれない。
とてもかなしかった。
さて、王都を攻略する段になり、少し困り始めた。
王都ロンバルディアは古くからある城塞都市だ。
その城壁の防御力は極めて高く、なかなか突破するのは難しそうである。
囲って相手の音を上げるのを待つにしても、首都であり食料備蓄もそれなりにあるだろう。
ラッサロ先生やマッキナさんの秘密兵器もあるが、あまり期待できなさそうな代物だったので、正攻法で囲んで締め付けることにする。
「ねえ、王都の食糧備蓄ってどれくらいあると思う?」
「三か月程度だと思いますよ」
そう答えたのはヨハンが連れてきたシドニア公だ。
王国側として戦っていたがこちらに寝返った北方貴族の一人である。
王国側から情報や物資を回していた、なかなか腹黒なお方だ。
ヨハンはその能力を気に入っているようだが、あまり信用できそうにない。まあ、ヨハンが国王になってどうするか決めるわけだし、その辺には口を出さない。
「三か月って少なくない? 冬になったばかりじゃない」
秋に収穫するので、冬というのは基本的に食料に余裕があるはずだが……
「攻勢に必要と北方戦線に備蓄を回してもらっていましたから。概算ですがそのぐらいかと思います」
どうやらシドニア公は、あらかじめ大量に食料を王都から買い付けていたらしい。
食料を放出した王都にはあまり食料が残っていないだろうという推測のようだ。
ボクはニッコリとシドニア公に笑いかける。
シドニア公が黒い笑顔を浮かべる。
中々怖いお方だった。
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