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第六章 無能姫のエフラ王戴冠
4 戴冠式直前
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「ベルタ! むりむり! 出ちゃう出ちゃう!!」
「少しぐらい出た方が細くなります!」
「みぎゃあああああ!!!」
エフラ王になるボクと、夫であるベルトルドの私生活を見る人は実は二人しかいない。
一人はベルトルドの母であり、ボクの乳母でもあったドーリア伯夫人のベルタだ。
夫であったドーリア伯は既に戦で亡くなっていて、今は長男が伯位を継いでいるらしいが、今回こちらの大陸に戻ってきたのに合わせてボクの女官長に就任した。
そんなベルタがボクのドレスを用意したのだが、これがなかなかすごいものだった。
虹絹と呼ばれる布でできた高級なドレスだったが、腰の部分が細すぎた。
絶対入らないと思ったが、どうやらコルセットをつけるものらしい。
生まれてこの方、コルセットなんて付けたことがなかった。礼服は全部白の防刃絹のワンピースの上に黒鉄の装甲を張り付けた専用鎧ばかりであり、ボクの代名詞でもあるのだが、今回はその恰好はベルタに禁止させられてしまった。
確かにドレスはとてもきれいで、乙女心をくすぐるものなのだろうことは確かなのだが、乙女心がないボクには単なる拷問でしかなかった。
「午前中にカレーコンテストあるのにぃ!!」
「いったらだめですからね、おひぃさま!」
「なんでぇ!!! カレー四天王も来るんだよ!!」
カレー四天王。それはロンバルディア王都攻略戦時に、カレーを作るのがうまかった人たちだ。
ちょうど4人似たので、極限状態から目覚めたカレーの王者を目指す四天王である、という設定をボクが話していたらなぜか採用されてしまった。
今回の戴冠の儀式にも参加しており、目玉イベントの一つなのに……
「おひぃさまがでたら! カレーをこぼして服を汚した挙句に!! 食べ過ぎて倒れて出れないって言いだすのが見えます!!」
「ベルタ! なんでわかるの!」
「おひぃさまを育てたのは私ですよ!!」
「みぎゃああああ!!!!」
完全にボクの行動が読まれていたらしい。
普段ならここでベルトルドが助けてくれて、無茶苦茶甘やかしてくれるのだが、彼も母親には勝てないらしい。
王位を捨てるのも怖くないが、母親は怖いベルトルドであった。
そうして身繕いは終わったが、まだ少しだけ時間があった。
どうしても時間までが落ち着かない。
「ベルタ、ちょっと散歩に」
「ダメです」
「なんで!?」
「おひぃさまは散歩に出たら、広場すぐにある焼き鳥屋さんで焼き鳥を10本購入し、当然のようにドレスに落として汚す未来が見えるからです」
「ベルタって超能力者?」
「ただの親心です」
完全に行動が読まれている。
ベルトルドに目で助けを求めるが、目をそらされた。見捨てられた。
「お二人とも、元気ですね」
そういって水を出してくれるのはセバスだ。
面倒を見てくれるもうひとりで一応執事長という肩書になっている。
もともとは現フルギア王の傅役だったらしいが、とても好々爺なおじい様である。
ここでこぼすことを考えて水を出すあたり、付き合いも短いのによくわかっている。
そうしてうだうだしているうちに、戴冠式の時間になるのであった。
「少しぐらい出た方が細くなります!」
「みぎゃあああああ!!!」
エフラ王になるボクと、夫であるベルトルドの私生活を見る人は実は二人しかいない。
一人はベルトルドの母であり、ボクの乳母でもあったドーリア伯夫人のベルタだ。
夫であったドーリア伯は既に戦で亡くなっていて、今は長男が伯位を継いでいるらしいが、今回こちらの大陸に戻ってきたのに合わせてボクの女官長に就任した。
そんなベルタがボクのドレスを用意したのだが、これがなかなかすごいものだった。
虹絹と呼ばれる布でできた高級なドレスだったが、腰の部分が細すぎた。
絶対入らないと思ったが、どうやらコルセットをつけるものらしい。
生まれてこの方、コルセットなんて付けたことがなかった。礼服は全部白の防刃絹のワンピースの上に黒鉄の装甲を張り付けた専用鎧ばかりであり、ボクの代名詞でもあるのだが、今回はその恰好はベルタに禁止させられてしまった。
確かにドレスはとてもきれいで、乙女心をくすぐるものなのだろうことは確かなのだが、乙女心がないボクには単なる拷問でしかなかった。
「午前中にカレーコンテストあるのにぃ!!」
「いったらだめですからね、おひぃさま!」
「なんでぇ!!! カレー四天王も来るんだよ!!」
カレー四天王。それはロンバルディア王都攻略戦時に、カレーを作るのがうまかった人たちだ。
ちょうど4人似たので、極限状態から目覚めたカレーの王者を目指す四天王である、という設定をボクが話していたらなぜか採用されてしまった。
今回の戴冠の儀式にも参加しており、目玉イベントの一つなのに……
「おひぃさまがでたら! カレーをこぼして服を汚した挙句に!! 食べ過ぎて倒れて出れないって言いだすのが見えます!!」
「ベルタ! なんでわかるの!」
「おひぃさまを育てたのは私ですよ!!」
「みぎゃああああ!!!!」
完全にボクの行動が読まれていたらしい。
普段ならここでベルトルドが助けてくれて、無茶苦茶甘やかしてくれるのだが、彼も母親には勝てないらしい。
王位を捨てるのも怖くないが、母親は怖いベルトルドであった。
そうして身繕いは終わったが、まだ少しだけ時間があった。
どうしても時間までが落ち着かない。
「ベルタ、ちょっと散歩に」
「ダメです」
「なんで!?」
「おひぃさまは散歩に出たら、広場すぐにある焼き鳥屋さんで焼き鳥を10本購入し、当然のようにドレスに落として汚す未来が見えるからです」
「ベルタって超能力者?」
「ただの親心です」
完全に行動が読まれている。
ベルトルドに目で助けを求めるが、目をそらされた。見捨てられた。
「お二人とも、元気ですね」
そういって水を出してくれるのはセバスだ。
面倒を見てくれるもうひとりで一応執事長という肩書になっている。
もともとは現フルギア王の傅役だったらしいが、とても好々爺なおじい様である。
ここでこぼすことを考えて水を出すあたり、付き合いも短いのによくわかっている。
そうしてうだうだしているうちに、戴冠式の時間になるのであった。
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