37 / 37
第五章 竜帝
8 竜帝
しおりを挟む
白竜帝アンジェリーナは、初代皇帝である竜帝の血族であり、史上二人目の竜族の皇帝であった。
白金の50年といわれたその治世は、帝国が一番発展したともいわれ、人口は倍に、生産規模は3倍にあがったといわれている。
法典の編纂にも着手し、その時作られた白竜法典は今日の各国の法典のもととなっているともいわれている。
貴族制度改革により教会や諸侯の力を押さえる方向に政策を進めたため、一部では魔帝などともよばれていたが、物語の題材として今なお人気の人物の一人である。
在位50年で皇帝を突如退位し、そのあとは彼女の子が継ぐことはなかったため、ドラコニア朝は一代にして終わった。退位の時の様々は今なお様々な形で語り継がれ美談とされるが、実は「皇帝って死ぬほど面倒だしならないほうがいいよ」と言ったため子供たちが誰も立候補しなかったというのは、あまり知られていない。
夫である美男公アンゼルム・イストリア公との仲は、険悪とも良好ともいわれる。
ケンカしたり、イストリア公がセクハラを皇帝にして怒られたりと言ったことは頻繁にあったため、あまり仲が良くなかったともいわれるが、双方愛人を持たなかったことや、白竜帝に30以上子供がいたことから、非常に中が良好だったともいわれる。
退位後しばらくはイストリア大聖堂に滞在していたが、その五年後突然出奔し、現在でもその行方は分かっていない。
五年間で世界樹の力を使って夫のアンゼルムを不老の存在にして、二人仲睦まじく世界を回っているというのが世間での通説であり、今でも各地で新しい白銀姫の逸話が語られたり、二人の子供が見つかったし、退位200年たった今でも、まだ存命であるともいわれる。
二人の長女であり、ドラコニア公リューネに二人のことを聞く機会があった。
「母と父ですか? 10年ほどみていないですが、元気だと思いますよ。毎年うちに弟か妹が送られてきますし。全く自分たちで育てろっていうの。おそらく父がわがまま言っているんでしょうね。母を子供に取られるのが嫌なんでしょう。私の時も子供にかまいたい母と母にかまいたい父はいっつも痴話げんかしてましたよ。全く、仲がいいのはいいですが、私の孫より若い妹とかどうかと思うんですけどね」
ドラコニア公はそう言いながら二人の赤子に授乳をしていた。
妹と娘だといっていたが、本当にそうなのかは冗談好きのドラコニア公のことなのでよくわからなかった。
最低でも、自分の孫より若い娘を先日産んだドラゴニア公には、白竜帝も言われたくないだろうと思った。
白竜帝の血筋は広範囲に伝わっている。
諸侯の当主として直系として残っているのはドラコニア公だけだが、イストリア公始め選帝公の大半にその血が伝わる。
彼女の帝国は今なお続いている。
白金の50年といわれたその治世は、帝国が一番発展したともいわれ、人口は倍に、生産規模は3倍にあがったといわれている。
法典の編纂にも着手し、その時作られた白竜法典は今日の各国の法典のもととなっているともいわれている。
貴族制度改革により教会や諸侯の力を押さえる方向に政策を進めたため、一部では魔帝などともよばれていたが、物語の題材として今なお人気の人物の一人である。
在位50年で皇帝を突如退位し、そのあとは彼女の子が継ぐことはなかったため、ドラコニア朝は一代にして終わった。退位の時の様々は今なお様々な形で語り継がれ美談とされるが、実は「皇帝って死ぬほど面倒だしならないほうがいいよ」と言ったため子供たちが誰も立候補しなかったというのは、あまり知られていない。
夫である美男公アンゼルム・イストリア公との仲は、険悪とも良好ともいわれる。
ケンカしたり、イストリア公がセクハラを皇帝にして怒られたりと言ったことは頻繁にあったため、あまり仲が良くなかったともいわれるが、双方愛人を持たなかったことや、白竜帝に30以上子供がいたことから、非常に中が良好だったともいわれる。
退位後しばらくはイストリア大聖堂に滞在していたが、その五年後突然出奔し、現在でもその行方は分かっていない。
五年間で世界樹の力を使って夫のアンゼルムを不老の存在にして、二人仲睦まじく世界を回っているというのが世間での通説であり、今でも各地で新しい白銀姫の逸話が語られたり、二人の子供が見つかったし、退位200年たった今でも、まだ存命であるともいわれる。
二人の長女であり、ドラコニア公リューネに二人のことを聞く機会があった。
「母と父ですか? 10年ほどみていないですが、元気だと思いますよ。毎年うちに弟か妹が送られてきますし。全く自分たちで育てろっていうの。おそらく父がわがまま言っているんでしょうね。母を子供に取られるのが嫌なんでしょう。私の時も子供にかまいたい母と母にかまいたい父はいっつも痴話げんかしてましたよ。全く、仲がいいのはいいですが、私の孫より若い妹とかどうかと思うんですけどね」
ドラコニア公はそう言いながら二人の赤子に授乳をしていた。
妹と娘だといっていたが、本当にそうなのかは冗談好きのドラコニア公のことなのでよくわからなかった。
最低でも、自分の孫より若い娘を先日産んだドラゴニア公には、白竜帝も言われたくないだろうと思った。
白竜帝の血筋は広範囲に伝わっている。
諸侯の当主として直系として残っているのはドラコニア公だけだが、イストリア公始め選帝公の大半にその血が伝わる。
彼女の帝国は今なお続いている。
2
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説
転生しましたが悪役令嬢な気がするんですけど⁉︎
水月華
恋愛
ヘンリエッタ・スタンホープは8歳の時に前世の記憶を思い出す。最初は混乱したが、じきに貴族生活に順応し始める。・・・が、ある時気づく。
もしかして‘’私‘’って悪役令嬢ポジションでは?整った容姿。申し分ない身分。・・・だけなら疑わなかったが、ある時ふと言われたのである。「昔のヘンリエッタは我儘だったのにこんなに立派になって」と。
振り返れば記憶が戻る前は嫌いな食べ物が出ると癇癪を起こし、着たいドレスがないと癇癪を起こし…。私めっちゃ性格悪かった!!
え?記憶戻らなかったらそのままだった=悪役令嬢!?いやいや確かに前世では転生して悪役令嬢とか流行ってたけどまさか自分が!?
でもヘンリエッタ・スタンホープなんて知らないし、私どうすればいいのー!?
と、とにかく攻略対象者候補たちには必要以上に近づかない様にしよう!
前世の記憶のせいで恋愛なんて面倒くさいし、政略結婚じゃないなら出来れば避けたい!
だからこっちに熱い眼差しを送らないで!
答えられないんです!
これは悪役令嬢(?)の侯爵令嬢があるかもしれない破滅フラグを手探りで回避しようとするお話。
または前世の記憶から臆病になっている彼女が再び大切な人を見つけるお話。
小説家になろうでも投稿してます。
こちらは全話投稿してますので、先を読みたいと思ってくださればそちらからもよろしくお願いします。
せっかく転生したのにモブにすらなれない……はずが溺愛ルートなんて信じられません
嘉月
恋愛
隣国の貴族令嬢である主人公は交換留学生としてやってきた学園でイケメン達と恋に落ちていく。
人気の乙女ゲーム「秘密のエルドラド」のメイン攻略キャラは王立学園の生徒会長にして王弟、氷の殿下こと、クライブ・フォン・ガウンデール。
転生したのはそのゲームの世界なのに……私はモブですらないらしい。
せめて学園の生徒1くらいにはなりたかったけど、どうしようもないので地に足つけてしっかり生きていくつもりです。
少しだけ改題しました。ご迷惑をお掛けしますがよろしくお願いします。
完璧(変態)王子は悪役(天然)令嬢を今日も愛でたい
咲桜りおな
恋愛
オルプルート王国第一王子アルスト殿下の婚約者である公爵令嬢のティアナ・ローゼンは、自分の事を何故か初対面から溺愛してくる殿下が苦手。
見た目は完璧な美少年王子様なのに匂いをクンカクンカ嗅がれたり、ティアナの使用済み食器を欲しがったりと何だか変態ちっく!
殿下を好きだというピンク髪の男爵令嬢から恋のキューピッド役を頼まれてしまい、自分も殿下をお慕いしていたと気付くが時既に遅し。不本意ながらも婚約破棄を目指す事となってしまう。
※糖度甘め。イチャコラしております。
第一章は完結しております。只今第二章を更新中。
本作のスピンオフ作品「モブ令嬢はシスコン騎士様にロックオンされたようです~妹が悪役令嬢なんて困ります~」も公開しています。宜しければご一緒にどうぞ。
本作とスピンオフ作品の番外編集も別にUPしてます。
「小説家になろう」でも公開しています。
前世の記憶を取り戻した元クズ令嬢は毎日が楽しくてたまりません
Karamimi
恋愛
公爵令嬢のソフィーナは、非常に我が儘で傲慢で、どしうようもないクズ令嬢だった。そんなソフィーナだったが、事故の影響で前世の記憶をとり戻す。
前世では体が弱く、やりたい事も何もできずに短い生涯を終えた彼女は、過去の自分の行いを恥、真面目に生きるとともに前世でできなかったと事を目いっぱい楽しもうと、新たな人生を歩み始めた。
外を出て美味しい空気を吸う、綺麗な花々を見る、些細な事でも幸せを感じるソフィーナは、険悪だった兄との関係もあっという間に改善させた。
もちろん、本人にはそんな自覚はない。ただ、今までの行いを詫びただけだ。そう、なぜか彼女には、人を魅了させる力を持っていたのだ。
そんな中、この国の王太子でもあるファラオ殿下の15歳のお誕生日パーティに参加する事になったソフィーナは…
どうしようもないクズだった令嬢が、前世の記憶を取り戻し、次々と周りを虜にしながら本当の幸せを掴むまでのお話しです。
カクヨムでも同時連載してます。
よろしくお願いします。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
公爵様のバッドエンドを回避したいだけだったのに、なぜか溺愛されています
六花心碧
恋愛
お気に入り小説の世界で名前すら出てこないモブキャラに転生してしまった!
『推しのバッドエンドを阻止したい』
そう思っただけなのに、悪女からは脅されるし、小説の展開はどんどん変わっていっちゃうし……。
推しキャラである公爵様の反逆を防いで、見事バッドエンドを回避できるのか……?!
ゆるくて、甘くて、ふわっとした溺愛ストーリーです➴⡱
◇2025.3 日間・週間1位いただきました!HOTランキングは最高3位いただきました!
皆様のおかげです、本当にありがとうございました(ˊᗜˋ*)
(外部URLで登録していたものを改めて登録しました! ◇他サイト様でも公開中です)
【完結済】私、地味モブなので。~転生したらなぜか最推し攻略対象の婚約者になってしまいました~
降魔 鬼灯
恋愛
マーガレット・モルガンは、ただの地味なモブだ。前世の最推しであるシルビア様の婚約者を選ぶパーティーに参加してシルビア様に会った事で前世の記憶を思い出す。 前世、人生の全てを捧げた最推し様は尊いけれど、現実に存在する最推しは…。 ヒロインちゃん登場まで三年。早く私を救ってください。
悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
冒頭部分同じ文章がありますよ
始まりから
「そこそこかな。まだ流動的だけど、大司教様二人は抑えたし、
まで
失礼修正しました。
盛大に誤字ってましたね。ご指摘ありがとうございました。