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エクストラターン
逃亡
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伊勢谷。ハルト。花園。三人の勇者は、それぞれの結末に満足していた。それどころか――かかわりを持とうとしている。
それは阻止しなければいけない。
「ですよねえ? ウリエル?」
「そうですよ。ミカエル」
数年前、私たちは不要な存在――そう言われましてね。
だが。そう言った奴らが平然とした顔で私たちの前を通るのが――憎いっ!!
それどころか、箱を封印した? ああ……憎たらしいっ! 踏みにじりたいっ!!
「そう言った策略を取るのはらしくないですよぉ?」
「ここにはガブリエルたちもいますよねえ?」
「はい。そうですが?」
「ケビンがいない今、奴らは無防備です」
「相変わらず面白い事考えますねぇ! ウリエルはあ!」
天使たちの宴は終わらない。
この、協演の宴も終わらない――
エクストラ。その言葉で飾るのにふさわしい世界線が――そこにはあった。
すべての事件が終わり、平和になった世界線。ここで、僕たちは今、平気で暮らしている。暮らせている。
「伊勢谷さあん?」
「あ、え、えっと――美雨さん……?」
「今日という今日は許しません」
ごふっ。という理論的にありえない物音と共に、正座させられる。
「え、えっと、美雨さん?」
「……」
沈 黙 。
「……」
「あ、あのー、これは――」
ごつっ!!!! という音と共に、足元が重くなる。
「え、えええええ!?」
「江戸流拷問――尋問です」
「え、えっと――それは――」
「 許 さ な い っ て 言 い ま し た よ ね ? 」
ひえっ。
「反省するまでそこで待機」
声に――感情がこもっていない――
「反省しました!!! 反省しましたからああああ!!!!」
僕が泣きながら叫んでいるのに――許してもらえない。
「施設の管理があるんですっ!!」
「あっ、そうですね」
すべてが終わった世界で平和に暮らせているのは、そう言う世界線だからだ。
すべての始まり。すべての終わり――
その世界線で、僕はある子と出会うことになる。
美雨さんから逃亡すること約二時間。
逃亡が完了。そして――
「ただいま」
おかえりーっ!!
という、子供たちの声に歓迎され、施設の中へ入る。
「伊勢谷さん」
「ん? なに? ヘレン」
「えっと、その――この子」
「えーっと……君、名前は?」
小さい男の子。ざっと、10&13歳だろうか? 白髪で、日本人とは思えないが……
「ハーフ、みたいなんです」
「ハーフ?」
いや、クォ―ターのような見た目だが……
ハーフ。これは、その子を現すのに最も適していた。
「君、大丈夫? 震えているけど―ー」
「多分、怖いんだと思います」
「え、ご、ごめん。僕そんなに怖い面してた……?」
「いえ、そうじゃないです」
ヘレンは時たま不思議なことを言う。それも、にわかに信じがたい。
それでも――一度ノンフィクションで体験した僕たちにとっては関係のない話だが。
「未来が見える――そう言ってるんです」
「え……?」
それは、確かに箱の力だった。
それは阻止しなければいけない。
「ですよねえ? ウリエル?」
「そうですよ。ミカエル」
数年前、私たちは不要な存在――そう言われましてね。
だが。そう言った奴らが平然とした顔で私たちの前を通るのが――憎いっ!!
それどころか、箱を封印した? ああ……憎たらしいっ! 踏みにじりたいっ!!
「そう言った策略を取るのはらしくないですよぉ?」
「ここにはガブリエルたちもいますよねえ?」
「はい。そうですが?」
「ケビンがいない今、奴らは無防備です」
「相変わらず面白い事考えますねぇ! ウリエルはあ!」
天使たちの宴は終わらない。
この、協演の宴も終わらない――
エクストラ。その言葉で飾るのにふさわしい世界線が――そこにはあった。
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「伊勢谷さあん?」
「あ、え、えっと――美雨さん……?」
「今日という今日は許しません」
ごふっ。という理論的にありえない物音と共に、正座させられる。
「え、えっと、美雨さん?」
「……」
沈 黙 。
「……」
「あ、あのー、これは――」
ごつっ!!!! という音と共に、足元が重くなる。
「え、えええええ!?」
「江戸流拷問――尋問です」
「え、えっと――それは――」
「 許 さ な い っ て 言 い ま し た よ ね ? 」
ひえっ。
「反省するまでそこで待機」
声に――感情がこもっていない――
「反省しました!!! 反省しましたからああああ!!!!」
僕が泣きながら叫んでいるのに――許してもらえない。
「施設の管理があるんですっ!!」
「あっ、そうですね」
すべてが終わった世界で平和に暮らせているのは、そう言う世界線だからだ。
すべての始まり。すべての終わり――
その世界線で、僕はある子と出会うことになる。
美雨さんから逃亡すること約二時間。
逃亡が完了。そして――
「ただいま」
おかえりーっ!!
という、子供たちの声に歓迎され、施設の中へ入る。
「伊勢谷さん」
「ん? なに? ヘレン」
「えっと、その――この子」
「えーっと……君、名前は?」
小さい男の子。ざっと、10&13歳だろうか? 白髪で、日本人とは思えないが……
「ハーフ、みたいなんです」
「ハーフ?」
いや、クォ―ターのような見た目だが……
ハーフ。これは、その子を現すのに最も適していた。
「君、大丈夫? 震えているけど―ー」
「多分、怖いんだと思います」
「え、ご、ごめん。僕そんなに怖い面してた……?」
「いえ、そうじゃないです」
ヘレンは時たま不思議なことを言う。それも、にわかに信じがたい。
それでも――一度ノンフィクションで体験した僕たちにとっては関係のない話だが。
「未来が見える――そう言ってるんです」
「え……?」
それは、確かに箱の力だった。
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