傷者部

ジャンマル

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帰り道。

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 その日の帰り道。まあ端的に言えば何かがあったわけだけど。たまたま緒方先輩と同じ帰り道だったことが判明したわけなんだけど何故か彼女に振り回されることになっていた。お店に急に入っていったり、美味しそうなものがあったらそちらに行ったり。とにかく行動の一つ一つが全く読めなかったがそれに付き合わされた。普段からこんなことしてるんですか?って聞いても何も答えてくれないし。答えようもないのか。わからんけど。

「次はあそこだ」
「あの、お金持つんですか?」
「?」
「こんなに買ったりして」
「お金なんて持ってても使わないし」
「いやいや今使ってますやん」
「貯金しててもってこと」
「なるほど」

 何があったのかは知らない。聞く気もない。それでも人間ここまでお金に対して無頓着になれるんだ。そんな感じだった。少なくとも普通の人間であればお金を稼ぐ苦労も知ってるし、だからこそそんなに使うことに躊躇うこともある。それに対して彼女は貯金が意味が無いんだと言った。まあお金の出処すら分からないんだけどさ。
 とにかく今数件回ってただけでお金に関してはめちゃくちゃ持ってる疑惑がある訳だがーー

「部活の掟、先輩が発端ですよね?」
「そうだよ」
「相手に干渉しない。必要以上に接しない。お互いあくまで部活の時だけの仲って」
「……」
「でも俺を今連れ回してるのっておかしいですよね」
「何も言わずに着いてきて、そう言ったよね?」

 たった一言。その一言にまるでなにかに取りつかれたかのような不気味な怖さがあったをここから先のことを知りたければお前も覚悟を決めろって。何があっても動じない勇気があるやつだけが知る権利があると。何も言わない先輩だがその一言に色々な思いがきっと込められていた。だからこそその後は何も言わなかったし何も返さなかった。ああ、先輩はそういう奴なんだなって思うだけだった。

「もういいや……帰っていいよ」
「え」
「帰っていいって言ったの」

 これ以上怒らせて大事になってもマズイと本能的に感じ取ってその場はお言葉に甘えさせてもらうことにした。だけどこの日の先輩に無理矢理にでも一緒にいなかったことで次の日、俺はまた後悔しそうになることになる。
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