傷者部

ジャンマル

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踏み出せない一歩

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 みんなが着実に後悔を乗り越えようとしつつある中俺は一人後悔をし続けたままでいた。当たり前だ。あの後悔を気にしなくなるってことはあいつの事を忘れるってことだ。それは絶対にダメだし阻止しないといけない。忘れることなんて出来ないんだから。

「隈潟」
「なんですか」
「私と付き合え」
「はっ!?」
「……?この後暇だろう?」
「あー、なんだ。そういう」

 先輩は時たまやっぱり一言足りない。というよりかはかなりの鈍感って感じかな。その気にさせておいて実はそんなつもりなかったってよくあるパターンだ。それだけにより一層焦ったんだがな。菜緒も最近は部活に来てはいても一切口を聞こうとしてくれないし先輩的には構ってくれるのが俺だけってことだろうしな。まあそれなら流石に付き合わないと行けないだろう。

「どこ行くんすか?」
「ちょっと遠いぞ」
「は?」

 時間は既に十七時過ぎ。夜も近いこのタイミングで遠くに行くと言う。親御さんは平気なのか?というか男と二人は色々とまずくないか?まあ気にしないから誘ってはいるんだろうけど。あまりその気にさせないで欲しいって言うのはあるかな。誰かを好きになるってことは誰かに嫌われることだと自分は思うし。だからこそ誰かを好きになることはないだろうし。
 それは先輩相手とて例外ではない。告白や付き合うことで壊れてしまう関係性ならば一歩も踏み出そうと思わない。踏み出せない。自分はそこまで強い人間ではないから。

「あの」
「菜緒ちゃん?」
「先輩ごめんなさい。今日は僕と約束してるんです」
「ほえー」

 ほえー……?
 菜緒は突然変なことを言い出した。約束なんてしてないからな。ほんとになんかあるのか?ってくらい勘ぐる。怖い。

「なら二人で、ね」
「ありがとうございます」
「私は先生とイチャイチャしてくる」
「それは問題では……?」

 そう言うとすぐさま先輩は消えていった。大丈夫だろうか……
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