傷者部

ジャンマル

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先生の事

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「悪いな、みんな」
「いや一番悪いのは俺だと思うんですが」
「あー、またそうだな」
「ええ、あんまし悪いと思ってない……」

 先生は俺たちを席につけると表情を変える。その顔を見て、ああこれは普通の話ではないな。と理解するのに時間はあまり要らなかった。そしてそれを受け入れられるだろうかという不安。

「ちょっと昔の話しようか」

 そう言い出すと先生はとある写真を取り出した。そして先輩は少し表情を変えた。
 
「え、本当にいいの?」
「いいんだよ。由紀」

 先輩は既に知っている話ということはーーもしかするとそれは先生の傷の話、なんだろうか。そしてそれを話すということはいよいよ俺たちは次の一歩を踏み出せないといけない、ということなんだろうか?
 そして写真に目をやる。先生と女生徒の写真だった。……これが先生の傷?

「端的に言おう。私は過去に一人の生徒を見殺しにした」

 その一言でその場は凍りついた。いきなり何を言ってるんだろうとかなんだこいつは。とかそういうのに近い感じの反応だ。しかし先生の表情は冗談ではない。そう訴えかけるように必死な表情だった。
 それが自分の罪なんだと必死に。それか自分の許せない部分なのだと。過ぎ行く時間の中でその怖さは次第に本物になっていき、自分はココ最近眠ることすら出来ていないと。

「部活の顧問と生徒っていう間柄だったんだけどね。ある日部活は大会に負けた。そしてこの子はありもしない噂とかをたてられた」
「よく聞く話……ですね」
「だけどそれをよく思わない生徒が一定数いるのは想像できるだろう?……彼女は刺した生徒とはすれ違いの勘違いだったらしいんだ」

 それは悲しい事実。そしてその勘違いを産んでしまったのが他でもない自分だと先生は話す。もしあの時自分が余計なことをしなければ。もし自分が優しい嘘をつければ。そうやって後悔し続けた結果、先生は元々の理科の教員を辞め、保険医になっていたと。

「保健室は色んな悩みが入ってくる。だからこそ保険医なんだ」
「なんで急にそんな話を?」
「いやあ、こういうことないようにって思ってねぇ」
「俺の家じゃなきゃ完璧だったんだけど……」
「君の家なのも理由があるからね」

 突然の告白に自分が一番ビックリしていた。
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