女装男子の俺と...変態カメラマン?

日向 ずい

文字の大きさ
49 / 147
第8号 「RANRAと琉架。」

琉架の日々。 その2

しおりを挟む
 「...宮口さんは!??どこっ!???
 こういって、事務所のデスクに走ってきた竹下は、ドアを開くなり宮口を探した。
 ちょうど参考資料を作っていた宮口は、焦った様子の竹下を不思議に思い、首を傾げたが、次に竹下の発した言葉により、宮口も血相を変えることとなった。
「...たっ大変...!!!(汗)るか...琉架見なかったかしら!!!さっきから、控え室で待っていたんだけど...何分たっても、戻ってこないのよ!!!(汗)」
「えっ...姫崎さんが!???...あっ、もしかしたら...すみません...!!すぐ戻るので、竹下さんは、控え室に姫崎さんが戻ってないか、再度見に行ってみてください!!!(汗)」
「...わっ、分かったわ!!!(汗)」
 宮口は、はっと息を飲み込み、急いでRANRAのいる控え室に向かった。
 宮口の言葉に納得した竹下も、琉架が控え室に帰っていないかを調べるため、控え室へと向かった。

 「...はぁ...はぁ...はぁ。もう...ダメだ...。声が...出ない...。(苦)おばけよりも...俺が限界...。」
 こういって、倉庫のドアを背もたれに力なく座り込むと、琉架は、急にひどい眠気に襲われ...そのまま、意識を失ってしまった。

「RANRA...さん!!!いらっしゃいますか???(汗)...あれ、いない...。えっ...。これって...姫崎さん!!!!(汗)」
 宮口は、RANRAの控え室にたどり着き、悪いとは思ったが、ノックもなしにドアを乱暴に開けた...が、そこには、RANRAの姿はなく、机の上には...乱暴に置かれた雑誌に映る琉架のページが、ビリビリに破かれて置いてあった。さらに、その近くのゴミ箱には...倉庫の鍵が...捨ててあったのだ。
 全てを察した宮口は、倉庫の鍵を引っつかむと、走って倉庫へと向かった。
 「...はぁ...はぁ...。姫崎さん...無事でいてください...!!...はぁ...はぁ...『あら...宮口じゃないのよ...。もうすぐ撮影の時間なんだけど...。(怒)一体、どこへ行くつもりなのかしら??(怒)』...あっ...RANRA...さん...。(汗)すみません...所用がございまして...撮影までには、スタジオの方に参りますので...すみませんが、御容赦ください...。(汗)」
 こう言うと、宮口は目の前で腕組をした、いかにも不機嫌丸出しのRANRAに、一礼して倉庫の方に向かった。
 その後ろ姿を見つめてRANRAは、声を荒らげていた。
「...全く...ほんと使えない...!!(怒)」
 宮口の後ろ姿にガンを飛ばすと、RANRAは、自分の控え室へと入ったのだった。
 控え室に入り、ふと琉架のことが気になったRANRAは、ため息をひとつつくと、鍵の置いてある机の方に歩いていった。
「そろそろ...あの子も理解しただろうし...出してあげるか...。」
こう言うと、ゴミ箱に捨てた倉庫の鍵を拾おうとゴミ箱を見たが...鍵がないことに気づいた。
「...えっ、なんで鍵がないのよ...!!ここに確かに...。(汗)...もしかして...誰かが、私の控え室に無断で立ち入ったのかしら...。(汗)いいえ、そんなことできるはずがないわ...。じゃあ、誰が......あっ、宮口...アイツだわ...!!(汗)全く、私のしたことに手を出すなんて...なんて奴なの!???(怒)マネージャーとして...失格よ!!!(怒)...この裏切り者!!(怒)」
 RANRAは、真っ赤な顔をして控え室の壁に、自分の持っていたポーチから口紅を出すと、乱暴に文字を書き出したのだった。
 もう誰も...彼女を止めることは出来ない...。彼女は、嫉妬という悪魔に心を囚われてしまったのだから...。
 「いやー!!!!!もう誰も...信じないわ!!!!(狂)」

 「はぁ...はぁ...はぁ...『あっ...宮口!!!(汗)どう???るかは...見つかった!???(汗)』...いえ、でも、いると思われる場所が分かったので、今から向かおうとしていたところです...!!(汗)」
 こう言う宮口に、こくりと頷いた竹下は、宮口の後ろに続いた。
「はぁ...はぁ...。ここです...!!!」
「えっ...ここって...。倉庫...???でも、だってありえない!!!(汗)あの子は...お化けが大嫌いなのよ!!!?(汗)この倉庫には、お化けが出るって有名だから...あの子も決して入ることは...。」
「...誰かに呼ばれたのだとしたら...話は違います...。」
 宮口は、こう言うと倉庫の鍵を使い、倉庫を開けた。
 ドアを開くと...そこには、地面に横たわる琉架の姿が...。
「...!?るか...!??琉架!!!!(汗)...って、寝てるの...??」
「...えぇ、寝ているようですね...。」
 竹下は、床に倒れている琉架を目に捉えた瞬間...血相を変えて琉架に近づいたが、琉架が寝息を立てていることに気づき、拍子抜けしてしまった。
 その様子に...宮口も開いた口が塞がらないようだった。
「まぁ、とりあえず...今日の撮影は、明日に延期してもらって...まずは、控え室に戻らないと...。(汗)」
 こう言うと竹下は、琉架の腕をつかみ、起き上がらせようとしたが...琉架は、男の子...当然、持ち上がるはずもなく...その様子を見かねて、宮口が琉架を横抱きにした。
「...こうなったのは...俺のせいだと思われるので...控え室まで、運ばせてください。(悔)」
 静かに竹下に言うと、宮口はそのまま歩き出してしまった。
 宮口の表情は、とても曇っており、それを間近で見ていた竹下は、宮口に何も言えず...ただ、後ろをついて行くことしか出来なかった...。
 なぜなら、宮口の表情から...いつもなら、すぐに分かる感情を、今日は、読み取ることが出来なかったから...。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

後宮の男妃

紅林
BL
碧凌帝国には年老いた名君がいた。 もう間もなくその命尽きると噂される宮殿で皇帝の寵愛を一身に受けていると噂される男妃のお話。

同僚に密室に連れ込まれてイケナイ状況です

暗黒神ゼブラ
BL
今日僕は同僚にごはんに誘われました

吊るされた少年は惨めな絶頂を繰り返す

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

処理中です...