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第10号 「俺と父親...そして...兄貴。」
亜衣希と大樹と琉架。 その2
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休憩スペースの椅子に腰をかけると琉架は、さっきよりも真剣な顔で目の前に座る二人をじっと見据えた。
「...早速なのですが、これから俺はクロジカルで姫崎るか...メイドアリスでは、冬月琉架としてモデルをやっていくことになりました。この事については、既に八神社長も納得して下さり、許可も出してくださいました。そして俺が性別を偽っていたことについても、八神社長のご好意もあり今まで通り姫崎るかの姿で、モデルを続けることが俺に課せられた条件です。それ以外は、特にこれと言ってありませんでした。(笑)...そして、SINさんの事なのですが、八神社長が追い出した訳では無いようです...。八神社長は、色々と誤解されているというのも...先程お話したことにより、明らかになりました。なので...こんなこと赤の他人の俺が言っていいのか分からないですけど...お二人は、八神社長の話を聞いてあげてもいいんじゃないのかなって。(汗)八神社長の話を聞いて思ったんですけど...八神社長って本当は...とても寂しがり屋な方なんだと思います。...あっ!!(汗)これは...関係なかったですね...。(笑)とりあえず、たくさんのご迷惑をお掛けしてすみませんでした。引き続きこれからも、メイドアリスのいちモデルとして冬月琉架をよろしくお願いします。(笑)」
こう言うと、その場に立ちあがり勢いよく頭を下げた琉架の姿に、慌てた大樹は両手をブンブンと振った。
「...琉架くん!??(汗)どうしたんだ...そんなに改まって...。(汗)心配しなくても...啓一さんが優しいのは、知ってる。ただ、母親を失った俺たちは、やり場のない怒りを啓一さんに当てることで、自分たちを正当化したかったんだと思う...。ほんとに...つくづく子供だよな...。(笑)」
とても切ない顔で話をする大樹に、隣に座っていた亜衣希もまた目の前に立ち尽くしている琉架に声をかけた。
「...あぁ、兄さんの言う通りだ...。(汗)俺たちは、いつも広い家の中で二人きりだった...。夕飯の時も、特にこれといって話すこともなく、会話の無い...寂しい家庭だったんだ。その寂しさをいつしか啓一さんが、仕事ばかりしているせいだと言うことを理由として、必死に紛らわせようとしていたのかもしれない...。(笑)」
こう言う2人の姿を見やると琉架は、困った顔をしていたがやがてニコッと笑いかけた。
「やはり、俺が考えていた通り...どうにかしないといけないという気持ちが先走りすぎただけだったんですね。それを聞いて、安心しました。きっとこれからは、良好な関係を築いていけますよ。(笑)」
「...はははっ、そうだといいんだけどな...。(笑)なぁ、亜衣希???」
「ん?...あっ、そうだね...兄さん。俺も、これからは父さんとしっかりと向き合っていこうと思う。そして、クロジカルを継ぐことも考えていかないとね。(笑)」
「...ほんとに良かったです。...あっ、そう言えば竹下さん...。どうしよう。(汗)竹下さんに辞める趣旨の手紙書いちゃった...。(汗)まずい...今どこに居るん『はぁ...やーっと見つけた!もう!!琉架!??一体貴方は何を考えているの!??(汗)こんな置き手紙まで作って!!!』...って...えっ!??竹下さん!???どうしてここに!???(汗)」
琉架は竹下にクロジカルを辞める趣旨の手紙を書いたことを思い出し、咄嗟に焦りだしたが、そんな琉架の背後から大きなため息が聞こえたと思ったら、大変ご立腹の竹下が仁王立ちして顔を真っ赤にしていた。
そんな竹下の姿に気づくと琉架は、ますますバツの悪そうな顔をしていた。
「どうもこうもないわよ!!!(怒)クロジカル...ぜーーーったいに辞めさせたりなんかしないんだからね!!!(怒)...って、琉架???どうしたの!??急に泣き出したりして...!???(汗)」
目の前の琉架に、置き手紙の理由を聞こうと声をかけた瞬間、琉架が目から大粒の涙をボロボロと流しだしたため、竹下は焦った顔をして琉架の心配をした。
そんな竹下の姿にますます涙があふれる琉架は、何とか言葉を発した。
「...竹下さん...本当にごめんなさい!!!(泣)...俺っ...竹下さんに...迷惑かけてばかりで...迷惑かけないって手紙にも書いたのに...よく考えたら、手紙を置いている時点で既に迷惑をおかけしてたってことで...ほんとに...すみませんでした。(泣)『...琉架???どうして私に相談してくれないの???私は...貴方に気持ちよく仕事をしてもらうためにいる琉架のマネージャーなのよ???困ったことがあった時に相談してもらうことも...マネージャーの大切な大切な仕事なの...。迷惑なんて考えなくていいの。ねぇ??』...うっ...竹下さん!!!(泣)」
琉架は、目の前が涙のせいでよく見えなかったが、竹下の優しい言葉にますます心が崩れそうになり、咄嗟に目の前に立っていた竹下に抱きついた。
そんな琉架に優しい顔をした竹下は、琉架の背中をトントンと叩いて慰めるのだった。
そんなふたりの姿を見ていた八神兄弟だったが、顔を見合わせると頷き合いその場を静かに去っていった。
二人から距離をとると亜衣希は、隣を歩く大樹にニヤッと笑いかけた。
「なんだか...俺の時代のマネージャーと今のマネージャーは、違う気がする...。まるで、家族のように温かい...素敵だなって思った。(照)」
「...そうか...。それは良かったな。(笑)さぁ、俺達も今日はメイドアリスに帰ろうか。琉架くんは、きっとこれから仕事の打ち合わせなどがあるだろうしな。(笑)」
「おっ、珍しく...兄さんと同意見だよ。(笑)さぁ、じゃあ、琉架とのお祝いはまた今度だな。(笑)よし、兄さん帰ろう。メイドアリスに!!(笑)」
こう言うと亜衣希は、まるで子供のように走ってメイドアリスを目指すのだった。
そんな亜衣希の姿に苦笑いしていた大樹も、ふっと笑いを零すと
「...亜衣希。ちょっと待て、俺も一緒に帰るから!(笑)」
と言って亜衣希の後ろ姿を小走りで追うのだった。
「...早速なのですが、これから俺はクロジカルで姫崎るか...メイドアリスでは、冬月琉架としてモデルをやっていくことになりました。この事については、既に八神社長も納得して下さり、許可も出してくださいました。そして俺が性別を偽っていたことについても、八神社長のご好意もあり今まで通り姫崎るかの姿で、モデルを続けることが俺に課せられた条件です。それ以外は、特にこれと言ってありませんでした。(笑)...そして、SINさんの事なのですが、八神社長が追い出した訳では無いようです...。八神社長は、色々と誤解されているというのも...先程お話したことにより、明らかになりました。なので...こんなこと赤の他人の俺が言っていいのか分からないですけど...お二人は、八神社長の話を聞いてあげてもいいんじゃないのかなって。(汗)八神社長の話を聞いて思ったんですけど...八神社長って本当は...とても寂しがり屋な方なんだと思います。...あっ!!(汗)これは...関係なかったですね...。(笑)とりあえず、たくさんのご迷惑をお掛けしてすみませんでした。引き続きこれからも、メイドアリスのいちモデルとして冬月琉架をよろしくお願いします。(笑)」
こう言うと、その場に立ちあがり勢いよく頭を下げた琉架の姿に、慌てた大樹は両手をブンブンと振った。
「...琉架くん!??(汗)どうしたんだ...そんなに改まって...。(汗)心配しなくても...啓一さんが優しいのは、知ってる。ただ、母親を失った俺たちは、やり場のない怒りを啓一さんに当てることで、自分たちを正当化したかったんだと思う...。ほんとに...つくづく子供だよな...。(笑)」
とても切ない顔で話をする大樹に、隣に座っていた亜衣希もまた目の前に立ち尽くしている琉架に声をかけた。
「...あぁ、兄さんの言う通りだ...。(汗)俺たちは、いつも広い家の中で二人きりだった...。夕飯の時も、特にこれといって話すこともなく、会話の無い...寂しい家庭だったんだ。その寂しさをいつしか啓一さんが、仕事ばかりしているせいだと言うことを理由として、必死に紛らわせようとしていたのかもしれない...。(笑)」
こう言う2人の姿を見やると琉架は、困った顔をしていたがやがてニコッと笑いかけた。
「やはり、俺が考えていた通り...どうにかしないといけないという気持ちが先走りすぎただけだったんですね。それを聞いて、安心しました。きっとこれからは、良好な関係を築いていけますよ。(笑)」
「...はははっ、そうだといいんだけどな...。(笑)なぁ、亜衣希???」
「ん?...あっ、そうだね...兄さん。俺も、これからは父さんとしっかりと向き合っていこうと思う。そして、クロジカルを継ぐことも考えていかないとね。(笑)」
「...ほんとに良かったです。...あっ、そう言えば竹下さん...。どうしよう。(汗)竹下さんに辞める趣旨の手紙書いちゃった...。(汗)まずい...今どこに居るん『はぁ...やーっと見つけた!もう!!琉架!??一体貴方は何を考えているの!??(汗)こんな置き手紙まで作って!!!』...って...えっ!??竹下さん!???どうしてここに!???(汗)」
琉架は竹下にクロジカルを辞める趣旨の手紙を書いたことを思い出し、咄嗟に焦りだしたが、そんな琉架の背後から大きなため息が聞こえたと思ったら、大変ご立腹の竹下が仁王立ちして顔を真っ赤にしていた。
そんな竹下の姿に気づくと琉架は、ますますバツの悪そうな顔をしていた。
「どうもこうもないわよ!!!(怒)クロジカル...ぜーーーったいに辞めさせたりなんかしないんだからね!!!(怒)...って、琉架???どうしたの!??急に泣き出したりして...!???(汗)」
目の前の琉架に、置き手紙の理由を聞こうと声をかけた瞬間、琉架が目から大粒の涙をボロボロと流しだしたため、竹下は焦った顔をして琉架の心配をした。
そんな竹下の姿にますます涙があふれる琉架は、何とか言葉を発した。
「...竹下さん...本当にごめんなさい!!!(泣)...俺っ...竹下さんに...迷惑かけてばかりで...迷惑かけないって手紙にも書いたのに...よく考えたら、手紙を置いている時点で既に迷惑をおかけしてたってことで...ほんとに...すみませんでした。(泣)『...琉架???どうして私に相談してくれないの???私は...貴方に気持ちよく仕事をしてもらうためにいる琉架のマネージャーなのよ???困ったことがあった時に相談してもらうことも...マネージャーの大切な大切な仕事なの...。迷惑なんて考えなくていいの。ねぇ??』...うっ...竹下さん!!!(泣)」
琉架は、目の前が涙のせいでよく見えなかったが、竹下の優しい言葉にますます心が崩れそうになり、咄嗟に目の前に立っていた竹下に抱きついた。
そんな琉架に優しい顔をした竹下は、琉架の背中をトントンと叩いて慰めるのだった。
そんなふたりの姿を見ていた八神兄弟だったが、顔を見合わせると頷き合いその場を静かに去っていった。
二人から距離をとると亜衣希は、隣を歩く大樹にニヤッと笑いかけた。
「なんだか...俺の時代のマネージャーと今のマネージャーは、違う気がする...。まるで、家族のように温かい...素敵だなって思った。(照)」
「...そうか...。それは良かったな。(笑)さぁ、俺達も今日はメイドアリスに帰ろうか。琉架くんは、きっとこれから仕事の打ち合わせなどがあるだろうしな。(笑)」
「おっ、珍しく...兄さんと同意見だよ。(笑)さぁ、じゃあ、琉架とのお祝いはまた今度だな。(笑)よし、兄さん帰ろう。メイドアリスに!!(笑)」
こう言うと亜衣希は、まるで子供のように走ってメイドアリスを目指すのだった。
そんな亜衣希の姿に苦笑いしていた大樹も、ふっと笑いを零すと
「...亜衣希。ちょっと待て、俺も一緒に帰るから!(笑)」
と言って亜衣希の後ろ姿を小走りで追うのだった。
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