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第17号 「曇のち嵐。」
約束の時間に悲痛な知らせ。
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約束の時刻...例の廃墟と化した工場の中で、亜衣希が来るのを待っていた坂沢は、苛立った様子で片足に重心を預け、コツコツと一定のリズムで、床を叩いていた。
「...あいつ...本気で琉架のこと諦めたのかよ...。くそっ...なんで来ないだよ...!!」
坂沢は、ひとり広い工場の中で、こう呟くと近くにあった、コンクリートのブロックに腰を下ろした。
そんな時、工場のドアを慌ただしく開き、中に入ってきた人影がひとつ...。
「...亜衣希...さん??...坂沢...??......あっ、坂沢...。亜衣希さんは???ここに亜衣希さんが来るって...『やつは...まだ来てない...。でも、絶対に来るはずだから...もう少し待ってろ...。』...そっ...そうなのか...。」
工場の中に入ってきたのは、琉架だった。
琉架は、坂沢がメールで呼び出していたため、ここに来たのだが、来ると言われていた亜衣希の姿が、どこにもないことに疑問を覚え、恐る恐る坂沢に聞いた。
すると坂沢は、一瞬苦い顔をして、琉架を堅い表情で見つめた。
琉架は、そんな坂沢にそれ以上何も言えなくなり、黙り込んだのだった...。
しばらくの沈黙のあと、琉架の携帯が慌ただしく鳴り響いた。
「ん??誰だろ...??えっ...亜衣希さんの携帯から...なんで...。」
琉架は、終始電話に出るか出まいか迷っていたが、サッと琉架の隣までいつの間にか歩いてきていた坂沢に、横から携帯をヒョイっと取り上げられ、琉架には有無を言わさず...通話ボタンを押し、電話に出た。
「...はい、坂沢ですが...。えっ...えっと...はい...そうですけど...。......っ...八神さんが...意識不明の重体...大型...トラックに......はい、わかりました...。はい...はい、失礼します......。」
「...亜衣希さんに...亜衣希さんに、何かあったのか!???...事故って何だよ!??...大型トラックって...!!!意識不明って...!!!『落ち着け...!!!!』...あっ、ごめん...。」
携帯を力なく切った坂沢に琉架は、妙な気持ち悪さを感じて慌てて、さっき坂沢が亜衣希の名前を出していたことから、亜衣希に何かあったのではないかと思い、息継ぎも忘れて坂沢に質問した。
すると坂沢は、大きな一声で琉架を黙らせると静かになった琉架の両肩を掴み、震える声でこういった。
「...亜衣希さんは...ここに来る道中で事故にあったらしい...。意識不明の重体で、都内の病院に救急搬送されたって...。『えっ...そんな...亜衣希さん...。ダメだよ...まだ仲直りもしてないのに...この間退院したばっかりじゃん!!!...ダメに決まってる...このまま、死ぬなんて...!!』...馬鹿!!!まだ死ぬって決まったわけじゃないだろ!!!!お前が信じなくてどうするんだよ!!!!とにかく病院の場所を聞いたから...行くぞ。」
こう言うと、目に涙を溜めて、小刻みに震える琉架の手をとると坂沢は、急いで亜衣希の搬送された病院に向かうのだった。
「...あいつ...本気で琉架のこと諦めたのかよ...。くそっ...なんで来ないだよ...!!」
坂沢は、ひとり広い工場の中で、こう呟くと近くにあった、コンクリートのブロックに腰を下ろした。
そんな時、工場のドアを慌ただしく開き、中に入ってきた人影がひとつ...。
「...亜衣希...さん??...坂沢...??......あっ、坂沢...。亜衣希さんは???ここに亜衣希さんが来るって...『やつは...まだ来てない...。でも、絶対に来るはずだから...もう少し待ってろ...。』...そっ...そうなのか...。」
工場の中に入ってきたのは、琉架だった。
琉架は、坂沢がメールで呼び出していたため、ここに来たのだが、来ると言われていた亜衣希の姿が、どこにもないことに疑問を覚え、恐る恐る坂沢に聞いた。
すると坂沢は、一瞬苦い顔をして、琉架を堅い表情で見つめた。
琉架は、そんな坂沢にそれ以上何も言えなくなり、黙り込んだのだった...。
しばらくの沈黙のあと、琉架の携帯が慌ただしく鳴り響いた。
「ん??誰だろ...??えっ...亜衣希さんの携帯から...なんで...。」
琉架は、終始電話に出るか出まいか迷っていたが、サッと琉架の隣までいつの間にか歩いてきていた坂沢に、横から携帯をヒョイっと取り上げられ、琉架には有無を言わさず...通話ボタンを押し、電話に出た。
「...はい、坂沢ですが...。えっ...えっと...はい...そうですけど...。......っ...八神さんが...意識不明の重体...大型...トラックに......はい、わかりました...。はい...はい、失礼します......。」
「...亜衣希さんに...亜衣希さんに、何かあったのか!???...事故って何だよ!??...大型トラックって...!!!意識不明って...!!!『落ち着け...!!!!』...あっ、ごめん...。」
携帯を力なく切った坂沢に琉架は、妙な気持ち悪さを感じて慌てて、さっき坂沢が亜衣希の名前を出していたことから、亜衣希に何かあったのではないかと思い、息継ぎも忘れて坂沢に質問した。
すると坂沢は、大きな一声で琉架を黙らせると静かになった琉架の両肩を掴み、震える声でこういった。
「...亜衣希さんは...ここに来る道中で事故にあったらしい...。意識不明の重体で、都内の病院に救急搬送されたって...。『えっ...そんな...亜衣希さん...。ダメだよ...まだ仲直りもしてないのに...この間退院したばっかりじゃん!!!...ダメに決まってる...このまま、死ぬなんて...!!』...馬鹿!!!まだ死ぬって決まったわけじゃないだろ!!!!お前が信じなくてどうするんだよ!!!!とにかく病院の場所を聞いたから...行くぞ。」
こう言うと、目に涙を溜めて、小刻みに震える琉架の手をとると坂沢は、急いで亜衣希の搬送された病院に向かうのだった。
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