ダメな私と吸血鬼〜我が屋敷へようこそ〜

日向 ずい

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第2章 「久しぶりの魔界ですね。」

2-5話 「ラグルに、質問があるわ。」

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 エピーヌは、ポチに断りを入れてラグルの部屋へと来ていた。
 ラグルの部屋のドアをノックすると暫くしてから、「どうぞ。」と一言返ってきて、エピーヌは、遠慮がちに扉を開いた。
 中に入ると、広い部屋の中央に置かれたソファに、力なく倒れ込んでいるラグルの姿が目に留まった。
 部屋に入ってきたエピーヌに気が付くと、ラグルはグッとお腹に力を入れて起き上がり、エピーヌをソファに来るように促した。
 「ごめんね、ラグル??今、疲れていたみたいなのに...勝手に入ってきちゃって...。」
 エピーヌは、遠慮がちにソファに腰をかけると、目の前に座るラグルへと謝った。
 そんなエピーヌに特に気にした様子もなくラグルは、言葉を返した。
「別に、少し長旅で疲れたから仮眠をとっていただけだ。吸血鬼が昼間眠るのは確かだが、夜行性なんて誰が決めたんだが...。(汗)それよりも...俺の部屋を訪ねてくるなんて珍しいな。何かあったのか??」
 ラグルの心配そうな表情にエピーヌは、一呼吸置くと話し出した。
「その...大したことではないのだけれど...。(汗)ラグルが私をここに連れてきてくれたのって...私が来たいって言ったから...なのよね???(汗)」
 エピーヌの問いに、目を見開いて明らかに動揺した様子のラグルは、エピーヌにさっきよりも低い声で尋ねた。
「おい、エピーヌ??お前、誰かに余計なこと聞いたんじゃないだろうな??(怒)俺が来たいって思ったから、屋敷に来たに決まってるだろ??その他に理由なんてなんもねぇよ。(怒)」
 ラグルは、エピーヌの問いに途端に不機嫌になり、これ以上何も聞くなと言いたげな様子で、半ば強引に話を終わらそうとした。
 そんなラグルに負けじとエピーヌは、質問を投げかけた。
「誤魔化さないで!!!ラグルの屋敷の人に聞いたの!!!ラグルは、子どもの時以来、このパーティーには、出ていないって...。(汗)だからっ!!!『...エピーヌ...??人には、どれだけ仲が良くても、踏み込まれたくない領域があるのを知っているか??俺は...これ以上お前にこの件に踏み込んでほしくないと思っている。この意味...分かるよな?つまり、誰にも話したくないんだ。要件がそれだけなら、疲れてるんだ...さっさと出ていってくれないか???(怒)』...っ、わっ、分かったわ...。疲れているところ...ごめんなさい。お邪魔しました。(汗)」
 エピーヌは、ラグルのあまりの黒いオーラに全身鳥肌がたち、慌ててラグルに謝ると部屋を後にした。
 部屋をあとにしたエピーヌは、寒くもないのに、くしゃみをひとつすると身震いをしてポチたちの元に足早に戻るのだった。
 一方その頃、部屋の中でラグルは、頭を抱えて困った顔をしていた。
「ったく、エピーヌに当たってもなんにもなんないだろうが!!!!(怒)俺の阿呆!!!はぁ、そうだよ。確かに、俺は明日のパーティーには、子どもの時以来出ていない。でもそれは...うっ、気持ち悪っ!!(汗)あいつのことを考えたら、寒気が...!!!(汗)あ~、ダメだ。さっきやっと気分が戻ってきていたのに...また、気持ち悪くなってきちまった。くそっ!!(汗)」
 ラグルは、こう言うとソファに力なく倒れて口を手を塞ぐと、白い顔をさらに青白く染めるのであった。
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