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第2章 「久しぶりの魔界ですね。」

2-8話 「夜のパーティーに向けて。」

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 朝から賑やかな朝食の時間を終えた面々にラボンがお皿を下げながら、こう声をかけた。
「朝食のすぐ後で悪いのですが、皆さんには今日の夜のパーティーの為に、服を選んで頂かなくてはなりません。後ほど、各自の部屋に魔界植物のコーディネーションを支給しますので、どうぞお使いください!(笑)それと、本日のパーティーに出席なさる来賓の方々の名簿もありますので、そちらも合わせて支給するので、あらかじめ目を通しておいてください!!(笑)」
「...おい、ラボン??(怒)お前...名簿はいいが...コーディネーションをどうやって手に入れたんだ???(汗)」
「ん???そりゃ、プランツハンターのオニユリさんに...。『おまっ!!?馬鹿なのか!!!!?(汗)』...???何でですか???(笑)」
 ラグルは、目の前でお皿を下げながら説明をするラボンに対して、声を荒らげていた。
 それもそのはず...ラボンがプランツハンターから買った植物は...。
「お前なぁ...コーディネーション、一体いくらすると思っているんだ!???(汗)」
「えっ???...そりゃ、希少植物ですから高かったですけど...。ラグルさんなら、出せる額だし問題ないかと!!(笑)」
「...っ!!馬鹿...問題大ありだ!!!(怒)お前な!!!(怒)いくら出せるからって、限度があるだろうが!!!(怒)...罰として、これから毎日魔界で最もきついとされる魔獣駆除の仕事...コーディネーションに使った額分、働いてもらうからな???(怒)完済し終わるまで、せいぜい身をこにして働くんだな。(怒)『えっ!???それはないですよ!!!(汗)ラグルさん、それだけは勘弁してください!!!(汗)』...いいや、俺に無断であんな高級品を買うなんて...しかもお前下手したら牢屋にぶち込まれるんだぞ??...許して置けるわけないだろ????(怒)」
 ラグルとラボンのやり取りを聞いていたエピーヌは、隣に座るニーソンにこっそり聞いてみた。
「ねぇ、ニーソン??ラグルの言っているコーディネーション???って一体何なの???」
「あー、コーディネーションって言うのはね、簡単に言うと自分の好きな服に着替えることが出来るものなんだけど...。(笑)...ラグルが怒るのも無理はないよ??(笑)だって、コーディネーションは、1輪あたり...100,000,000セリフィンだから!って、エピーヌには分からないか...。(汗)...えっと、人間界で言うと...ざっと10億円ってところかな。それが多分三人分だから...30億円...って事になるね...。(笑)」
 ニーソンの苦笑いに、口をあんぐりと開けてニーソンを見つめていたエピーヌは、次の瞬間勢いよく立ち上がり、興奮した様子で話を続けた。
「っ!!!30億!????(汗)何よそれ!!!高すぎるわ!!!!(汗)どうしてそんなに高いのよ!!!(汗)」
「ちょっ...エピーヌ...落ち着いて。(汗)...えっとね、コーディネーションって言うのは、自分の着たい服が手に入るってことで昔、大量に乱獲されてね...。今では、絶滅の危機に瀕しているほど、本当に希少な魔界の植物なんだ。だから、コーディネーションを狙うプランツハンターは、数え切れないほどいる。希少植物だから、コーディネーションは、大概が一般には出回らない裏ルートで手に入れるのが、主流となっていてね...。(汗)」
「えっ!それって、もしかして密りょ...『痛いよ...ラグルさん!!!(汗)離して!!!(汗)ぎゃあああ!!!!(汗)』...っ!!!」
 エピーヌが、何となく状況を察してニーソンに発した言葉は、ラグルが隠し持っているワイヤーで絞め上げられて、絶叫しているラボンの声にかき消されてしまい、ニーソンはエピーヌの声には気付かず、ラグルに絞められているラボンを見つめて苦笑いを浮かべていた。
 エピーヌもその様子に今回だけは、ラボン...ではなくラグルの味方をして、ただじっとラボンがラグルに部屋の外に連れていかれるのを見つめているのだった。
「ラボン...。今回のは、あなたが悪いわ...。だって、密猟をしている人からものを買うことは、犯罪だもの...。(汗)いくらお嬢様出身の私だからって、これぐらいは知っているものよ??...ラボンはきっと、子供の時にしっかりお勉強をしていなかったのね...。って、今思ったけどラボンって何歳なのかしら??今度、それとなく聞いてみましょ!(笑)」
 エピーヌは、ラグルとラボンが去っていったあとに独り、心の中でこんなことを思っているのだった。
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