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第二話「足音」
しおりを挟む未開の土地にすむ人々には、奇妙な共通点がある。
考古学者であり、探検家でもある 古林 明夫(45)が、これまでに調査した研究データを元にたどり着いた境地である。
「驚いたよ。いや、予感はしてたんだがなあ。なんというか、こう・・・ハッキリと批判されるとなると、どーもねえ」
椅子に深く腰掛け、頭を抱える。机の上には大量の本や資料が山積みとなっていた。
彼が発表した論文【世界のヨヤマコ】は、その衝撃的な内容から世界中で批判を受けることとなった。
~アメリカ某所 民族研究機関【メンダン】地下二階~
「馬鹿げた論文だ」
一読した論文を机の上に放り投げる。民族学者の第一人者である、カワ リョーサンは 取材にきた記者の気まぐれな質問に答えていた
「世界中に存在する少数民族のあいだで、共通する神話があるらしいね」
「ああ、たった今その論文を読んだところだよ」
リョーサンは天を仰いだ。馬鹿げた論文だと切り捨てた。いや、切り捨てたかった。
「信じたくなかった。だが、ミスター コバヤシは嘘の研究をするような男ではない」
記者が息を飲む。いまから聞く話は、間違いなく世界に衝撃を与えることになる。そんな予感がよぎったのだ
「・・・【ヨヤマコ】。ギリシャ語で希望。アラビア語で絶望を意味する・・・」
」
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