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法則死 上
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人が死ぬ。
これは至極当然のことである。
人が死ぬ理由は多岐に渡るが大きく分ければ3個になると思う。
それは「老衰による逃れられない死」、「病気や事故による不慮の死」そして最後は「自殺または他殺による死」。
夏休み気分が抜けない零は憂鬱な気持ちで学校へ向かっていた。
「おーーい!!れーーーい!!」
うるさいのが後ろから走ってくる。
彼の名前は根ヶ山類。
見ての通り天真爛漫でいわゆる「馬鹿」 だ。
そんな彼には友達が多くこんな陰キャ丸出しの俺にも優しく接しくてれる。
類と学校に着き教室に入ったら慌ただしい雰囲気が漂っていた。
どうせくだらないことで騒いでいるに違いないと思った俺はあまり気にしなかったが、泣き出している女子もいた。
何があったか少し気になった俺と類は見に行くとクラスメイトである早川美優の机の上に花瓶が置かれていた。
その状況からもう察しがついた。
その場で1番泣いていたのは早川と最も仲の良かった白川里織だった。
白川は内気な性格であるが、以前俺とアニメやゲームのことで話が盛り上がった。
そんな彼女がここまで人目を憚らず泣き崩れているのはなかなか想像できない。
あとから聞いた話だが早川の死因は「不明」らしい。
学校側もいじめなどによる自殺ではなく「不慮の死」として事を鎮めた。
俺たちの高校はこの村の中にあるからこの村に住んでいる高校生はほぼ全員その高校へ進学する。
全校生徒は村の生徒と他所からやってくる生徒含め500人ほどと決して少なくない人数だ。
そんな中で生徒が1人死んだ。
ましてや同じクラスの女子。
早川とは直接喋ったことはないが彼女の死は言語化できない何かが俺を取り巻いた。
そんな出来事が起きても時間は理不尽に流れ往く。
2XXX年9月6日早川美優死亡。
この日から何かが狂いだした。
早川の死亡から時間が経ち同月28日、隣のクラスの担任である矢野圭人先生が亡くなった。
彼の死因は「不明」
なぜ同じ月でここまで身近な人が立て続けに亡くなるのか。
理由はなくただ運が悪いだけであると自分の中では無理矢理完結させた。
2XXX年9月28日矢野圭人死亡。
学校側はこの矢野先生の死も早川と同様「不慮の死」として発表し、それ以上は言及しなかった。
理由は無いと分かっていても考えてしまう。
そもそも死因が不明なのが意味が分からない。
考えても無駄なことをずっと考え続けていたが何も思いつくはずがない。
それから時間が流れ続け10月4日。
隣人の栗田誠也さんが亡くなった。
昔から良くしてもらってたから俺は思わず涙腺が崩れた。
死因は「心筋梗塞による突然死」らしい。
最近身近な人が立て続けに原因不明の最期を迎えているから今回も死因が不明だと思ってしまったがそうではなかった。
2XXX年10月4日栗田誠也死亡
栗田さんの葬式に俺は出席するととなった。
葬式の日程は約1週間後の10月10日になった。
そして葬式当日俺は学校を休んで栗田さんの葬式に出席した。
当然俺は泣いた。
泣き崩れた。
ただ葬式の改まった雰囲気で泣き叫ぶのは無礼であるから涙を拭った。
棺桶を覗くと今にも動き出しそうな栗田さんがそこにいた。
その瞬間また涙腺が決壊したが栗田さんとの最後の時間を無駄にしたくなかったから必死に涙を堪えた。
その後火葬の準備に入り出してから火葬までがとても早かった。
火葬が始まった。
火葬作業員の方が1時間半程時間がかかるとの事だから待合室に案内された。
そこでお昼を食べている時スマホがやかましいほどになり始めた。
見てみると類からの連絡だった。
「白川里織が亡くなった。」
この連絡に俺は恐怖まで覚えた。
直近2ヶ月で俺の周りの人が4人も亡くなってしまう。
死因は「自殺」。
ついこの間までアニメやゲームのことで話が盛り上がっていたのに。
類も俺と白川が仲がいいというのは知っていたからこの連絡をするのが辛かったらしい。
正直な話栗田さんは病気による死だから神様に祈るしか手段はなかった。
早川と矢野先生は死因が「不明」のこともあり、どうしようもなかった。
だが白川の死に関しては死因が「自殺」だから、守れた命ではないのか。
白川を守る術は他にあったのではないかと考えるだけで嗚咽が止まらなくなり、それと同時に血の涙が目から零れ落ちてきた。
2XXX年10月10日白川里織死亡
次の日俺は学校に行くのも嫌になったが、無理やり体を起こして学校へ向かった。登校中いつもはうるさい類も後ろから軽く肩を叩いてきた。
「最近どうしたんだろうな」
類は優しい声で俺に言った。
俺は何も言う気はなかったのを類が察したかのように俺に何かを問いかけるのではなく独り言のように続けた。
「俺さ少し怖いんだよ。次死ぬのが俺なんじゃないかって」
この発言に俺は2つの意味で舌を翻した。
1つ目は単純に類がいきなりこんなことを言い出したこと。
2つ目は次も誰かが死ぬことを分かってるかのような発言をしたこと
「なんで次もあると思ったんだよ。」
俺は口調を荒らげながら類に聞いた。
「ここ2ヶ月で先生生徒含め3人と零の近所の栗田さん合計4人亡くなってんだぞ?しかも亡くなった全員俺らと同じ「村」に住んでたから少し怖いと思って。」
「偶然じゃない?」
俺は「偶然」という言葉で済ませたくなかったがそれ以外に適切な言葉が見当たらなかった。
「確かにそうかもな。」
教室に着くと、白川の机の上には何も置いていなかったがまるでその机は光ってるかのように目立っていた。
(何も置かれていない?)
昨日俺は栗田さんの葬式に出席してたから知らないだけかもしれないが、確か早川美優が亡くなった時机の上はカーネーションの花瓶がありその脇には菊とリンドウが綺麗に置いてあった。
しかし白川の机の上には何も置かれていない。
俺は白川の机の上に持ってきたスターチスを偲ばせた。
「あいつほんとに自殺したよw」
「ほんとこんなんで死ぬとか馬鹿みたいw」
「白川も弱いなぁw」
たまたま近くを通った男女グループがこのような事を言っていた。
それは俺と類が聞いていた。
これを聞くだけだと白川はいじめにあっていたと思う。というか確実にいじめに遭っていた。
俺は込み上げてくる憤慨を必死にこらえて理性を保っていたが類は爆発したらしくそのグループの先頭にいた男子の胸倉を掴んで
「お前らいい加減にしろよ?」
そこから類はその男子のことを殴ってしまい1週間停学処分を受けることになった。
それから1週間が経った10月18日
類が停学処分から解放される日になった。
類はこの停学処分の間これまでに亡くなった4人に規則性がないか考察してたらしい。
人が亡くなるのに規則なんかあるはずないと思ったが類の話を聞くことにした。
これは至極当然のことである。
人が死ぬ理由は多岐に渡るが大きく分ければ3個になると思う。
それは「老衰による逃れられない死」、「病気や事故による不慮の死」そして最後は「自殺または他殺による死」。
夏休み気分が抜けない零は憂鬱な気持ちで学校へ向かっていた。
「おーーい!!れーーーい!!」
うるさいのが後ろから走ってくる。
彼の名前は根ヶ山類。
見ての通り天真爛漫でいわゆる「馬鹿」 だ。
そんな彼には友達が多くこんな陰キャ丸出しの俺にも優しく接しくてれる。
類と学校に着き教室に入ったら慌ただしい雰囲気が漂っていた。
どうせくだらないことで騒いでいるに違いないと思った俺はあまり気にしなかったが、泣き出している女子もいた。
何があったか少し気になった俺と類は見に行くとクラスメイトである早川美優の机の上に花瓶が置かれていた。
その状況からもう察しがついた。
その場で1番泣いていたのは早川と最も仲の良かった白川里織だった。
白川は内気な性格であるが、以前俺とアニメやゲームのことで話が盛り上がった。
そんな彼女がここまで人目を憚らず泣き崩れているのはなかなか想像できない。
あとから聞いた話だが早川の死因は「不明」らしい。
学校側もいじめなどによる自殺ではなく「不慮の死」として事を鎮めた。
俺たちの高校はこの村の中にあるからこの村に住んでいる高校生はほぼ全員その高校へ進学する。
全校生徒は村の生徒と他所からやってくる生徒含め500人ほどと決して少なくない人数だ。
そんな中で生徒が1人死んだ。
ましてや同じクラスの女子。
早川とは直接喋ったことはないが彼女の死は言語化できない何かが俺を取り巻いた。
そんな出来事が起きても時間は理不尽に流れ往く。
2XXX年9月6日早川美優死亡。
この日から何かが狂いだした。
早川の死亡から時間が経ち同月28日、隣のクラスの担任である矢野圭人先生が亡くなった。
彼の死因は「不明」
なぜ同じ月でここまで身近な人が立て続けに亡くなるのか。
理由はなくただ運が悪いだけであると自分の中では無理矢理完結させた。
2XXX年9月28日矢野圭人死亡。
学校側はこの矢野先生の死も早川と同様「不慮の死」として発表し、それ以上は言及しなかった。
理由は無いと分かっていても考えてしまう。
そもそも死因が不明なのが意味が分からない。
考えても無駄なことをずっと考え続けていたが何も思いつくはずがない。
それから時間が流れ続け10月4日。
隣人の栗田誠也さんが亡くなった。
昔から良くしてもらってたから俺は思わず涙腺が崩れた。
死因は「心筋梗塞による突然死」らしい。
最近身近な人が立て続けに原因不明の最期を迎えているから今回も死因が不明だと思ってしまったがそうではなかった。
2XXX年10月4日栗田誠也死亡
栗田さんの葬式に俺は出席するととなった。
葬式の日程は約1週間後の10月10日になった。
そして葬式当日俺は学校を休んで栗田さんの葬式に出席した。
当然俺は泣いた。
泣き崩れた。
ただ葬式の改まった雰囲気で泣き叫ぶのは無礼であるから涙を拭った。
棺桶を覗くと今にも動き出しそうな栗田さんがそこにいた。
その瞬間また涙腺が決壊したが栗田さんとの最後の時間を無駄にしたくなかったから必死に涙を堪えた。
その後火葬の準備に入り出してから火葬までがとても早かった。
火葬が始まった。
火葬作業員の方が1時間半程時間がかかるとの事だから待合室に案内された。
そこでお昼を食べている時スマホがやかましいほどになり始めた。
見てみると類からの連絡だった。
「白川里織が亡くなった。」
この連絡に俺は恐怖まで覚えた。
直近2ヶ月で俺の周りの人が4人も亡くなってしまう。
死因は「自殺」。
ついこの間までアニメやゲームのことで話が盛り上がっていたのに。
類も俺と白川が仲がいいというのは知っていたからこの連絡をするのが辛かったらしい。
正直な話栗田さんは病気による死だから神様に祈るしか手段はなかった。
早川と矢野先生は死因が「不明」のこともあり、どうしようもなかった。
だが白川の死に関しては死因が「自殺」だから、守れた命ではないのか。
白川を守る術は他にあったのではないかと考えるだけで嗚咽が止まらなくなり、それと同時に血の涙が目から零れ落ちてきた。
2XXX年10月10日白川里織死亡
次の日俺は学校に行くのも嫌になったが、無理やり体を起こして学校へ向かった。登校中いつもはうるさい類も後ろから軽く肩を叩いてきた。
「最近どうしたんだろうな」
類は優しい声で俺に言った。
俺は何も言う気はなかったのを類が察したかのように俺に何かを問いかけるのではなく独り言のように続けた。
「俺さ少し怖いんだよ。次死ぬのが俺なんじゃないかって」
この発言に俺は2つの意味で舌を翻した。
1つ目は単純に類がいきなりこんなことを言い出したこと。
2つ目は次も誰かが死ぬことを分かってるかのような発言をしたこと
「なんで次もあると思ったんだよ。」
俺は口調を荒らげながら類に聞いた。
「ここ2ヶ月で先生生徒含め3人と零の近所の栗田さん合計4人亡くなってんだぞ?しかも亡くなった全員俺らと同じ「村」に住んでたから少し怖いと思って。」
「偶然じゃない?」
俺は「偶然」という言葉で済ませたくなかったがそれ以外に適切な言葉が見当たらなかった。
「確かにそうかもな。」
教室に着くと、白川の机の上には何も置いていなかったがまるでその机は光ってるかのように目立っていた。
(何も置かれていない?)
昨日俺は栗田さんの葬式に出席してたから知らないだけかもしれないが、確か早川美優が亡くなった時机の上はカーネーションの花瓶がありその脇には菊とリンドウが綺麗に置いてあった。
しかし白川の机の上には何も置かれていない。
俺は白川の机の上に持ってきたスターチスを偲ばせた。
「あいつほんとに自殺したよw」
「ほんとこんなんで死ぬとか馬鹿みたいw」
「白川も弱いなぁw」
たまたま近くを通った男女グループがこのような事を言っていた。
それは俺と類が聞いていた。
これを聞くだけだと白川はいじめにあっていたと思う。というか確実にいじめに遭っていた。
俺は込み上げてくる憤慨を必死にこらえて理性を保っていたが類は爆発したらしくそのグループの先頭にいた男子の胸倉を掴んで
「お前らいい加減にしろよ?」
そこから類はその男子のことを殴ってしまい1週間停学処分を受けることになった。
それから1週間が経った10月18日
類が停学処分から解放される日になった。
類はこの停学処分の間これまでに亡くなった4人に規則性がないか考察してたらしい。
人が亡くなるのに規則なんかあるはずないと思ったが類の話を聞くことにした。
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