ゲノム～失われた大陸の秘密～

第三章【パシフィス王国編】

終結

「ほらぁ、どうしたのよ！逃げてばっかりじゃ面白くないわ！！」
ケイラは挑発を続けながら、急な方向転換と速度の変化を駆使してケラプを翻弄する。
その予測不能な動きは、ケラプに切り傷を増やし続ける。

（やはり間合いは掴めない..が、攻撃発生の契機はわかった）
ケラプは戦術を練り直し、ケイラから少し距離を取りながら周囲の屋根の瓦を手に取る。

「ぬん！！」
と声を上げながら、瓦を粉砕し、その破片をケイラに向かって全力で投げつける。

ケイラは反射的にマチェーテで瓦を防ぐが、
その行動が彼女の視界を一瞬遮り、その隙にケラプはケイラに迫る。

「ほら..来たぞ」
ケラプの声が近くで響く。

ケイラは一瞬驚くが、すぐにケラプの足元に注目し、
（その足でどうやって..あぁ、「プラズマクラッド」でアキレス腱を無理やり繋いでいるのね..）
と理解する。
右足には電気が纏っており、その傷を押し切ってまで攻めてきたことに、彼女は苦笑いを浮かべる。

一瞬のうちに構えから斬りかかろうとするが、
ケラプはその攻撃の初動を見極め、手首を掴んで抑える。
「なっ！？」
ケイラが驚きの声を上げる。

「腰だ..腰の回転運動にキネティック・サージを使用し、速度を上乗せしているんだな..確かに早いが、攻撃の契機がわかれば問題ない」
ケラプは冷静に説明し、右腕に力を加えてプラズマクラッドを発動する。

「うぐぅっ！？」
突然の電撃により、ケイラは左手に持つマチェーテを手放す。
金属音が響き渡る中、ケラプはケイラの左手首を掴んだままプラズマクラッドを左拳に込め、
叫びながら全力で振りかぶる。
耳を劈く衝撃音が響き、ケイラはケラプの拳を額で受け止めていた。

ケラプの拳は破壊され、ケイラはプラズマクラッドを頭に直接受けたため、意識を失う。
「あは....やるじゃ..ない..」
という彼女の最後の言葉が、静寂の中でこだまする。