2人

名も知らぬ素人

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2人で

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ある日、開店準備中の店に柄の悪い連中が、やって来た

手には金属バットや木刀などの凶器を持っていた

連中の中にユウイチがいるのが見えた

ユウイチはリョウを見つけると「コイツです」と他の連中に言った

ユウイチ「ずっと、探してたんだぜ」

リョウ「誰?」

ボクとユウイチの目が合った、トラウマが蘇り体が震えだす

ユウイチ「?、おい!お前!」

アキラ「ひ!」

リョウは、この隙を突き、ユウイチの腹に前蹴りを喰らわせた

リョウ「店長!」

店長「んー?」

リョウ「今日で、バイト辞めます!」

そう言って、リョウは、ボクの手を引き、別の出入り口から逃げた

後ろからは、さっきの連中が追って来る

リョウ「このままじゃ、逃げ切れない」

リョウ「ボクが囮になるから、何処か隠れてて」

そして、連中の死角に入った時、リョウと別れ、物陰に隠れた

連中の足音が、真横を通り過ぎるのが聞こえた

足音が止んだ

大丈夫と思い、移動しようとした時だった

「おい!」

振り向くとユウイチと数人が立っていた

ボクは怯えて動く事が出来なかった

ゆっくりとユウイチが、近づいて来て、目の前で止まった

ボクは尻餅をつく形で倒れてしまった

ユウイチが目線を合わせる形で、しゃがむ

ユウイチ「やっぱり!アキラだ。相変わらず、みっともねえ格好だなあ!、おい!」

アキラ「ひい!」

ユウイチ「・・・」

ユウイチは他の仲間に見張りを頼み、ボクにのしかかって来た

そして片手で、ボクの手を塞ぎ抵抗できなくし、反対の手でベルトをカチャカチャと緩め始めた

ボクは状況を悟った

アキラ「まさか!嘘!ヤッ!嫌!」

ユウイチ「ああん!?何嫌がってんだよ、あんなマネして、こうして欲しかったんだろ?!」

アキラ「違う!ヤダ!」

ユウイチ「マジで、女、犯してるみてえで、そそるわあ」

ボクは無我夢中で思いっきり足を振り上げた

ボクの足がユウイチの股間に直撃し、ユウイチは、もがいている

その隙にボクは逃げ出した

走っていると、正面から、ボロボロのリョウが歩いて来た

片腕を抑え、足を引きずっている

ボクは、リョウに肩を貸して一緒に逃げた

ボク達には、あそこに行くしか、もう逃げ道は残されていなかった

その店のドアを開ける

ミワ「いらっしゃい」

アキラ「助けてください」

ミワさんは、ボク達の様子から状況を察し

ミワ「奥に隠れてな」

それから遅れて、連中が、やって来た

ミワさんを脅す様に、ボク達の事を尋ねる

ミワ「そういえば、城山の坊やは元気かい」

その名前に連中の顔は、みるみる青ざめていき、逃げる様に帰って行った

アキラ「??」

ミワ「この世には、あんたらの“知らなくてもいい世界”ってのも、あるんだよ」

リョウも、少し傷が癒えたのか

リョウ「世話になった」

と店を出ようとした

ミワ「まちな、これ持って行きな」

そう言って、かなりの大金が入った封筒を出してきた

ミワ「後は、分かってるだろ」

リョウ「恩に、きるよ」

そう言って、封筒を持って店を出た

外は、丁度、朝日が昇り始めていた

リョウ「これから、兎に角、出来るだけ遠くに逃げる」

アキラ「じゃあ、取り敢えず荷物を」

リョウ「もう、あそこには戻れない」

リョウ「だから、その為のお金」

リョウ「後は、あっちで何とかしてくれる」

そして軽く背伸びをして

リョウ「取り敢えず、まずは、朝ごはんを」

そう言って、ボクたちは朝日に照らされながら、橋を渡った






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