四季物語 冬の山~ララとカイヤックブール~

ホーク・ハイ

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見守る者と見張る者

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帰ってきたララは、書斎のテーブルに腰掛け、書斎の住人に山の頂で起きたことを、身振り手振りを加えて話した。
コリンは、頭を押さえていた。まだスノー・テレポの後遺症が残っているみたいだ。
「ああ、頭痛いしフラつ―」
「コリンがね、変身しちゃって!」
ララは、興奮していた。
コリンは、自分の名前が出ると、ピンと背筋を伸ばし、胸を張った。だが、自分がどの場面で出てきたかはわかっていない。コリンはみんなを見た。みんな、またかよって目をしている。コリンは意味がわからず、顔を突き出しキョトンとした。
それからも、ララは意気揚々と話しを続けた。生れてはじめての冒険に、興奮しっぱなしだった。ララは、まるで一人芝居をするかのように、一人で何役もこなしている。ベラのときは威厳ありげに冷ややかな声で――みんな似ていると褒めてくれた――、ノーツのときは勇気ある幼い声で――みんな「ほほう」と感心していた――、幻ウサギのときはニヤニヤといやらしい声で――あいつはそういう奴なんだねと顔を見合わせた。みんな見たことはないが――、そしてカイヤックブールのときは、恨み辛みを背負った声で――急に話をしていたララは、とても悲しくなり、顔が暗くなって言葉を詰まらせた。
話を興奮して聞いていたゴーストブックと、悲鳴を上げながら聞いていたセチアがお互いの顔を見合わせた。
コリンはララの変化に気付くと、ララの前に立ち、ララの前でおどけてみせた。口でオナラをしたり、顔をくしゃくしゃにしたり、とりあえずララが笑いそうなことをした。ララは、まだ十歳。この旅の出来事を冷静に考えれば、十歳のララには過酷すぎた。コリンのおどけた行動は、感謝と労いの意味が込められていた。ララは、コリンの気遣いとあまりにも変な顔に思わず吹きだしてしまった――とくに、ナマズ顔は面白かった。
そして、カイヤックブールとの死闘と本当のカイヤックブールとグリアナンのことを熱弁した。
「――で、帰っていったの! ね、おじいちゃん」
ララが話しかけると、コリンは照れ臭そうにもじもじし始めた。
「結局、大事な部分は覚えてないみたいだけどね」ララが半ば呆れたように言う。
「スノー・テレポをするからだ……」
コリンは、さらに滅入った。
「でも、何でおじいちゃんってこと黙ってたの?」
「いや~、おじいちゃんがボギービーストに生まれ変わったなんて言ったら、ララが恥ずかしいかなと思って……」
「恥ずかしくなんかないわ!」
ララは嬉しそうに話す。
「自分のおじいちゃんが、妖精なんて誰も信じないわ!私以外はね」
ウインクしたララに、コリンは笑顔で返した。
「ねえ、ずっと聞きたかったことがあるんだけど……」
「何?」
「おじいちゃんは、何で日本に、北海道に来たの?」
「ああ、えっとね、〟コロポックル〟を探しに来たんだ」
「〟コロポックル〟?」
「ああ。オレはイギリスで〟妖精学〝を研究していて、日本にいる〟コロポックル〟の存在知り、日本に来たんだ。
「そうなんだ。で、いたの、〟コロポックル〟?」
「いや、まだ見つかってない……」
コリンは、とても残念そうにうつむいた。
「どんな格好してるの?」
「コロポックルは、小人の一種で、日本の先住民族と言われているんだ。浴衣みたいなものを着て、フキの葉の下によくいるみたいなんだけど……」
「そうなんだ。じゃあ、今度私も探すわ!」
「ありがとう。そのときは頼むよ。でも、そろそろお別れだ」
「そうね」
ララは、座っていたテーブルから飛び降りると、一つ大きな伸びをした。
「ああ、楽しかった!」
「またおいで。あと、二つお願いがあるんだけど……」
満面の笑みのララに、コリンが話し始めた。 
「オレのことは、コリンと呼んでほしい」
「何で?」
「恥ずかしいから……」
コリンは、本当に恥ずかしそうに言った。
「フフ、わかったわ」
「あともう一つ、おばあちゃんには今日あったことを話さないでくれ」
「何で!?」
「怒られるから……」
「わかったわ。今日あったことは話さない」
ララの言葉にコリンは安心したみたいだが、ララの言葉にはいろんな意味が込められていた。それを察したコリンが慌てて、テーブルの上で両手を組みひざまずいた。
「絶対だよ!」
「大丈夫よ!」
ララは笑いながら話した。
すると、夕陽の茜色が山に落ちるのと同時に部屋に射し込むのとともに、車のエンジン音が家に近づいてくるのが聞こえた。
「じゃあみんな、また遊びに来るね」
ゴーストブック、セチア、コリンに別れを言うと、書斎のドアに向かい、ドアノブをひねった。
みんな寂しそうな笑顔だった。セチアは、ララの後姿に、鉢に咲くポインセチアの花びらを一枚引き抜き、涙を拭いて鼻をかんだ。ゴーストブックたちは、自分に書いてある内容を心がけるようにずっと言っている。だが、ララはみんな一斉に話すので何を言っているのか分からず、愛想笑いを返した。そしてコリンは、笑顔で親指を立てていた。ララも満面の笑顔で親指を立てた。すると、横におかっぱの浴衣を着た小さな女の子が座っていた。ララは、すぐにその子が誰かわかった。
ドアが閉まるその瞬間、ララはコリンに話した。
「横の女の子と仲良くね!」
コリンは、ララの言葉に顔をしかめ、横を見た。横に女の子が座っている。コリンは、驚いて飛び跳ねたその拍子に、叫びながらテーブルから落ちた。
その光景を見届けて、ドアが静かに閉まった。
ララは、心の底からまた遊びに来ることを願った。

ベラは、怖い顔をして机に手をつき立っていた。
窓から射し込む夕陽が、ベラの背中を照らしてオレンジ色に模様替えしている。心地いいはずの光りの温かさも、今のベラの心境を変えれないのか、顔は一層険しくなっていくばかりだ。
タペストリーの光りはなくなり、古ぼけた書物となってテーブルに広げられていた。
「おお、ベラよ。帰ってたのか!」
ベラは、部屋のドアに目を移した。
「ああ、あなた――」ベラの声は、悲壮感が漂っていた。
「どうしたんだ!?」
部屋のドアから伸びる影は、細長く伸びていたが、ドアの影長さと人影の長さがアンバランスだった。ドアの陰に比べて、異様に人影が小さい。
「これを、見てください……」ベラは、タペストリーをドアに向けた。
「それは、〟虹の楽譜のタペストリー〝か……なんと!」
人影が、明らかに驚いたように動いた。
タペストリーには、〟謳う少女〝・〟奏でる少年〝と向き合って〟爪を立てている悪魔〝が描かれていた。タペストリーは、夕陽の光りを浴びて、少々明るく見える。
でも一番不思議なのは、それぞれが動いていることだ。〟謳う少女〝と〟奏でる少年〝は気持ちよさそうに謳い演奏していて、〟爪を立てている悪魔〝はその音が邪魔だと言わんばかり暴れている。
「なんと――三人が揃ったということか……」
人影は、ガクリと肩を落とした。
「でも、まだ時ではないみたい……。まわりの〟助け人〝が全員浮かび上がっていない……」
タペストリーの三人の周りには、まだ余白が多かった。王・女王・姫・インディアン・憎たらしいウサギが描かれているが、それでもまだ余白がある。浮かび上がった者たちも、それぞれ動いていた。
「でも……」
ベラは、タペストリーを閉じると、テーブルの上にそっと置き、窓を開け、冷たい空気を部屋に入れた。
心地よく冷たい風が、ベラの顔に吹き付ける。ベラは目を閉じて、気持ちよさそうに風に当たった。地上に広がる森は、木の緑と夕陽の茜色と雪の白さで神秘的な色になっていた。
ベラは、ゆっくりと目を開け、地平線に沈む友を見て話した。
「これから……戦争が始まる……」
地平線に沈む友も、悲しそうにベラには映った……。

ララは、夕食のときベッドから元気よく起き上がって両親の前に現れた。両親は、元気になったことを喜んだが、あまりにも元気過ぎて、顔が引きつっていた。
真咲は、ララに急に首に抱きぶら下がれて、腰を痛めた。腰をさすっている真咲を見て、ララとレジュリーは笑いをこらえきれず、真咲の気持ちを考えずに大笑いした。真咲は、意味もわからずに引きつり笑いをした。
「さあ、夕食にしましょ」
オルバが明るい声で三人を呼んだ。
ララは、嬉しそうにテーブルに着いた。

その夜、ララはとても不思議な夢を見た。
どこかのコンサートホールみたいなところを、上から見下ろしていた。まったく見覚えのない場所に、観客は超満員で座っていた。みんな、今かとざわざわしながら待っている。ララは、意味もわからずに、ちょっとした特等席に少し心躍らせた。
ステージの裾から、ララより一つ二つ年上そうな黒髪の少年が、大人の女性に連れられて登場した。少年が出てくると、超満員の観客が温かい拍手を送る。その拍手の量に、コンサートホールが少しばかり揺れた。
ララは観客席を見た。誰も知らないのに、一人一人の顔がはっきり見える。ララより小さい子は、今のところ見当たらない。みんな両親以上の年齢に見えた。
観客席の右端の真ん中の緑のドレスを着た女性は笑顔で拍手をしているが、隣の紳士な男性をチラチラ見ていた。その視線に、男性は気付いていない。左側の上段の席の男性は、弁当を食べるのに夢中になっている。横の人が、睨みつけて拍手をしている様がララのツボに入った。なぜそんなにはっきり見えるのかはララにもわからない。でも、はっきり見えた。男性は、まだ食べている。
少年に目を移すと、少年はヴァイオリンを持って歩いていた。
でも、どこか様子がおかしかった。少年の歩く足元がおぼつかない。女性も、少年に気を使って歩いている。よく見ると、少年は目を閉じていた。少年は、目が見えなかった。でも、ララはそのことに気付かずにいた。
少年は、オーケストラを背に立つと、女性に支えられ、観客に向かって笑顔で深々とお辞儀をした。拍手は、まだ止まなかった。男性の弁当を食べる手も止まらなかった。
少年が、凛々しくヴァイオリンを構えると、女性はステージ袖にはけて行き、拍手がスッと止まった。弁当を食べていた男性も目を見開いて手を休めた。女性は、隣の男性をずっと見ていたが、男性は少年を見ていた。
少年は、弓を弦に当てると、流れるように体を動かし、心地よい音色を奏で始めた。その顔は、真剣みがあり、でも優しく気持ちよさそうな顔だった。観客の体も徐々にゆっくりと横に動き出す。ララも少年の頭上でゆっくりと聞き入っていた。
気持ちよく音色を聞いていると、ララのまぶたがどんどん重くなってきた。音色が、まるでララに「眠りなさい」と言っているみたいに優しい。ララはゆっくりとうつ伏せに寝ころんだ。両手にあごをつけ、顔を左右にゆっくり振りながら、少年を見た。少年は、汗をほとばしらせ、力強くヴァイオリンを弾いている。その姿が勇ましく、荒々しくも見えた。
ララは、少年の奏でる音色を聞きながら目を閉じ、スヤスヤと眠りについた。

次の日の朝、ララたち家族はオルバの荷物を車に詰めていた。
「これで全部だね」
オルバは、腰を叩きながら車のトランクを閉めた。
「ママ、全部入った?」
「はいはい、入ったよ」
「じゃあ、乗って。ララ!行くわよ!」
レジュリーは、玄関にいるララと真咲に叫んだ。
「ララ、その人形は?」
真咲は、玄関のかぎを閉めていた。真咲がララに目を移すと、ララが見たこともない人形を持っている。
「これ? これはね、プースリっていうの」
「どっから持ってきたの?」
「おじいちゃんの書斎」
「ダメじゃないか! 勝手に持ってきたら」
「でも、おじいちゃんはいいって言ってたよ」
ララは、真咲を通り越して車に駆け寄った。
「おじいちゃんが?」真咲の顔が、青ざめていった。
「何、叫んでんの?」
「ああ、ママ。おじいちゃんが、あの人形をくれたんだって」
「そんなわけないでしょ」
「でもララが――」
「きっと、夢の中で会ったんでしょ」
レジュリーは、真咲を運転席に詰め込んだ。真咲は、天井に頭をぶつけそうになりながら、運転席に座り、シートベルトをつけた。
ララは、おじいちゃんの書斎の窓を見た。
窓のところに、ゴーストブックとセチアが手を振っているのが見えた――ゴーストブックは手ではなく体を閉じたり開いたりしていた。だが、コリンの姿が見えない。ララは首を伸ばして探したが、小さい影を見つけることができなかった。
「ララ、早く乗りなさい!」
「は~い……」
ララは、寂しそうに返事して車に乗り込んだ。

その様子を、木の上から見ている者たちがいた。
「あの子、なかなかやるね」
幻ウサギは、ニヤニヤ笑っていた。
「今回はたまたまだ……」
隣にいる黒い猫が、木の枝に寝ころびながら怖ろしい声で言った。
「あの人は動き出すのかい?」
「ああ、もうすぐだ」
「じゃあ、〟金色の伴奏者〝も現れてるんだ」
「ああ、役者はそろっている。もうすぐ始めるはずだ。だが、まだだ。まだあの小娘が〝七色の謳人〝かどうか――」
「楽しくなりそうだ。イヒヒヒ……」
幻ウサギの体が消え、残った目だけがぐるりとお互い反対方向にまわり消えた。
「ホントに話を聞かん奴だ」
黒い猫は、呆れながらララの乗っている車を見た。車は、エンジン音とともに走り出し、オルバの家を離れた。
「早く〟光りの詩〝を見つけなければ――」
黒い猫は起き上がると、ブラックホールのような影の中に吸い込まれ、どこかへ消えていった。

ララは、まったく変わることない景色の中を走る車の窓をのぞいた。窓の曇りを腕で拭きとると、真っ白な雪景色が広がっているだけだった。
と突然、ララは窓に顔を近づけた。そして、ララの顔が笑顔になった。
そこには、雪の精で造られたソリに乗るバブーシュカとコリンがいた。コリンは、楽しそうにソリに乗っているがバブーシュカは無表情だった。よく見ると、おかっぱの女の子も見えた。コリンは、女の子を指差して笑っている。ララは、その笑顔の意味をわかっていた。そして、その奥の方にベラが見えたり見えなかったり。ララは、両親にばれないように手を振った。
「どうしたんだい?」
「ううん……、何でもない」
オルバに笑顔で答えると、前を向いて座り直し、鼻歌を歌った。
「お、〟星に願いを〝か」
「パパ、この歌知っているの?」
「知ってるも何も、有名な歌だよ。な?」
真咲が運転しながらレジュリーに訊くと、レジュリーは大きくうなずいた。
「おばあちゃんも?」
「ええ、知ってますよ」オルバは、微笑みながら答えた。
「ねえ、歌って、歌って!」
「えぇ? ママ、覚えてる?」
「確かね……、


When you wish upon a star
Make no difference who you are
Anything your heart desires
Will come to you

If your heart is in your dream
No request is too extreme
When you wish upon a star
As dreamers do

Fate is kind
She brings to those who love
The sweet fulfillment of
Their secret longing

Like a bolt out of the blue
Fate steps in and sees you through
When you wish upon a star
Your dream comes true
(星に願いを懸けるとき
誰だって
心を込めて望むなら
きっと願いは叶うでしょう

心の底から夢みているのなら
夢追人がするように
星に願いを懸けるなら
叶わぬ願いなどないのです

愛し合うふたりの
密めたあこがれを
運命は優しく
満たしてくれます

星に願いを懸けるなら
運命は思いがけなくやって来て
いつも必ず
夢を叶えてくれるのです)」

レジュリーは、流暢な英語で歌った。日本語で話していたので、母親がイギリス人ということを、ララは忘れていた。でも……、
「いい歌だね」
「ママも好きな歌なんだ……」
「パパも好きなんだよ。でも、なんか今日気持ちいい朝だな……」
運転している真咲が、肩を回して言った。レジュリーもオルバも、どこか表情が明るかった。
「太陽が昇ったからじゃない?」
ララは、窓の外を見ながら、窓に息を吐き、悪戯書きをしている。窓に描かれたのは、人差し指を推して書かれた点の目のララとコリンだった。
「太陽が……?」
真咲が、車のフロントガラスから太陽をのぞきこんだ。
「ホントだ……。もしかして――」
「きっと、グリアナンが戻ってきたんだよ!」
レジュリーが答える前に、ララが答えた。嬉しそうに話すララの言葉に、三人は目を合わせて見つめあった。オルバは、窓に描かれた絵を見て驚き、真咲とレジュリーは運転中にも関わらず、二人は顔を見合わせた。
すると、車は反対車線を走るトラックに向かって走っていた。真咲は、とっさにハンドルを切って車線を変更し、大事故を回避した。ララが振り返ると、トラックが二回怒りの警告音を発して走り去って行くのが見えた。
ララたちは、大きく深い息を吐いた。

「パパ!危ないから前見てよ!」
ララは、怒りながらも顔は笑っていた。

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