好きな人がいまして

幸輝

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衝撃

お幸せに

「そんなラブラブな中、来てもらって、本当にありがとうございます。用件はそれだけだったんです」
 彼は泣き止んではいたものの、まだ目に涙がたまっていた。
「うん、本当にごめんな。でも、いつも通りこれからも絡んでくれよ? 彼女ができたなら、とか、変な気とか使うなよ?」
 彼は笑って一つコクりと頷く。
「それは、こっちのセリフですよ」
 おじさんは下品な笑い声をあげて、席を立った。
「んじゃ、俺は行くよ?」
 彼も同じく立ち上がって、またあの儚げな表情を見せる。
「……ヒロトさん……お幸せに……!」
 おじさんもその表情に一度言葉を詰まらせた。
「そんな顔すんなって! せっかくのイケメンが台無しだぞ?」
 彼に向かって、でこぴんをしてみせるおじさん。
「でも、幸せになるからな!」
 そう言い残して、カウンターの俺に「どうもでしたー」と声をかけて図書室を後にするのであった。
 嵐が過ぎ去ったかのように、急に静まり返る図書室。
 おじさんの言う通り、イケメンの彼の顔が台無しである。絶対におじさんには勿体ない容姿なのに、と、俺はおじさんを見送った後、彼を見た。
 彼はしばらくおじさんが出ていった扉をみていたが、急に気疲れが襲ってきたのか、ドンッ、と音を立てて席につくのであった。
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