魔王さまはサラリーマン!?

フワもち 

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第一章

召喚の儀

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「今から召喚の儀を始める」
そう重々しくつぶやいたのは、魔王のルイス9世だ。この魔王国は代々ルイス家が治めている。この僕で9代目だ。親父のルイス8世は勇者に倒された。歴代最強の親父がだ。そんなことからもわかる通り今魔族が住む魔王国は劣勢だ。だから、今邪神の召喚をしようとしている。魔王家に伝わる秘密の儀式でだ。この儀式は、2つのステップで構成されている。一つ目は魔法陣を書くことだ。これは簡単にできた。当然だろう。デスクワークだけなら歴代最強と言われた、この僕だぞ。二つ目は呪文を唱えることだ、これは行うのに長い時間がかかり、もう3日も寝てない。でも、これであとちょっとだ。そうやって思った矢先、魔法陣が強く光りだした。
「これで、われらの悲願が達成される!」
僕もそう思っていた。魔法陣の光が僕を包み込むまでは。
「魔王さまー!」
いつも僕を手伝ってくれていた重臣の必死そうな声を最後に、僕の頭はシャットダウンした。



「うーん、頭が痛い...って、ここはどこ?、え、さっきまで邪神召喚の儀をしてたよね!?」

「何の話だよ、もう朝からうるさいな...って、えーーーー!!なんでこんな可愛い女の子がここにいるの!?え、ここ僕のアパートの部屋だよね!?間違ってないよね?いやてか、邪神召喚の儀ってなに?その服も!もう意味が分からないよー!!」

(私がかわいいって言った!?こんな、魔族で落ちこぼれと言われた私が?そんなことはじめてかも!!でも、そんなことより、ここがどこか確認しないと!)

「ねえ、そこの君、ここってどこ?いま魔王歴何年?いや人間だから帝国歴何年?」

「さっきから何の話をしてるんですか~!?魔王歴?帝国歴?そんな知りませんよ!ここは西暦2018年の日本ですよ!!」

「ニホン?それってどこ?魔王国からどれぐらい遠いの?」

「魔王国ってどこですか!」

(もしかして、ここは私のいた世界と違うのかも。確認しないと!)

「もしかして、ジュリア帝国も魔王国も知らない?」

「そんなの知らないですよー!てか、君はだれ?」

「私は、ルイス・クロノ・レイルよ。あなたは?」

「名前長っ!ぼ、僕は黒崎隼人だけど....君はどこから来たの?」

「たぶん、異世界?」

これが私と隼人の初めての出会いだった。





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