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帰ってきたフレイム(正岡焔記憶喪失編)
①勝負の後には※
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週末はヒーローショー。正岡焔が変身したフレイムと、黒川甲斐が変身したブラックナイトが戦う。
最近はフレイムの力が強くなっていて、こちらが本気を出しても向こうが手加減していることが多い。フレイムのことは好きだけれど負けず嫌いな甲斐としてはそれが不満でもある。
戦いが終わったあとは二人で過ごすことが多い。
「……やっぱりお前最近手抜いてただろ」
「そんなことないって。勝った方の言うこと聞くって勝負だっただろ?張り切っただけだよ」
最近ちっとも本気にならない焔に業を煮やした甲斐が持ちかけた勝負だったが、あっさり負けてしまった。
「何してもらおうかな。迷っちゃうなあ」
なんて、楽しそうに言われると不安しかない。何を企んでいるんだろうか。
やはり勝負なんて持ちかけるべきではなかったのか。
「ひ、一つだけだからな」
「うーん、一つかあ」
させたいことが幾つあるんだろうか。
「じゃあ、お願いなんだけど……」
耳元で囁かれた言葉に悲鳴を上げかけるが、いや、冷静に考えればたぶんまだマシな方だ。これを否定してもっとえげつない願いを言われるよりとっとと約束を果たすべきだ。
「わかった」
仕方なく頷くと焔は楽しそうにベッドに座る。甲斐はその股間の前に跪いた。
てっきり焔が自分で脱いでくれるかと思ったのだが、ただニヤつきながら甲斐の様子を見ているばかりだ。ため息を吐いて、それからズボンの前を寛げる。
下着からペニスだけを取り出すと、もう勃起している。複雑な気持ちになりながら、恐る恐るそれに舌を這わす。
「ん……ふ、」
ぺろぺろとアイスキャンディを舐めるみたいにして硬いそれを刺激する。そうするとどんどん硬くなっていって、それが何だか楽しくなってきて、夢中で舐め回す。
甲斐の唾液がたっぷりと焔のそれを濡らして、直視するのが恥ずかしい。
「舐めるだけじゃなくて咥えてみて」
優しく髪を撫でながら囁かれると触れられてもいないのに自身に熱が集まるのがわかった。ゾクゾクして、ひどく興奮する。焔の言う通り、思い切ってペニスを口に頬張る。歯を立てないよう慎重に、焔にされた時を思い出しながら頭を動かして、口内からそれを出し入れする。
「んっ……んぐっ、……ふっ」
苦しいだけのはずなのに、勃起したそれが上顎をなぞるとくすぐったくて、ゾクゾクする。
いつもこれが尻穴を暴れ回っているのに、今は甲斐の方が優位な立場にある。口内のそれをどうするかは全て自分の思うままなのだから、優越感を抱く。とっとと終わらせたいと思っていたはずなのに。
ちらりと焔の顔を盗み見れば、気持ちいいのを堪えているみたいな様子で。これは俄然やる気が出てしまう。
「んっ、ふっ……んんっ」
そうして一生懸命奉仕しているとだんだん尻穴がむずむずしてたまらなくなってくる。もじもじしながらも奉仕を続けるが、焔にバレたらしい。それまで髪を撫でていた手が、甲斐の尻を撫でる。
「んぐぅっ」
驚いて口の中のものに歯を立てそうになるが、なんとか堪える。
「フェラしながら気持ちよくなっちゃったの?」
恥ずかしくて堪らないのに、熱に浮かされたみたいになりながら頷く。甲斐がちゃんと認めると、よくできましたとズボンの上から尻穴を撫でられた。
「んんんっ」
服の上から撫でられただけなのに、その先を期待して甘い声が漏れてしまう。
「甲斐、自分がどんな顔してるかわかってる?」
「わかんな……あっ、もうむりっ」
ついに耐えられなくなって口からペニスを吐き出して訴える。絶対ひどい顔をしているに決まっている。ぐにぐにと服の上からアナルを刺激されて、床に座り込んでしまう。
まだ俺イッてないんだけどなあと焔が呟くのが聞こえたが、こっちはそれどころじゃない。だいたいせっかく頑張って舐めていたのに邪魔をしてきたのは焔の方だ。
「舐めてるだけで欲しくなっちゃったんだね」
ズボンの中に手を突っ込まれて、直接尻を揉まれる。はしたない先走りがアナルまで垂れていて、入口をぐちゅぐちゅとなぞられる。
「……やっ、……んんっ」
撫でられるだけじゃ足りなくて、はやくそこを暴いて欲しい。指で、ペニスで、気持ちいい所を突いて欲しい。
もどかしくて堪らない。
「入れて、焔……」
強請ると服を引き剥がすように脱がされて、ベッドに放り出される。そのまま正常位で挿入された。
「あっ、あっ…………ほむ、らっ」
「甲斐、甲斐……」
いやらしい音を立てて簡単に入りこんでしまったペニスが甲斐の中を暴いていく。女にされているみたいで嫌でたまらなかったのに、今ではそれが満たされるのだから不思議だ。
「ほむら、すき……すきっ」
余裕なく突き上げられて、内臓が悲鳴を上げる。涙が溢れながら、それでも焔が好きと伝えるとキスされた。
「甲斐、愛してる……」
「あっ、おれも……あいしてるっ」
そうしてそのまま夜更けまでドロドロに溶け合った。
焔と両思いになって、満たされている。体を繋げるのも気持ちいいし、ただ愛を伝え合うだけでも幸福に胸がいっぱいになる。
フレイムを追いかけるだけでは得られない満足感がある。幸せだ。
だが、そうして幸せに思えば思うほど、不安に思う。
――もしも、『炎の戦士フレイム』のシナリオに戻ってしまったら?
物語は『炎の戦士フレイム』からは随分と外れてしまったのに、どうしてかその不安だけはまだ消えてくれなかった。
……そして、甲斐の不安は現実のものとなる。
最近はフレイムの力が強くなっていて、こちらが本気を出しても向こうが手加減していることが多い。フレイムのことは好きだけれど負けず嫌いな甲斐としてはそれが不満でもある。
戦いが終わったあとは二人で過ごすことが多い。
「……やっぱりお前最近手抜いてただろ」
「そんなことないって。勝った方の言うこと聞くって勝負だっただろ?張り切っただけだよ」
最近ちっとも本気にならない焔に業を煮やした甲斐が持ちかけた勝負だったが、あっさり負けてしまった。
「何してもらおうかな。迷っちゃうなあ」
なんて、楽しそうに言われると不安しかない。何を企んでいるんだろうか。
やはり勝負なんて持ちかけるべきではなかったのか。
「ひ、一つだけだからな」
「うーん、一つかあ」
させたいことが幾つあるんだろうか。
「じゃあ、お願いなんだけど……」
耳元で囁かれた言葉に悲鳴を上げかけるが、いや、冷静に考えればたぶんまだマシな方だ。これを否定してもっとえげつない願いを言われるよりとっとと約束を果たすべきだ。
「わかった」
仕方なく頷くと焔は楽しそうにベッドに座る。甲斐はその股間の前に跪いた。
てっきり焔が自分で脱いでくれるかと思ったのだが、ただニヤつきながら甲斐の様子を見ているばかりだ。ため息を吐いて、それからズボンの前を寛げる。
下着からペニスだけを取り出すと、もう勃起している。複雑な気持ちになりながら、恐る恐るそれに舌を這わす。
「ん……ふ、」
ぺろぺろとアイスキャンディを舐めるみたいにして硬いそれを刺激する。そうするとどんどん硬くなっていって、それが何だか楽しくなってきて、夢中で舐め回す。
甲斐の唾液がたっぷりと焔のそれを濡らして、直視するのが恥ずかしい。
「舐めるだけじゃなくて咥えてみて」
優しく髪を撫でながら囁かれると触れられてもいないのに自身に熱が集まるのがわかった。ゾクゾクして、ひどく興奮する。焔の言う通り、思い切ってペニスを口に頬張る。歯を立てないよう慎重に、焔にされた時を思い出しながら頭を動かして、口内からそれを出し入れする。
「んっ……んぐっ、……ふっ」
苦しいだけのはずなのに、勃起したそれが上顎をなぞるとくすぐったくて、ゾクゾクする。
いつもこれが尻穴を暴れ回っているのに、今は甲斐の方が優位な立場にある。口内のそれをどうするかは全て自分の思うままなのだから、優越感を抱く。とっとと終わらせたいと思っていたはずなのに。
ちらりと焔の顔を盗み見れば、気持ちいいのを堪えているみたいな様子で。これは俄然やる気が出てしまう。
「んっ、ふっ……んんっ」
そうして一生懸命奉仕しているとだんだん尻穴がむずむずしてたまらなくなってくる。もじもじしながらも奉仕を続けるが、焔にバレたらしい。それまで髪を撫でていた手が、甲斐の尻を撫でる。
「んぐぅっ」
驚いて口の中のものに歯を立てそうになるが、なんとか堪える。
「フェラしながら気持ちよくなっちゃったの?」
恥ずかしくて堪らないのに、熱に浮かされたみたいになりながら頷く。甲斐がちゃんと認めると、よくできましたとズボンの上から尻穴を撫でられた。
「んんんっ」
服の上から撫でられただけなのに、その先を期待して甘い声が漏れてしまう。
「甲斐、自分がどんな顔してるかわかってる?」
「わかんな……あっ、もうむりっ」
ついに耐えられなくなって口からペニスを吐き出して訴える。絶対ひどい顔をしているに決まっている。ぐにぐにと服の上からアナルを刺激されて、床に座り込んでしまう。
まだ俺イッてないんだけどなあと焔が呟くのが聞こえたが、こっちはそれどころじゃない。だいたいせっかく頑張って舐めていたのに邪魔をしてきたのは焔の方だ。
「舐めてるだけで欲しくなっちゃったんだね」
ズボンの中に手を突っ込まれて、直接尻を揉まれる。はしたない先走りがアナルまで垂れていて、入口をぐちゅぐちゅとなぞられる。
「……やっ、……んんっ」
撫でられるだけじゃ足りなくて、はやくそこを暴いて欲しい。指で、ペニスで、気持ちいい所を突いて欲しい。
もどかしくて堪らない。
「入れて、焔……」
強請ると服を引き剥がすように脱がされて、ベッドに放り出される。そのまま正常位で挿入された。
「あっ、あっ…………ほむ、らっ」
「甲斐、甲斐……」
いやらしい音を立てて簡単に入りこんでしまったペニスが甲斐の中を暴いていく。女にされているみたいで嫌でたまらなかったのに、今ではそれが満たされるのだから不思議だ。
「ほむら、すき……すきっ」
余裕なく突き上げられて、内臓が悲鳴を上げる。涙が溢れながら、それでも焔が好きと伝えるとキスされた。
「甲斐、愛してる……」
「あっ、おれも……あいしてるっ」
そうしてそのまま夜更けまでドロドロに溶け合った。
焔と両思いになって、満たされている。体を繋げるのも気持ちいいし、ただ愛を伝え合うだけでも幸福に胸がいっぱいになる。
フレイムを追いかけるだけでは得られない満足感がある。幸せだ。
だが、そうして幸せに思えば思うほど、不安に思う。
――もしも、『炎の戦士フレイム』のシナリオに戻ってしまったら?
物語は『炎の戦士フレイム』からは随分と外れてしまったのに、どうしてかその不安だけはまだ消えてくれなかった。
……そして、甲斐の不安は現実のものとなる。
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