12 / 13
姫・七
水音がする。
何か、熱くて重いものが身体に覆いかぶさっている。
下半身が重い。胸の辺りが、何やらぬるぬると……
「あッ? やッ、ああッ、あはあああッ!」
口から、掠れた叫び声が出た。いつから声を出していたのだろう。喉がカラカラだ。ぷちゅぷちゅと音をたてながら、乳首が執拗に舐め吸われ、節くれ立った指で弄ばれている。尻には、何かが埋め込まれているようだ。熱くて、硬い、何か。まさか、まさか。
「しずかタン! 起きた? おっきした?」
「んあああッ! は、あ、くぅ……うッ、あッ、やッ!」
王子が顔をあげた。その拍子に、下半身に衝撃がくる。ズクリと何かが体の奥を突き上げた。熱くて硬いソレは、最奥に届いたまま、大きな動きをしていないくせに矢鱈と快楽を送り込んでくる。
「はッ……締ま……ッ……う……」
「あッ、あッ、んんッ、んんんーーーーーーッ!!」
両手で口を塞ぎながら、ぴゅるぴゅると最奥で迸る熱い液体を受け入れた瞬間、自分もまた、射精感を得た。だが、何も出ていない。これがドライでイクという事だろうか。いや、そんな事よりも。
「ごめんねしずかタン、中出ししちゃった……。しずかタンの喘ぎ声聞いてその顔見たら、我慢できなくて……」
「え、ちょ、はあッ、あッ、あッ、待て、動くな! つうか抜け! 抜い……ああんッ! なんで大きく……あ、ああ、あああ、やあ!」
精を解き放ったばかりな筈の王子のちんこは、さっきよりも嵩を増し、ぐんと熱量を上げた。奥深くを捏ねるように蠢いただけだったソレは、ぎりぎりまで奥から遠ざかったと思うと、勢いをつけて、再び奥を穿った。どれだけ解されていたのか、既に痛みは無い。ただ、苦しい。快感が強すぎて、未知の感覚が怖くて、どうしようもない。
「はあ……好き、可愛い、愛らしい……」
奥を捏ねながら、王子は俺の足首を掴んだ。体がどうなっているのか自分でもわからない。二つに折りたたまれるようにして、尻を天井に向けて仰向けになっている、のか。
「……んッ」
土踏まずを、チロチロと舐められている。ピクピクと足が反応してしまう。くすぐったいだけの行為が、今は全て快楽に変わっていく。
「可愛い」
強い力で掴まれていて逃げられない。執拗な舌は、そのまま踵を這いずり回り、足の甲を通って、ぱくりと半分ほどの指を食まれた。締め付けが強くなったと王子が唸る。わざとそうしているわけではない。お前のせいだと言いたいが、口を開くと甘ったるい嬌声しか出てこない。
指の股を、柔らかな舌が蹂躙していく。ちゅうちゅうと吸われ、そんなところ汚いと息も絶え絶えに伝えると、王子は笑った。
「やめ……ホントに、もう、汚ぇから……」
「しずかタンは本当に可愛いね。足の指どころじゃなく、俺はもう、尻の穴の中まで舐めまわしてるよ?」
「…………は!?」
「意識のない時だから、憶えてないのも仕方ない。まあ、今から、もっともっとペロペロしてあげるから!」
「やああああああ!! 変態いいいい!!」
王子の腰の動きが速くなった。これでもかと追加されるローションのせいで、水音が激しい。最奥に迸りを感じると、それでもまだ王子は出て行かず、俺の顔を見てニっと笑うとすぐさま硬さと大きさを取り戻した。宣言通り、くるくるとひっくり返されてはねろねろと肌を舐められ吸われ、やっと抜いてくれたと思ったらそのままシャワー室に連れ込まれて精液を掻き出され、そのまま身体中をいやらしく洗われて、壁に手をついて足を開いたその真ん中に顔を突っ込まれて尻に舌を挿入られて、これでもかと舐めまくられ、完全に身体に力が入らなくなったら、今度はゆっくりと挿入されて、スローモーションのようなピストン運動で焦らしに焦らされて、イカせてくれと懇願してやっと奥の奥にズドンと突き入れられた瞬間には、俺は意識を手放していた。
「睡眠姦って、知ってるか? 知ってるよな」
喉が痛い。ガラガラ声は、自分のものではないみたいだ。俺は今、ベッドの上で、ふるふる震えながら横向きに寝ている。横向きになるのにも、やっとなのだ。
「はい……知ってます。男性向けでも女性向けでも、よく見ます」
ベッドの下では、王子が正座をしていた。いやらしい事なんて考えたこともありません、みたいな爽やかな顔をしているが、勃起したチンコが、腹にピッタリとくっ付いてしまっている。完勃ちだ。
「レイプだから! 寝ている間に、初めてを奪われてるって、あり得ないから! 両想いなのに!」
「いや、しずかタンを怯えさせたくなくて……」
「しずか!」
「……しずかを……怯えさせたくなかったんだ」
「怯えるって、何にだよ」
「だって、これ……」
王子が、自分のイチモツを指差した。びんびんだ。ガッチガチ。凶悪なソレに、ゴクリと喉が鳴る。今はあの快楽を知ってしまったし、痛みも思ったほどではなかったのを知っているが、挿入する前なら、どうだっただろう。この俺でも、怖気づいて泣いたりしたんじゃないだろうか。
「そりゃ……なんか、怖いって思ったかもしんねぇけど……でも……」
「怖がったとしても、俺は、しずかを逃がしてあげられないから。だから、寝ている内に、と思った」
「…………いや、なんかカッコいい事言ってるけどさ、本音は?」
「…………ベッドに全裸で転がしておいて尻とか眺めているうちに、ハァハァしてきて……我慢できませんでした」
「おおおおおおおい!! お姫様の騎士とかなんとか言ってた奴は、お前じゃなかったのかあああ!? いたたたッ!」
全力でツッコミを入れたら、筋肉が悲鳴をあげた。慌てたように立ち上がった王子が、枕元に駆け寄ってくる。立ち上がった王子の勃ち上がったナニがちょうど目の前にきて、セクハラを受けているとしか思えない。何か先走りが出ているけど。俺の枕にくっつきそうなんだけど。
「しずか…………」
王子は、心配そうな顔をして俺の顔を覗き込んで来る。ハァハァしている。何やら興奮している。なんなら、近付いてきた拍子に、チンコが俺の口元にくっついて、そのまま唇を意図的に割ってこようとしているのが明らかだ。
「ぷわああ! どさくさに紛れて、フェラさせようとしてくんのやめろ!」
「あ、ごめん」
爽やか。爽やかな笑顔。変態のくせに、顔がいいのって得だ。ふわっと許してやりそうになる。すっかり変態王子に絆されてしまった俺だ。
「…………記念だから、初めては、ちゃんと意識がある時にして欲しかった」
「…………」
「王子と……た、貴志と、初めて繋がるって記念だから……ちゃんと憶えておきたかったんだよ! 悪かったな! 乙女思考で!」
痛みを堪えながら、体の向きを変えた。王子に背を向け、赤くなった顔を隠す。すると、髪を優しくかきまわされた。
「しずか。ごめん。許してくれるか……?」
「…………」
「お前と両想いになれて、調子にのった。お前なら許してくれると思った、俺の甘えだな」
「…………」
「しずか、こっち向いて?」
涙目を晒すのは恥ずかしかったが、結局俺は、王子には弱い。くるりと向きを変えて、こちらを覗き込んで来る王子と目を合わせた。優しい、慈しむような顔で、微笑んでいた。
「……俺のこと、本当に、好きか?」
「好きだよ。キスしてもいい?」
「…………ん」
穏やかに問われ、目を閉じて唇を少し尖らせる。甘い雰囲気。これぞ、『初めて』の後の恋人同士だろう。チュっと音をたてて、軽く合わされた唇が離れていった。嬉しい気持ちで目を開けると、一旦離れた王子の顔が、再び近付いてくる。
「し・ず・か・タァァァアアアン!! んちゅッ、んちゅッ、可愛い! 可愛いよおお! もっともっとペロペロしてあげるからね!」
ガバリと抱きつかれてしまい、抵抗できずに激しい口付けを浴びる。何時の間にかベッドの中に滑り込んできた王子のチンコが、太股に擦り付けられていた。あいている手で俺の体を弄り始め、口付けは益々激しくなり…………
「もおおおおお! どんだけビジュアルを裏切るんだよ! 詐欺師いいいぃぃいい!!」
結局、昼過ぎまで、変態チックに体を貪られた俺だった。
(つづく)
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
処刑される悪役令息に転生したらなぜか推しの騎士団長がグイグイ近づいてくる
猫に小判
BL
交通事故で死んだはずの会社員・田中悠人は、気がつくとBL小説『恋と陰謀~はじまりは夜に~』の世界に転生していた。
しかも転生先は、原作で処刑される悪役令息エリオット。
当然そんな未来は回避したい。
原作知識を頼りに慎重に立ち回るつもりだったのに、気づけば王宮を揺るがす事件に巻き込まれていき――。
さらに困ったことに、原作で一番の推しだった騎士団長ガイウスがやたらと距離を詰めてきて……?
平穏に生きたい元悪役令息と、過保護な騎士団長がじれじれ距離を縮める話。
ガイウス(騎士団長)×エリオット(元悪役令息)
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい
マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。
最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡)
世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。
繋ぎの婚約を契約通り解消しようとしたら、王宮に溺愛軟禁されました
こたま
BL
エレンは子爵家のオメガ令息として産まれた。年上のアルファの王子殿下と年齢が釣り合うオメガ令息が少なく、他国との縁組も纏まらないため家格は低いが繋ぎとして一応婚約をしている。王子のことは兄のように慕っており、初恋の人ではあるけれど、契約終了時期か王子に想い人が現れた時には解消されるものと考えていた。ところが婚約解消時期の直前に王子宮に軟禁された。結婚を承諾するまでここから出さないと王子から溢れるほどの愛を与えられる。ハッピーエンドオメガバースBLです。
幽閉王子は最強皇子に包まれる
皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。
表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。
人気アイドルの俺、なぜかメンバー全員に好かれてます
七瀬
BL
デビュー4年目の人気アイドルグループ「ECLIPSE(エクリプス)」に所属する芹沢 美澄(せりざわみすみ)は、昔からどこか抜けていてマイペースな性格。
歌もダンスも決して一番ではないはずなのに、なぜかファンからもメンバーからも目を離されない存在だった。
世話焼きな幼なじみ、明るく距離の近い同い年、しっかり者で面倒見のいい年上、掴みどころのない自由人、そして無言で隣にいるリーダー——。
気づけば、美澄の周りにはいつも誰かがいて、当たり前のように甘やかされていく。