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第4話 四人目のメンバー⑹
しおりを挟むあまりにも勝手な野分の決めつけに、雷は思わずあっけにとられた。
何も知らない癖に、よくもこれだけ自信満々に言い放てるものだ。
俺がどれだけ他の連中と衝突してきたか、何も知らない癖に。と、雷は思った。
サッカーでもアメフトでもバスケでも、雷は一試合で誰よりも得点してきた。点を取れば勝つスポーツだから、だから点を取ればいいはずなのに、いつも最初は凄いと言われていても、そのうち周囲が文句を言い始める。協調性がない、自分勝手、一人だけ目立ちすぎ。
雷は納得いかなかった。自分は何も悪いことなどしていないはずだ。
もしも、チンタラ走っているチームメイトにパスを回すことの方が、点を入れるよりも重要なことだと言うなら、そんなスポーツ御免だと雷は思う。
確かにチームプレーも大事だと認める。だけど、チームプレーを振りかざして個人の実力を抑えつけるのは間違いだろう。でも、みんな雷に同じことを言うのだ。チームプレーを考えろ、と。
でも、野分は言った。野球に必要なのは闘争心、たとえ同じチーム内でも、誰にも負けたくないと思っていいのだ、と。
それが本当なら……
「……俺が、一人で点入れてもいいのか?」
「もちろん! ホームラン大歓迎だよ」
「……飛んできた球、全部、捕っちまってもいいのか?」
「もちろん! 捕れるもんならね」
「俺が一番速い球、投げてもいいのか?」
雷の問いに、野分はニッと不敵に笑った。
「やれるもんなら、やってみな」
それを聞いて、雷は胸の霧がさあっと晴れた気がした。
バスケ部を後にした時から感じていた理不尽に対する怒り、それが三人ぽっちで甲子園を目指すとかほざく大馬鹿のおかげで燃え盛る闘争心に変わっていくのを感じた。
「しょ、しょうがねぇなあ! おめぇらがあんまりヘタクソだからな! 俺が手伝ってやるよ! ただし、俺についてこれねぇ奴は置いていくからな!」
腰に手を当ててふんぞり返って高笑いをする雷の姿に、野分と他二人は「ツンデレ……」と心の中で呟いた。
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