第4王子は中途半端だから探偵することにした

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第7回活動報告:通貨危機を回避しろ

世論調査(その5)

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(5)世論調査 <続き>

俺がフォワードレートについて説明をした後、スミスが俺に質問した。

「フォワードレートが金利差によって影響ないのであれば、金利差が変動したらスポットレートが変動する、ということになりますよね?」

「うーん。長期的な為替レートの水準が変わらなければ、そうかもしれないね」と俺は言った。

「そうすると、いまジャービス・ドルの金利が4%になったら、スポットレートは1米ドル=127JDになりますよね?」

※JD(ジャービス・ドル)はジャービス王国の法定通貨です。1JD=1円としています。

「そうだね。米ドル金利が3%になっても、スポットレートは1米ドル=127JDになるね」

「米ドル金利は金融緩和前には5%を超えていましたから、いまの金利4%が特別高いわけでもありません。そうすると、今後ますますジャービス・ドルが安く(為替レートが上がる)なるかもしれないわけですね」

スミスの言いたいことは分かる。
米ドル金利が4%よりも高くなったら、ますますジャービス・ドルが安くなる。
ただ、これは金融緩和前の水準に戻るだけで、特に異常なことではない。

それに逆らってジャービス・ドルを高くすることに意味があるのだろうか?
俺にはその辺りが分からない。

「そう思うよ。だって、米ドル金利が金融緩和で1%になっていただけで、金融緩和が解除されれば元の金利水準に戻る。米ドル金利が低くなったからジャービス・ドルの価値が高く(為替レートが下がる)なったけど、それが元に戻るだけ」

「そうですよね。部長は、ジャービス・ドルは安い方がいいと思っていますか?それとも高い方がいいと思っていますか?」とスミスが俺に質問した。

「俺? どっちでもいいよ。ジャービス・ドルが安かったら(為替レートが上がる)輸出が増えるし、外国企業のジャービス国内への投資も増える。世界中からジャービス王国にお金が集まってくれば、自然にジャービス・ドルは高く(為替レートが下がる)なる。だから、一種の景気循環なだけで、何も問題ないと思ってる」

「はあ。そう言われればそうですけど・・・」スミスは歯切れが悪そうだ。

「ジャービス王国が長期的にジャービス・ドルの価値を高く(為替レートが下がる)しようと思ったら、ジャービス王国の経済成長率を上げないといけない。為替介入や金利操作で短期的に為替レートを操作することはできると思うけど本質的な問題じゃない」

俺はそういうと内部調査部のメンバーを見た。俺の言うことを何となく理解しているような気がする。

「いまのジャービス王国の経済環境では、米ドルの10年間のフォワードレート(為替予約レート)は127JD/米ドルだ。これは米ドル金利が今よりも低かった1年前と同じ水準。ジャービス王国と米国の経済環境がこのまま同じだったとすると、ジャービス・ドルと米ドルの金利差で為替レート(スポットレート)が決まるよね?」と俺はメンバーに言った。

俺が見るとメンバーは頷いている。

「現在の経済環境におけるフォワードレートの適正値が125JD/米ドル~130JD/米ドルとしよう。ジャービス・ドルと米ドルの金利差が変動すると、為替レート(スポットレート)はこんな感じで変化するはずだ」

俺はそう言って、事前に計算したグラフ(図表7-11)を見せた。


【図表7-11:金利差によって予想される為替レート】
 


※上記の金利差は米ドル金利を4%に固定したうえで、ジャービス・ドル金利を変化させて計算しています。


俺はグラフをメンバーに見せながら話を続ける。

「金利差が―3%、すなわちジャービス・ドル金利が1%になると1米ドル=170JDになる。金利差が+6%、ジャービス・ドル金利が10%になると1米ドル=70JDだ」

俺がそう言うと、ルイーズとロイは「いつ海外旅行に行けばいいかな?」と言っている。

この2人にとっては、国家の危機よりも海外旅行の方が大事なのだろう・・・。

<続く>
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