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第1部 世界移動の原因の解明
第1話 異世界移動の謎
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ナムレナ魔術学校という名のついた学校に一人の男が門をくぐる。白髪赤眼の男は教師でも生徒ですらなかった。魔術国ナムレナの半分の面積はこの魔術学校だ。この国の初代国王は学びこそ国民に重要だと言ってこれほどの面積を使って学校を作ったが魔術の研究をするのであればむしろ足りないくらいだ。男は校舎に入ろうと中庭を歩くと、使用人と思われる女性が何やら足元を見つつ立ち尽くしていた。何かあるのかと男は近づくがその男もその場で立ち尽くす事になる。そこには一人の少年が倒れていた。
男: なんで、お前が今になってここに来るんだよ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
少年: ひたすらに綱渡りを続けてきた。いや、これはむしろ綱というより糸だ。細い細い糸をたどってもうどれくらいの時間がたったかわからない。だが、その旅もやっと終わる。ついに向こう岸にたどり着いた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
少年は瞼を開け、違和感に気づく。少年は石で舗装された道の上に寝そべっていた。おかしい。自分はベットの上にいたはずだが。
そして少年は自分を見下ろす男に気づく。白髪赤眼の男。年は二十代くらいだろうか。黒いコートに身を包んでいた。
男: お前、名前は十六夜弥勒(いざよいみろく)であっているか。
ミロク: なんで俺の名前を知って....というかここ何処だよ!?
男: ここはナムレナ魔術学校。そしてここは魔術がある世界。話したぞ。じゃあ俺が聞く番だな。お前ここに来るまでの記憶はあるか?
理解が追い付かない間にどんどん質問してくる男に困惑するミロク。とりあえず男の言う通りに思い返してみる。
ミロク: うーん。正直何事もなく寝て起きたらここにいたんだけど
男: じゃあお前は高校二年生か?その日は二学期の中間テストの日前日だったか?
男の問いは当たりだった。ミロクは丁度その日ある程度勉強を済ませて寝た。
ミロク: なんでそこまでわかってて質問するんだよ!お前なんなんだよ!
男: ふむ、日付もおそらく同じ。だがそこまで覚えているとなるとお前は相当異常だな。とりあえず名を名乗ろう。俺の名前はミナトだ。よろしくな。
ーーーーーーーーーーーーーーー
言われるがままに男についていくミロク。ここは学校だと言う割には相当広い。ミロクが倒れていたのは中庭だった。いくつもの校舎があるために中庭を通る事は珍しくなく、ミロクを見つけてくれたのも学校の使用人だったそうだ。
そして居住棟に連れていかれていった。いくつもの部屋があるが一番奥の部屋をミナトは開ける。だが一番奥の部屋だけ他の部屋とはドアの色が違っていた。中に入ると最低限人が住めるくらいには部屋の家具や設備が整った部屋に見えたが一つ異質な物が横たわっていた。
ミロク: 棺桶?
ミナト: それについては気にしなくていい。それより色々と話すことがあるからな。
とりあえずイスに座る二人。人一人入るくらいの大きさの黒い棺桶も気になったがそれよりも聞きたい事がミロクにはあった。
ミロク: お前なんで日本語知ってるんだ。明らかに日本人って顔じゃないだろう。それに名前も日本人ぽいし。
ミナト: 日本には行った事があってな。この名前ももちろん日本語を話せる奴につけてもらったものだ
ミロク: じゃあこの世界にも日本はあるのか?
ミナト: いいやない。単純に俺はお前の元いた世界に行った事があるってだけだ。
ミロク: 世界間の移動?なら俺を元の世界に戻してくれよ。魔術とかすごい気になるワード出てきたけど流石に急に俺がいなくなったら家族が心配するし。母親が失踪して大変なんだよこっちは。妹も引きこもりだし、父さんは母さんが居なくなってからあんまし笑わなくなったし。俺が少しでも支えてやんねーと。
ミナト: それは無理だ。お前がこっちに来るまで5年ほど経ってる。今戻ってもお前の帰る場所はもうないぞ。
ミロク: は!?...そ、そんな。5年だと!?
ミナト: お前も薄っすらと覚えてはいるんじゃないのか?何か細い糸を渡ってきた覚えはないか?あれば世界を繋ぐ糸だ。お前はどうやらなんらかの理由で魂だけ体から抜けて糸を渡ってきたらしいな。波が激しいあの魔力の海をよくもまあ渡ってきたもんだよ。だが問題なのはどうして魂が体から抜けたかだ。単純に体が死亡したのか誰かに召喚されたのかまるでわからなくてな。ずっと疑問に思っていたんだよ。そもそもあの海を渡ってまるで魂にキズが見当たらないお前は相当異常だ。
ミロク: 確かに微かに何かを渡ってきたような気はするが渡りきるまでに5年も経っていたなんて。あと魂が抜けた事に関しては全く見当がつかないぞ。あと俺の体はどうなったんだ?
ミナト: お前の体はもう既に火葬された後だ。今更戻ったところで蘇った化け物だと怖がられるだけだ。だからもうお前はここにいるしかないんだよ。
ミロク: そんな。家族はどうなった。
ミナト: 一応お前の母親は帰ってきたしまあ大丈夫だろうきっと。それよりこの世界で生きる事について話させてもらおうか。
失踪したはずの母親が帰ってきたのには驚いたが少しだけ安心したミロク。母親はとてもしっかりとした女性で自分がいなくても家族を支えてくれるだろうという自信はあった。だが一つきになる事がミロクにはあった。
ミロク: お前、なんでそこまで俺たち家族の事を知っている?
ミナト: 詳しくは話せない。一人トラウマをほじくり返されたくない奴がいてな。そいつのためにも悪いが話せない。そしてそいつの為にもお前にはまず顔と声、そして名前を変えさせてもらう。
何かを言う前にミロクの顔をミナトががっしりと掴む。顔と喉に激しい変化が起こっているのがわかりとても気持ちが悪い状態が続いたが不思議と痛みはなかった。しばらくすると鏡を何処からかミナトが取り出し見せる。そこにあったのは完全に別人の自分だった。
ミナト: お前の名はロロだ。以後そう名乗るといい。お前がこちら側の世界に来た原因について少しは手助けしてやるよ。
ーーーーーーーーーーーーーーー
キャラステータス
ロロ 性別男性
肉体C魔力S魔術C
属性水・幻術・風
詳細
原因不明の世界間移動をした少年。珍しい基本属性の水と風の複数持ち。世界を移動する際魂は魔力の海の波に飲まれ魔力の一部として海に溶けてしまわぬよう魂に残された魔力を使い膜を張るが、膜を維持する為、魔力の海から魔力を吸い上げ魂の質を上げる。魂の質が上がれば魔力を周りから吸い上げる力が上がり、魔力を貯めておける量も多くなり、膜の維持をよりよくなるが、魔力の海の波は強く、大抵の魂は向こう岸にたどり着くまでに魔力の海に流され溶けてしまう。5年もの長い間魔力の海を渡り続けた例はなく、それだけの期間魂の質を上げていたのであれば魂に内包する魔力量は桁違いになる。しかし肝心の魔術の才能がまるでない為持て余している。
ミナト
肉体A魔力A魔術C固有魔法A
属性土・生存・増殖
詳細
ロロに魔術の世界について教える男。自身の生きることに特化させた固有魔法は改良・研究を続けているが未だに完成形には至っていない。
男: なんで、お前が今になってここに来るんだよ。
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少年: ひたすらに綱渡りを続けてきた。いや、これはむしろ綱というより糸だ。細い細い糸をたどってもうどれくらいの時間がたったかわからない。だが、その旅もやっと終わる。ついに向こう岸にたどり着いた。
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少年は瞼を開け、違和感に気づく。少年は石で舗装された道の上に寝そべっていた。おかしい。自分はベットの上にいたはずだが。
そして少年は自分を見下ろす男に気づく。白髪赤眼の男。年は二十代くらいだろうか。黒いコートに身を包んでいた。
男: お前、名前は十六夜弥勒(いざよいみろく)であっているか。
ミロク: なんで俺の名前を知って....というかここ何処だよ!?
男: ここはナムレナ魔術学校。そしてここは魔術がある世界。話したぞ。じゃあ俺が聞く番だな。お前ここに来るまでの記憶はあるか?
理解が追い付かない間にどんどん質問してくる男に困惑するミロク。とりあえず男の言う通りに思い返してみる。
ミロク: うーん。正直何事もなく寝て起きたらここにいたんだけど
男: じゃあお前は高校二年生か?その日は二学期の中間テストの日前日だったか?
男の問いは当たりだった。ミロクは丁度その日ある程度勉強を済ませて寝た。
ミロク: なんでそこまでわかってて質問するんだよ!お前なんなんだよ!
男: ふむ、日付もおそらく同じ。だがそこまで覚えているとなるとお前は相当異常だな。とりあえず名を名乗ろう。俺の名前はミナトだ。よろしくな。
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言われるがままに男についていくミロク。ここは学校だと言う割には相当広い。ミロクが倒れていたのは中庭だった。いくつもの校舎があるために中庭を通る事は珍しくなく、ミロクを見つけてくれたのも学校の使用人だったそうだ。
そして居住棟に連れていかれていった。いくつもの部屋があるが一番奥の部屋をミナトは開ける。だが一番奥の部屋だけ他の部屋とはドアの色が違っていた。中に入ると最低限人が住めるくらいには部屋の家具や設備が整った部屋に見えたが一つ異質な物が横たわっていた。
ミロク: 棺桶?
ミナト: それについては気にしなくていい。それより色々と話すことがあるからな。
とりあえずイスに座る二人。人一人入るくらいの大きさの黒い棺桶も気になったがそれよりも聞きたい事がミロクにはあった。
ミロク: お前なんで日本語知ってるんだ。明らかに日本人って顔じゃないだろう。それに名前も日本人ぽいし。
ミナト: 日本には行った事があってな。この名前ももちろん日本語を話せる奴につけてもらったものだ
ミロク: じゃあこの世界にも日本はあるのか?
ミナト: いいやない。単純に俺はお前の元いた世界に行った事があるってだけだ。
ミロク: 世界間の移動?なら俺を元の世界に戻してくれよ。魔術とかすごい気になるワード出てきたけど流石に急に俺がいなくなったら家族が心配するし。母親が失踪して大変なんだよこっちは。妹も引きこもりだし、父さんは母さんが居なくなってからあんまし笑わなくなったし。俺が少しでも支えてやんねーと。
ミナト: それは無理だ。お前がこっちに来るまで5年ほど経ってる。今戻ってもお前の帰る場所はもうないぞ。
ミロク: は!?...そ、そんな。5年だと!?
ミナト: お前も薄っすらと覚えてはいるんじゃないのか?何か細い糸を渡ってきた覚えはないか?あれば世界を繋ぐ糸だ。お前はどうやらなんらかの理由で魂だけ体から抜けて糸を渡ってきたらしいな。波が激しいあの魔力の海をよくもまあ渡ってきたもんだよ。だが問題なのはどうして魂が体から抜けたかだ。単純に体が死亡したのか誰かに召喚されたのかまるでわからなくてな。ずっと疑問に思っていたんだよ。そもそもあの海を渡ってまるで魂にキズが見当たらないお前は相当異常だ。
ミロク: 確かに微かに何かを渡ってきたような気はするが渡りきるまでに5年も経っていたなんて。あと魂が抜けた事に関しては全く見当がつかないぞ。あと俺の体はどうなったんだ?
ミナト: お前の体はもう既に火葬された後だ。今更戻ったところで蘇った化け物だと怖がられるだけだ。だからもうお前はここにいるしかないんだよ。
ミロク: そんな。家族はどうなった。
ミナト: 一応お前の母親は帰ってきたしまあ大丈夫だろうきっと。それよりこの世界で生きる事について話させてもらおうか。
失踪したはずの母親が帰ってきたのには驚いたが少しだけ安心したミロク。母親はとてもしっかりとした女性で自分がいなくても家族を支えてくれるだろうという自信はあった。だが一つきになる事がミロクにはあった。
ミロク: お前、なんでそこまで俺たち家族の事を知っている?
ミナト: 詳しくは話せない。一人トラウマをほじくり返されたくない奴がいてな。そいつのためにも悪いが話せない。そしてそいつの為にもお前にはまず顔と声、そして名前を変えさせてもらう。
何かを言う前にミロクの顔をミナトががっしりと掴む。顔と喉に激しい変化が起こっているのがわかりとても気持ちが悪い状態が続いたが不思議と痛みはなかった。しばらくすると鏡を何処からかミナトが取り出し見せる。そこにあったのは完全に別人の自分だった。
ミナト: お前の名はロロだ。以後そう名乗るといい。お前がこちら側の世界に来た原因について少しは手助けしてやるよ。
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キャラステータス
ロロ 性別男性
肉体C魔力S魔術C
属性水・幻術・風
詳細
原因不明の世界間移動をした少年。珍しい基本属性の水と風の複数持ち。世界を移動する際魂は魔力の海の波に飲まれ魔力の一部として海に溶けてしまわぬよう魂に残された魔力を使い膜を張るが、膜を維持する為、魔力の海から魔力を吸い上げ魂の質を上げる。魂の質が上がれば魔力を周りから吸い上げる力が上がり、魔力を貯めておける量も多くなり、膜の維持をよりよくなるが、魔力の海の波は強く、大抵の魂は向こう岸にたどり着くまでに魔力の海に流され溶けてしまう。5年もの長い間魔力の海を渡り続けた例はなく、それだけの期間魂の質を上げていたのであれば魂に内包する魔力量は桁違いになる。しかし肝心の魔術の才能がまるでない為持て余している。
ミナト
肉体A魔力A魔術C固有魔法A
属性土・生存・増殖
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ロロに魔術の世界について教える男。自身の生きることに特化させた固有魔法は改良・研究を続けているが未だに完成形には至っていない。
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