諦めた子供のたった一度の大ゲンカ

自由心

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愛しい???な話

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(ネズ―目線)

手を伸ばしわらわを求める家族のユキ
赤い目を見開き焦点が定まらず混乱している


ユキ…ユキ…
あぁ……
何故わらわに力がないのじゃ…
何故わらわは何も出来ないのじゃ…
何故いつも逃げなくてはいけないのじゃ…


何故何故何故何故何故何故何故何故
…何故家族すら守れないのじゃ…

ズズ…ズズ…

這いつくばりながらかすかに感じる
光を求め動いていると
ポスンと冷たい何かにぶつかった

僕も守ると飛び出したコッコ達なのか?
こんな…幼子になんと酷い
切り刻まれたコッコ達を抱きしめ
壁に背を預け周りを見渡した
優しく勇敢なオオカミ
斜に構えているが
誰よりも家族を大切にするクマ
賢く家族の為に動いてくれていたコウモリ
外にいる友たちは大丈夫かの…
すまぬ…わらわは神獣だというのに
なにも力がないのじゃ…

皆 すまぬ…
ユキ…
ぐるぅ…
オオカミとクマが這いずってわらわの元に
ぐおん
二人が声を上げた
神殿の空気が変わってる?
ふと
体が動く事に気が付いた
傷が治ってるわけではないが
気付けばわらわは走り出した

オオカミが一人を抑え
クマが一人を吹き飛ばし
道が出来きユキに手を伸ばした
「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ああ゛あ゛あ゛あ゛゛」
皆…


ユ…キ…

愛し…い…我が………子
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