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私が貯金をしたいと思ったきっかけ
住宅ローンを長期で組むのは損? 利息は極力払いたくないと言い切る夫の論理と低金利時代の矛盾
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そろそろ結婚したいなぁと思っていた20代後半の頃。
オタクな私と「結婚を前提に交際したい」という奇特な男が現れた。
「好きなタイプは白石麻衣」と言っていたので、かなり激しく乱視なのか、許容範囲が恐ろしく広いのか、妄言を吐くタイプなのか、間違いなくそのどれもだろう。
私はその人と結婚した。
結婚した夫は私に言った。
「オレ、お金の管理苦手だからヨロシク!」
大丈夫、私、得意よって思った。
「ついでに、できれば住宅ローンは極力組みたくないから、貯金頑張ろうね!」
そう言われた。
夫の論理はこうだ。
例えばである。
3000万円、35年返済、固定金利1.7%で住宅ローンを組んだとしたら(ちなみに2023年8月現在、全期間固定のフラット35の金利は1.72%である)
毎月の返済額は9万4821円、利息は982万円。
つまり3000万円借りると、総支払額は3982万円になる。
だけどさ、今までずっと低金利時代だったのよ。
だから、近所のお金持ちのママ友は数年前にこう言ったのだ。
「今は金利よりも住宅ローン控除のパーセンテージのほうが上だから、キャッシュで住宅を購入できるくらいの貯金はあるけど、あえて安い変動金利でお金を借りて控除を受けたほうがお得! もし金利が上昇したら、そのときは貯金で一括繰り上げ返済する予定」
そう言い切った。
例えば中古住宅を購入したとしても10年は控除がある(諸条件で異なるが)
仮に変動金利0.475%(本人の年収が高く、ネット銀行とかを利用すればもっと安くもできますが)、住宅ローン控除0.7%なら、控除のある10年間は借りて、11年目に一括返済しちゃえば、お金を借りてるほうがお得というミラクル!
これは金銭にゆとりがある人ならではの得する技であり、考えだろう。
この夏、8月1日に大手銀行5社の10年固定金利が上がり、来年以降、変動金利も上がる可能性があるかもというニュースがあった。
そのとき「今は金利が低いから」と長いスパンで変動金利で借りてしまった貯金が少なめの人は返済に苦労する時代が来るかもしれない? というコラムを読んだが、これからどうなるのか、正確には神様しか分からない。
今は約8割の人が変動金利にしていると言われている。
特に20代・30代の若年層カップルは圧倒的に変動金利を選んだ人が多い。
この変動金利は上がる可能性があるので、仮に変動金利が仮に10年後、20年後、1%ずつ上がると仮定すると
当初10年の金利が0.475%、11~20年1.475%、20~35年2.475%の場合の計算で、総支払額は671万円となる。
もしこのくらいの金利、あるいはそれ以下で変動金利が推移してくれるのであれば、固定金利よりも変動金利のほうがお得そうだが、金利がどうなるのか分からない。
「80歳くらいまで住宅ローンを組めるから、死んだらチャラになる保険に入っておいて、それより先に死んだら得じゃん!」って考えで、あえて長いスパンで借りて、ゆっくり返す人もいる。
考え方は人それぞれだ。
「利息払うの超もったいねーからできる限り貯金してから家は買いたい!」
夫はそう言ったのだ。
この夫の「利息の支払いもったいない」論理は、古今東西いろんなお金持ちになった人の本に書いていることそのものだ。
将来的に富裕層になれる人の多くが、住宅は現金一括購入か、借入額は住宅購入金額の約3割程度の低い状態に抑えている人が大半という統計を見たことがある(※その一方で、不動産投資家の方のフルローンで賃貸併用住宅を購入という本もいくつか読んだことがある)。
だから、夫の論理自体は理解できる。
だけどだよ!
そんなふうに言うから「さぞかしコイツ貯金してるんだろうなぁ」と思ったら「壊れかけの山小屋くらいしか買えねーじゃん!」ってくらいの微々たる貯金額でびっくらこいた。
ついでだからSUUMOとアットホームで、当時の貯金額でキャッシュで買える物件を検索してみたら、一応あった。
徒歩58分、再建築不可、築120年の情緒あふれる古民家ってのが出てきた。
「古民家ってカッコよく書くなー! ただのボロ家だよっ!」
「58分って歩く距離じゃねー!!」
「再建築不可ってリフォームすんのにいくら金かかるんだよー!!!」
そう心の中で突っ込んでみた。
切実に売主様は固定資産税を払うのがイヤで処分したいからこの値段なんだろうと思った(売主様スミマセン)。
ひとまずSUUMOを見て思ったことは「ローンを極力組みたくない」と石頭夫の気持ちを汲んで忠実に遂行するのであれば、当分の間、我が家に住宅を購入できそうな見通しは全くない、ということだった。
とりあえず貯金だ! 貯金だ! 貯金だー!
オタクな私と「結婚を前提に交際したい」という奇特な男が現れた。
「好きなタイプは白石麻衣」と言っていたので、かなり激しく乱視なのか、許容範囲が恐ろしく広いのか、妄言を吐くタイプなのか、間違いなくそのどれもだろう。
私はその人と結婚した。
結婚した夫は私に言った。
「オレ、お金の管理苦手だからヨロシク!」
大丈夫、私、得意よって思った。
「ついでに、できれば住宅ローンは極力組みたくないから、貯金頑張ろうね!」
そう言われた。
夫の論理はこうだ。
例えばである。
3000万円、35年返済、固定金利1.7%で住宅ローンを組んだとしたら(ちなみに2023年8月現在、全期間固定のフラット35の金利は1.72%である)
毎月の返済額は9万4821円、利息は982万円。
つまり3000万円借りると、総支払額は3982万円になる。
だけどさ、今までずっと低金利時代だったのよ。
だから、近所のお金持ちのママ友は数年前にこう言ったのだ。
「今は金利よりも住宅ローン控除のパーセンテージのほうが上だから、キャッシュで住宅を購入できるくらいの貯金はあるけど、あえて安い変動金利でお金を借りて控除を受けたほうがお得! もし金利が上昇したら、そのときは貯金で一括繰り上げ返済する予定」
そう言い切った。
例えば中古住宅を購入したとしても10年は控除がある(諸条件で異なるが)
仮に変動金利0.475%(本人の年収が高く、ネット銀行とかを利用すればもっと安くもできますが)、住宅ローン控除0.7%なら、控除のある10年間は借りて、11年目に一括返済しちゃえば、お金を借りてるほうがお得というミラクル!
これは金銭にゆとりがある人ならではの得する技であり、考えだろう。
この夏、8月1日に大手銀行5社の10年固定金利が上がり、来年以降、変動金利も上がる可能性があるかもというニュースがあった。
そのとき「今は金利が低いから」と長いスパンで変動金利で借りてしまった貯金が少なめの人は返済に苦労する時代が来るかもしれない? というコラムを読んだが、これからどうなるのか、正確には神様しか分からない。
今は約8割の人が変動金利にしていると言われている。
特に20代・30代の若年層カップルは圧倒的に変動金利を選んだ人が多い。
この変動金利は上がる可能性があるので、仮に変動金利が仮に10年後、20年後、1%ずつ上がると仮定すると
当初10年の金利が0.475%、11~20年1.475%、20~35年2.475%の場合の計算で、総支払額は671万円となる。
もしこのくらいの金利、あるいはそれ以下で変動金利が推移してくれるのであれば、固定金利よりも変動金利のほうがお得そうだが、金利がどうなるのか分からない。
「80歳くらいまで住宅ローンを組めるから、死んだらチャラになる保険に入っておいて、それより先に死んだら得じゃん!」って考えで、あえて長いスパンで借りて、ゆっくり返す人もいる。
考え方は人それぞれだ。
「利息払うの超もったいねーからできる限り貯金してから家は買いたい!」
夫はそう言ったのだ。
この夫の「利息の支払いもったいない」論理は、古今東西いろんなお金持ちになった人の本に書いていることそのものだ。
将来的に富裕層になれる人の多くが、住宅は現金一括購入か、借入額は住宅購入金額の約3割程度の低い状態に抑えている人が大半という統計を見たことがある(※その一方で、不動産投資家の方のフルローンで賃貸併用住宅を購入という本もいくつか読んだことがある)。
だから、夫の論理自体は理解できる。
だけどだよ!
そんなふうに言うから「さぞかしコイツ貯金してるんだろうなぁ」と思ったら「壊れかけの山小屋くらいしか買えねーじゃん!」ってくらいの微々たる貯金額でびっくらこいた。
ついでだからSUUMOとアットホームで、当時の貯金額でキャッシュで買える物件を検索してみたら、一応あった。
徒歩58分、再建築不可、築120年の情緒あふれる古民家ってのが出てきた。
「古民家ってカッコよく書くなー! ただのボロ家だよっ!」
「58分って歩く距離じゃねー!!」
「再建築不可ってリフォームすんのにいくら金かかるんだよー!!!」
そう心の中で突っ込んでみた。
切実に売主様は固定資産税を払うのがイヤで処分したいからこの値段なんだろうと思った(売主様スミマセン)。
ひとまずSUUMOを見て思ったことは「ローンを極力組みたくない」と石頭夫の気持ちを汲んで忠実に遂行するのであれば、当分の間、我が家に住宅を購入できそうな見通しは全くない、ということだった。
とりあえず貯金だ! 貯金だ! 貯金だー!
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