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マイホーム購入の判断基準とお得に買うコツ

FIRE達成のために 資産性の低い郊外の安価な家VS資産性の高い都会の高い家

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 あるとき私は若くしてFIREを達成した方の本を読んだ。

 夏休み、うちのおかんにFIREって言ったら「キャンプファイヤーに行くの?」と言われた。

「Financial Independence, Retire Earlyの略!!」

「え? そんな映画が流行ってるの?」

「じゃなくて、経済的に自立しながら早期退職するって意味だよ~」

 ダメだ、昭和のオバアチャンに通じねぇっ!

 私も昭和のオバサンだけど

 脱線したが、そのFIREを達成した著者の男性は独身で、地価の安い郊外に住み、生活費にあまりお金をかけないことによって、早期退職を実現し、自由にのんびり生活する日常を手に入れているらしい。

 とても憧れる生活だが、これを私が真似できるのか? というと出来ない。

 なぜならば、子どもがいるからだ。

 私は転勤族で転々としているが、あくまでも子どもの教育に関してだけで言うと、子どもが小さいうちは自然豊かなところで様々な体験をさせながら育てるのも素敵だと思っているのだが、受験を考える時期になると都会のほうが選択肢が多いと感じている。

「自分の友人の平均年収が自分の年収」という言葉があるが、高級住宅街にある社宅に住んだとき、子どもが「〇〇君が行ってる算盤教室に僕も入りたい」とか「〇〇ちゃんが通ってる書道教室に私も行きたい」とか、自主的に頑張ってくれるサイクルができたことがあった。

 子どもの習い事というのは、友達がいないと長続きしないこともある。

 年収の高い層が多く住む住宅街のほうが教育意識が高い人が多く(年収が高いことと資産をたくさん持っているお金持ちであるかはまた別問題であるが)、そのような家の子と友達になってくる影響で、自然と勉強するサイクルが出来上がることが。

 私は、幼い頃、公園でセミの抜け殻集めと、チクワをぶら下げた棒を片手に川でザリガニ釣りばかりして、全く勉強しなかった息子が転勤先で、ある日突然、仲良くなった友人の影響で「〇〇〇(進学塾)に行きたいんだけど、お父さんお金出してくれるかな?」と聞いてきたときは心底驚いた。

「より良いところに住め」という言葉がある。

参考文献『バビロンの大富豪 「繁栄と富と幸福」はいかにして築かれるのか』

 大人になって自分で車や電車を使って、どんなところにでも移動できる立場になれば郊外に住むのもアリだと感じている。

 その一方で、これから受験を考える子どもがいるのであれば、住む家は郊外より高くなっても、評判の悪くない学校の近くのほうが良い友人関係に恵まれることもあると感じた次第だ。

 私は田舎育ちで、今思えばヤンキーの多いヤバい公立中学校に通っていたと思う。

「誰がガラス窓を割ったんだ?」「〇〇部の集団万引きの主犯は誰だ?」とか、勉強とは全く関係ない犯人捜索に先生方は日々とても忙しそうだった(※誤解のないように補足しますと、田舎が全てそうだと言っているわけではありませんm(__)mこういう学校もありましたという個人の話でして、素敵な教育をしている学校もたくさんあると思います)。

 精神的には鍛えられたが、高校に進学してからのほうが同じくらいの学力レベルの子が集まるのでストレスフリーで授業がとても楽しかった。 

 お金を貯めることだけ考えたら、家賃の安い郊外に住むのが一番だ。

 住居費というのは家計の中で一番高くなりがちだから。

 だけど、年収の高い人が多く住むエリアに住むと、治安が良いだけでなく、そこに住む人たちから良い影響や恩恵を受けることがあると感じている。

 私はもしも自分が独身だったら、郊外の安い賃貸に住むか、実家暮らしをして、多少の通勤時間の長さは我慢して(交通費は会社が出してくれるから高くなっても関係ない)、早いスパンでお金を貯めまくって、そのまま田舎で激安な家を買って、ついでに賃貸物件も買って、早期退職を狙うかもしれない。

 仕事をしなくなったら家から駅の距離は関係なくて、イオンみたいな大きめのスーパーと、将来のために検査ができる大きな病院と介護施設が近くにあれば、それほど生活に不自由しないかもしれない。

 だけど、子どもの進学を考えたり、夫婦で子育てをしながら働いて稼ぐのであれば、お互いの通勤時間が短いこと、保育園が近いことなどは生活にストレスを感じない上で大切で、お金にかえられない価値があると思うのであった。
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