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鮮明な記憶

新真実2

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「は......?自殺?」


「...........。ここの病棟の上から落ちたよ」


 小雪ちゃんの言っている言葉の意味が分からない。





 自殺?自分から死んだ?


「あの夢ってなんだ?この今はなんだ」


 私は独り言をつらつらと呟いていた。

 
 まず初めにあの夢を思い出したんだ。まるで何かを託されたような。自殺の前兆だったりとか......も考えた。


「あの夢って何......?」


 小雪ちゃんは不思議そうにそう言った。
 そしてどこか重そうに、彼女の、「地球最後の日」みたいな静けさで。


「それよりも自殺について詳しく教えてよ!」


「わかった」



 何故彼が「自殺」などをするのだろう。

 あんなに活発で悩みもなさそうな松山君が、何を思って死んだのか。

 そんなことを深く深く、誰も立ち入れられないことまで考えていた私に、小雪ちゃんが自分の知る限りのことを、丁寧に教えてくれた。


「私と松山君の仲が良かったことで、看護師さんがきっちり教えてくれた。」


 小雪ちゃんはそう言うと、そろそろと口を開き始めた。

  

 はじめに死因は多量出血からの心破裂。


 
 だ。



 あの夢に出てきたのと同じ。



 私はそこから怖くて足が震えて、耳も都合が良いようになっていたかもしれない。




 話を続ける。




 退院日が自殺した日だったけど、その「退院日」は本来の退院日ではなく彼の嘘だということが分かった。

 どんな意図があるのか、情報量が少なすぎる上何がしたいのかも分からなかった。



「これも今日聞いた話」


「松山君はね、重い病気だったの。今頃言うけどね」


 死因は自殺だった。
 しかしそれでも彼の肉体を食い荒らしているものが何かあった。

 私は彼がそこまで重症だったことを知らなかったし嘘もつかれた。


「え?だって軽いケガって言ってたじゃん!!また部活に戻るって」




「部活なんか行ってないよ、あの人は....」




「......は?」




「あとね、私が彼からひとつ聞いた物があるの。ちょっとした恋の話」



 それとこれが何か関係あるのだろうか。

 正直、そんな恋の話なんてどうでもいいから、ただ彼が生きていた時へ戻りたい。

 何故死んだのか、問いただしてみたかった。






 そのあと、私達にやってきた絶望と恐怖。



 涙も枯れるほど流した私が、大きくこの事件に関わっていることを知った。
 そしてそれはもう二人が離れようとした頃だった。






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