【R18】隻眼の戦神と溺愛されしヴァルハラの歌姫

蒼琉璃

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狡知の神②

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 穏やかな太陽の下、花の香りに鳥のさえずりという天界アスガルドに黒のフードを被ったロキだけが異様な存在で、まるで影の国からの訪問者のようだ。
 あの宴席での様子を思い返してみれば、ヴィズルとは、お世辞にも仲の良い義兄弟というような様子ではなかったし、ロキの話は会話の中でも出なかった。
 そんな彼がどうして、宮殿ヴァルハラにいるのだろうと、エマは訝しんだ。

「――――せっかく来て下さいましたけれど、ヴィズル様は、いくさに行かれてご不在ですよ」
「うーん、今日は兄上のしかめっ面を見に来た訳では無いのです。先日の非礼を詫びようと思ったのですよ」

 エマは、あの宴席でロキから受け取った花の刺で出血した事を思い出した。ロキは微笑むとゆっくりと黒い煙がなびくように歩み寄って、歌姫の手を取ると手の甲に口付けた。
 まるで、聖書に書かれたイヴを誘惑する蛇のような翡翠の眼差しを向ける。エマは背筋が寒くなって、手を引っ込めた。

「たいした怪我では無いですわ。それより、貴方は、何か私に用があって宮殿ヴァルハラを訪れたのでは?」

 ヴィズルから、ロキには気を付けるようにと念を押されていたエマは毅然きぜんとした態度で接した。指の怪我を詫びるならとっくの昔に会いに来ていただろう。
 虹色の瞳アースアイを瞳がトリックスターを見据える。

「なるほど。今まで兄上の側にいた愛人とは珍しいタイプの女性ですね。義姉上のように野心的で惹きつける魅力がある訳ではありませんが……芯が強く、思慮深しりょうふかく慈悲があり、女王に相応しい」

 ロキはゆっくりとエマの背後へと回り込みひんやりとした掌で両肩に手を置いた。
 馴れ馴れしい彼の手を払いのけようとしたが、まるで金縛りにあってしまったかのように動く事が出来なかった。

「これでは、義姉上も嫉妬するのも無理はないですね」
「ろ、ロキ様……私は、戦死者達に歌を捧げるだけです」

 掠れたエマの声を聞くと、背後でクスッと笑う声が聞こえた。そっと耳元まで薄い唇を近付けると言った。

「そんなに怖がらないで下さいよ、お嬢さん。今日は貴方にとってとても良いお話を持ってきたのですよ」
「私にとって……?」
「ええ。ご兄弟と再会できると言ったら貴女はどうしますか?」

 エマは驚いたように、背後にいるロキを振り返った。青白い顔にはめ込まれた翡翠の瞳が蛇のように細くなる。このトリックスターが何の目的で、自分にこの話を持ち掛けてきているのか分からないが、離れ離れになった幼い弟妹に逢えるならば逢いたい。
 それが、魂だけだだったとしても天界にいる自分も同じようなものだ。

「逢いたいわ。でも……私が家族に逢えても貴方には何の特も無い様に思えます。どうして私に話を持ちかけたんですか?」
「いやはやエマ嬢は気丈ですねぇ。実は私にはヘルと言う娘がいましてね。宮殿ヴァルハラに行けない死者の魂が向かう死の世界死者の国ヘルヘイムを支配しているのです。彼女に頼めば、共に過ごす事ができますよ」

 ――――ロキの娘が、死者の国の女王。
 そうであるなら、ひと目だけでも幼い二人に逢えるだろうか。
 ヴィズルはロキが嘘つきで信用に値しないと言っていたが、こんな機会は無いだろう。
 以前ならば、宮殿ヴァルハラを捨てて、死者の国ヘルヘイムへと向かっていたのに、エマの大きく心は揺れていた。ヴィズルの存在がいつの間にか大きくなっていたからだ。
 傲慢で、誠実さもないような神だとおもっていたのに知的で孤独で、人間よりも不器用な彼と離れたくないと思っている。


(私はこんなに薄情な人間だったのかしら……? でもヴィズルは私を必要としているわ。戦場を駆け抜ける誰よりも強い神様が、死に怯えてるんだもの……)

 鍛えられた胸板、力強い腕、なめらかな肌触り、裸のまま抱き合うと心地よい安心感に包まれた。死者の国に行って、いつか彼が死ぬのを何もせず、遠い場所でじっと見届けるなんて出来無い。
  

「とても、魅力的な申し出です……。でもヴィズル様には私が必要なんです。私は彼の歌姫で、戦死者達も私の歌を必要としてくれています」
「おや、貴女は本気で兄上の事を愛しているのですか?」

 ロキは、意外だと言わんばかりに目を丸くした。だが、エマは否定も肯定もしなかった。あれだけ二人の時間を過ごして、体を重ねてもまだ二人はきちんと言葉にしていなかった。
 愛を知らない全知全能の神が、人間の娘を愛した事、敬虔けいけんなクリスチャンが異教の神を愛してしまった背徳。
 二人でこの気持ちの答え合わせをすれば、天界アスガルドの運命もヴィズルの運命も自分の運命も大きく変わってしまう事を、心のどこかで感じていた。
 『愛してる』と口にすれば、もう後戻りは出来なくなる。
 
「…………」 
「ふーむ、エマ嬢はなかなか頑固で、気丈なようですね。浮き名を流す兄上を、本気で愛して泣くのは、貴女ですよ? ふふっ、まぁ意地悪はよしておきましょうか。
 何も、永遠に死者の国ヘルヘイムに留まらなくても良いのですよ。ヘルに頼めば宮殿ヴァルハラに戻れますし、もしかすると地上にご家族共々戻れる日が来るかも知れません」

 早くに亡くなった両親とそして幼い弟妹達と再会して、地上に戻れたならどんなに良いだろう。魔女狩りの無い新年地を目指して、貧しくとも皆で笑って幸せに暮らせるならばこれほど嬉しい事は無い。
 だが、ヴィズルの顔が脳裏に過る。
 ロキはまるで蛇が獲物を見るような目で覗き込んで、絡め取られてしまいそうだ。

「正直に言いますと、貴方の事は信用ならないですわ。でも……本当にヘル様に掛け合って下さるなら……一目ひとめだけでも逢いたいです」
「はっきりと言ってくれますねぇ。ですが素直なのは嫌いではありません。必ずエマ嬢の為に私がヘルに交渉しましょう。――――ただし」
「ただし……?」
「条件があります。私も神なのでタダでは働きませんよ」

 自分から持ちかけておいて、一体何だろうとエマは首を傾げた。ゆっくりと背後から眼前に歩み寄ったロキは子供が悪戯を思いついたような表情をしている。
 そっとローブの袖から青白い手を差し伸べられると、エマは戸惑うようにしてその手のひらに自分の手を乗せる。

「このベンチにお座り下さい、歌姫」
「ええ……。それで条件とはなんですの? 私に出来る事と言ったら歌を聞かせるくらいですよ」

 隣に座ったロキが、背もたれに腕を回し空いた手でエマの膝に置かれた手に触れた。瞬間緊張したように歌姫の体が硬直する。
 いくら異性の経験が乏しいエマでも、ロキの放たれる雰囲気から察っする事は出来る。反射的に手を払いのけて立ち上がり、その場から去ろうとしたが、ロキに手首を掴まれた。


「やっぱり、遠慮しますわ、っ……手を離して、下さいっ……!」
「この機会を逃せば、二度とご兄弟にもご両親にも会えなくなりますよ。エマ嬢が何を想像したのかは予想できますが、最後までしませんのでご安心を。
 ただ、兄上が虜になる位なら、膣内なかがどうなってるか確かめさせて下さい」


 エマは怒りと羞恥で真っ赤になった。
 手首を掴まれていなければ、頰をひっぱたいていた事だろう。ロキは最高神であり宮殿ヴァルハラの主であるヴィズルの目を盗んで、自分に悪戯をしようとしているのだ。
 腹が立ったエマは、少し口調を荒げてロキを非難した。

「な、何を考えているのですか! そんな事をさせる訳が無いでしょうっ」

 ロキは自分の唇に人差し指を当てると、シーっと声を小さくして制すると、手首を引っ張りエマの腰を掴んだままベンチに丁重に座らせ、フードを取るとグッと顔を近づけてきた。
 美しい顔立ちをしているが、どこか暗く陰気な雰囲気で、その表情からは全く思考が読み取れない。

「エマ、貴女がほんの数分我慢すれば……また、愛する父母の顔が見れますよ?」
「卑怯だわ……」
「褒め言葉をありがとうございます。さて、どうします?」

 細身のロキだが、腰を抱く力は当然強い。最初からこちらの返事を聞くつもりはないのだろう。だが、両親や弟妹達に再会し、最後のお別れを言う事ができたら宮殿ヴァルハラという新しい場所で心置きなく前にすすめるような気がする。
 だが、もし最後までしようとすれば大声で叫んでやると、エマは彼を睨みつけた。

「わ、わかったわ。早く終わらせてよ」
「本当に気が強いなぁ、エマ嬢は。自分で言うのもなんですが、愛人達にはそれなりに満足して頂いてますよ」

 ロキの姿を見たくなくて、エマは目を閉じた。密着したロキの、ひんやりとした指がスカートをめくり上げていくと、耳に唇を寄せ長い舌先で、エマの小さな耳の形を確かめるように舐めた。

「んんっ………っ、はぁ………」

 冷たくしっとりとした手が、スカートの中に入ると内股を撫でて下着に触れる。まさぐるように手の平全体でマッサージして上下に撫でられと、柔らかな心地よい動きがじんじんと、花弁に伝わり内股が思わず無意識に震えた。

「私を見てくれないのですか? 寂しいですね。そんなにぎゅっと目を閉じられては、余計に悪戯したくなるのですが」
「あ、貴方になんか負けないわ……はっ、あんんっ」

 耳元で囁かれ、ロキの肩を掴みながらエマはそっぽを向いた。円を描くように下着の上から撫でていた指先が布地の隙間から入り込んでくると、エマは思わず目を見開いた。
 冷たい指先が花の亀裂をなぞってその感触を確かめる。甘い声をあげないように、目を逸らして唇を噛み締めた。

「んっ……んっ……はぁっ……っ、はぁっ、んっ」
「そんなに唇を噛み締めたら、血がでてしまいますよ? うん……柔らかい花弁てすね。おや心無しか濡れてきたような。
 渡り烏や兄上のお陰で敏感な体に開発されたのでしょうか……ふふふ」 

 人差し指と中指で、薄桃色の花弁の表面を撫で回し、ヒダの感触を楽しむと僅かに粘着音が混じり始める。
 エマはベンチの背に持たれ、うららかな日差しと小鳥のさえずりを聞きながら、ロキのローブを握りしめていた。フギンとムニンに見つかってしまうのが堪らなく恥ずかしいし、ヴィズルに対する罪悪感で一杯だ。

「あっ、はぁっ、んっ、余計なこと言わないでっ、んんっ、はやく、早く終わらせて……はぁっ、やぁん」
「気の強い所が可愛いですね、エマ。早く終わらせてほしいと言う事は、本気でいかせてくれと言う事ですね?」

 ロキは耳元で楽しそうに笑うと、濡れた蜜穴に人差し指と中指を挿入した。ビクンッと大きく震えて彼の肩に縋りついた。
 親指で膨れ始めた桃色の花芯を、コリコリと撫でながらまるで蛇が這うように、膣内なかの壁をじっとりと緩やかに撫でると、上擦った甘い声が漏れた。
 先程より花弁から聞こえる、愛液がかき混ぜられる淫らな音が、エマの羞恥を煽った。
 戦死者やヴァルキリー達がいつ訪れてもおかしくないし、ムニンとフギンがいつ自分を探しに来るかも知れないというこの状況の中で、淫らに花弁を愛液で濡らしている。 

「あっ、あぁっ、ちがっ、んんっ、あっ、あっあっ、やぁぁ、うう、やめて、音が誰かに、気付かれちゃう」
「そうですねぇ、下着もエマの愛液でぐちゃぐちゃだしこんな可愛い声で歌っているんだから見られてしまうかも。でも貴女、見られるの好きそうですけどね」

 そう言うと、喘ぐエマの唇を蛇のように長い舌先がなぞり、人差し指を抜いて中指と薬指を挿入すると、花芯を撫でながら上下に先程より少し速度を上げて動かすと、エマはずるずるとベンチからずり落ちそうになるほど快楽に支配された。
 ロキの腕を制しようとするも、手に力は入らず膣内なか蹂躙じゅうりんされる度に、下着の隙間から愛液が溢れた。

「あっあっあっ、んんっ、あっあ、はぁっ、あっ、ああっ、やぁぁん、だめ、あっ、そこはだめ、ああっ、ひっ、ああっん、んぅ、もうイクッ、イッちゃう」
「わぁ、凄いですねぇ。さっきの強気はどこにいったのかっていう位に濡れて、私の指が千切れそうな位に締めつけていますよ。ん……ほら、イッて下さい」

 不意にロキは指を動かしたまま姿勢を低くすると、下着をずらして濡れ光る花芯を吸い上げ舌先をにゅるりと絡めた。

「ぁあっ、あんんんっ!!」

 甘い矯声と共に体がビクンッと震えると、エマは絶頂に達した。蠕動ぜんどうする蜜壺を楽しむように、余韻で震えるエマを膣内なかを掻き混ぜ、ロキは指を抜いた。
 溢れた愛液が下着を濡らして、隙間から溢れ出すとその淫らな光景にロキは薄笑いを浮かべた。
 そして肩越しに走り寄ってくるムニンとフギンを確認すると、薄笑いを浮かべて指先についたエマの愛液をなめ取り、振り向いた。
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