嫌われ ライバル関係だったのに 消えたら執着されてお持ち帰りされた話

やまくる実

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7.お持ち帰り......されちゃった【シュウ視点】


 あれ、何があったんだっけ?

 どうしたんだっけ?

 あー、これはきっと夢だ。
 だって目の前にアルバードがいる。
 しかも優しい。

 長髪だった金色の髪は短くなった今でもとても綺麗。


 ご飯も美味しいし、お酒も美味しい。

 夢だから、何を言っても良いよね。



 俺は酒の力を借りて随分と気が大きくなっていた。

 目の前もグラグラと揺れていて、夢と現実の区別がつかなくなっていた。

 だけどコレは夢だ。

 だってアルバードが俺にこんなに優しい筈はない。

 今日は昼間からずっと白昼夢を見ているんだ。

 アルバードの事が忘れられなくて、こんな都合の良い夢を見てしまっているんだ。


「シュウ、はい、水だよ」

 身体が熱い。
 ベッドに腰掛けた俺に水を渡してくれる。
 アルバードは夢の中でも紳士的だ。

「ありがとう」

 俺はだらしなく笑いながら水を飲む。上手く飲めなくて水が口元から零れた。

 その水を飲んだ瞬間、すっかり酔いが覚めた。
 これ、夢じゃない。

 俺は宿屋のベッドに腰掛けていて目の前にはアルバードがいる。

「酔い覚ましだよ。俺の調合だから良く効く筈だ」
「あ、ありがとう、迷惑かけた」

 酔いは覚めたけど身体中が熱い。俺はなんて喋ったら良いか分からず片言でしか応える事ができない。

「酔わせたのは俺だからね、本当は酔わせたまま既成事実をつくるつもりだったんだけど、嬉しい言葉を聞けたし、シラフで抱きたいと思ってね」

 ユルリと悪そうにアルバードが笑う。

『好き、アルバード、抱きしめてー、好きー大好き』
 そう、酔っていて、夢の中だと思っていた俺は確かにアルバードにそう言った事を突如思い出した。


 な、何を言っているんだ。俺は……。
 顔から火が出そうな程、俺は熱くなった。


 だけど、アルバードは今、なんて言った?

 俺を抱きたいって言ったのか?

 俺は少し顔を強張らせた。
「遊び相手が欲しいなら別の奴をあたれよ」

 俺は思わず告白してしまうほどコイツに惚れているんだ。
 遊ばれて捨てられるなんてたまったもんじゃない。

「俺に気持ちが無くても奪うつもりでいた。気持ちがあるって分かったのに逃す訳ないだろう?」

 そう言ってアルバードは俺の口を塞いだ。

 さっき飲んだ酒の香りとアルバードのなんとも言えない魅惑の香りが混ざり合って媚薬を飲まされた様な錯覚におちいった。

 もちろんそんなモノは飲まされてはいない。

 だけど、俺の身体は熱くなった。

 触った事などないのに、後ろの穴が期待するかの様に熱くなった。

 欲しい。

 アルバードの体液が美味しい。

 俺はまた酔ってしまったのかもしれない。
 夢中て、アルバードの口内を吸った。

 アルバードも俺の口内を舐め回す。

 アルバードの舌が口の中の感じやすい部分を刺激する。

 俺は初めてなのにキスだけで感じまくってしまっている。

 アルバードの眉間に皺が寄った。
「慣れているな、もっと早く探し出す必要があった、お前に手を出した虫は誰だ」

 そう言いながらアルバードは激しく俺に口付ける。

 キスなんて初めてなのに、でもアルバードの激しいキスが苦しいけど気持ち良くて、頭がとろけてしまって上手く言い返せない。


「全部上書きしてやる。もっと感じさせて俺以外の男のじゃ物足りなくしてやる」

 そう言いながら、俺の身体を優しく撫で始めた。

 時には唇で、優しく激しく、印も残しながらアルバードは俺の身体を触った。

 触られた事のなかった俺の身体はアルバードの絶妙な焦らしと、優しく、いやらしく触られて淫乱の様に感じ始めた。

 アルバードと俺の身体の相性は最高だったのだろう。
 魔力の相性などの問題かもしれない。

 そうしなけれは初めて触られるのにこんなに感じすぎてしまう俺の身体はおかしすぎる。


 俺の後ろの穴に、アルバードの人差し指が入った。

 キツい。
 流石に初めてだから指一本でもキツい。
 その時、アルバードの顔が緩んだ。
「今更だけど、シュウは今まで誰かとこういう事をした事があるの?」

 先程まで意地悪な口調だったアルバードが甘く優しい口調でそう言った。

 恥ずかしかった。この年で、キスも初めてなんて……だけど俺は小声で……キスも……初めて。そう言った。


 優しく笑ったアルバードは俺の穴に人差し指を入れたまま、その穴の横付近に優しく口付けた。

 そして、ゆっくり、ゆっくりと指を動かし始めた。
 俺の穴がキュッキュッとアルバードの指を絞める。

 アルバードは強引には進めない。
 ゆっくり優しく指を動かす。
「あっっっ」

 その時、俺の身体全神経がそこに集中した。
 ジンジンと熱くなる。
 その指があたっている所が感じすぎて、俺はおかしくなってしまいそうだった。
「ココがシュウのいい所だね」
 そう言うとアルバードはその俺の感じすぎるソコを長い指で何回も刺激する。
「アーーーーッ」
 俺ははしたなく大声をあげてアルバードにすがりついた。

 目の前には夢にまで焦がれていたアルバードの胸板。
 少し顔を上げれば優しげに目を細めるアルバードがいた。

 目があった俺達はそのままキスをした。

 キスをしたままアルバードは俺の中で指を動かす。
 初めての俺のアソコも、アルバードの解しと焦らしの所為で痛みなんか感じない。

 それよりもタチが悪い。

 俺は奥に欲しくてたまらなくなった。

「アルバード、お願い、お願い」

 欲しいなんて、言えない。
「無理しなくて良い。初めてなんだからゆっくりならそう?」

 そう言いながら緩く笑うアルバード。
「意地悪、欲しい。欲しいの、痛くても良い」
「我慢しようと思ったのに、入れたら一回じゃ終われないよ」
 そう言うとアルバードは一気に俺のアソコを貫いた。

 俺の穴がアルバードのペニスをキュッキュッと締める。

 俺の中のアルバードが俺が締めたと同時にさらに大きくなった。

「クッッ」
 アルバードの苦しげな息が漏れる。
 その声の色っぽさに俺の耳もジーンと更に熱くなる。

 アソコも最初は痛みを感じていたのに、麻痺してきたのか快感だけをひろい始める。

「アッアッアッアッ」

 声と共に俺の身体がだらしなく跳ねる。
 声も抑えられず、見苦しいだろうにヨダレも抑えられない。
 
 熱っぽく見つめてくるアルバードと更に深く口付けを交わす。

 その後、初めてだというのに俺達は何度も何度も身体を繋げた。
 前から後ろからとアルバードの熱を感じた。





 そして、次の日改めて俺はアルバードに謝罪と告白を受けた。


 学院にいる時から本当は両思いだったと分かり、お互い驚きを隠せなかった。

 そして、俺は本当は戦えない、戦う事をしたくないと告白した。


 それから何故かアルバードも冒険者を辞めてウチのギルドの職員として働きだした。


 俺が無防備だから心配だと言っていたけど、そんな事ないのに……。
 そう思いながらも俺は嬉しかった。


 そうして元、勇者候補でライバル同士だった俺達は二人して非戦闘員となった。


 人生って分からないものだ。

 でも、幸せだから、まあ、いっか。


 そして俺達が戦わない選択をし、そこから色々なプラスの連鎖が生まれ、結果的にこの世界を救う事に繋がるのはまた別のお話。







 
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