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第127話 見えていなかった本当の真実(ホロ視点)
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緊迫した空気が流れていた。
ふくれ上がった漠《バク》の周りにはドス黒い空気に包まれている。
なんだ、こいつは!
まさかコイツが王様を?
俺達もこのままでは襲われてしまうのか?
皆、どうしたら良いのか分からず動きが止まってしまっている。
俺も恐怖でどうにかなりそうだ。
何かあったとしても、雪(クウロ)だけは守らないと。
俺は困ったような、険しい顔つきになってしまっている雪をみた。
その時だ!
すごい勢いで、雪(クウロ)の様に真っ黒い、だけど長毛の毛に包まれた魅力的な黒猫が俺達が居た地下室に飛び込んできた。
『『ルック!!』』
その魅惑的な黒猫を見てプディと雪(クウロ)が同時に声を上げた。
そいつの事、プディも雪も知っているのか?
特に雪は驚きを隠せていない様で声が裏返っていた。
ルックと呼ばれた黒猫はちょっと切なそうに、だけど優しく雪を見て笑った。
『姉さん、元気そうだね。
まあ、姉さんが調査員になって俺を探していた事も、知っていたし。
姉さんがこの地を離れ地球に行ってからも俺はずっと見ていたから元気なのは知っていたけどね』
ルックと言う長毛の黒猫は雪の弟の様だ。
雪も、プディも驚きを隠せず、ルックを見つめていた。
『姉さん。プディちゃん。
プラスの感情のパワーが必要なんだ。
温かい。
優しい。
嬉しい。
楽しい。
ウキウキする。
そんなプラスのパワーが必要なんだ。
王は、王様は間違ってしまった。
マイナスの感情のパワーは集まるのも早い。
そして、とてつもなく強い。
プラスの感情は集めるのに時間がかかる。
集め始めはパワーも弱い。
だけど、マイナスなパワーは身体を蝕《むしば》むんだ。
そして、星の守り神であるコイツ(漠《バク》)はこんな風にふくれ上がってしまった。
こうなってしまってはパワー供給なんて出来やしないんだ!
プディちゃん、プラスの感情のパワーを!
王様を助けてくれ!』
ルックの言う言葉に雪もプディも困惑している様だった。
『どうして?
お父様を助けるの?
それに、この奇妙な生き物が星にパワーを送っていたの?
こんなに厳《いか》つい顔をしているのに?
まあ、確かにパワーが供給出来なくなるのは困るけど......。
お父様が好き勝手に『感情を皆が持たない』そんな変な法律を作るからじゃない!
アナタも、ルックもずっと、ずっと閉じ込められて......』
プディが泣きそうになりながらそうルックに訴えかけた。
雪も後ろで涙ぐみながら頷いている。
そうだよな。
俺もこの星の方達を見た。
夢の中でも、ここでも、みんな仮面を被った様に表情が無かった。
俺の側ではあんなに表情豊かだった雪(クウロ)もそんな風に感情を殺して生活する事を強《し》いられていたんだ。
簡単に許せる事では無いよな?
ルックが必死の形相でプディに詰《つ》め寄った。
『違うんだ。
ゴメン。
ゴメンよ。
プディちゃん。
違うんだ。
王はこの星の事を一番に考えているんだ。
不器用で、やり方を間違えてしまったんだ。
全部自分だけで抱え込みすぎたんだ。
皆の感情が増えると強いモノも現れてイザコザが増えると思ったんだ。
だけど、星を成り立たせるのにはパワーが必要で、安易にマイナスな感情のパワーを集めて......集める様に命じてしまったんだ。
皆を信じられなくて、弱い部分を見せれなくて頑張り過ぎたんだ。
お願いだよ。
時間がないんだ』
まだ納得していない様だったが、青くなる王様を、肩で息をし、今にも死んでしまいそうな王様を見てプディは少しずつ少しずつ近いていった。
そして、仰向けになった王様胸に前足を乗せて祈り始めた。
そこからは淡い光りが出始めた。
金色の温かい空気、光が王様とプディを包む。
俺と雪(クウロ)、ルックも近づいて同じ様に足を乗せる。
前足、いや小指の横に生えたもう一本の指が熱い。
金色の温かい光は俺達を包み込んで王様にパワーを注ぎ込んでいる俺達までポカポカに温かくなっていく様な気がした。
王様にプラスの温かい感情が注ぎ込まれ、そして王様の眠ったままなのにキツかった表情が少しずつ力が抜ける様に柔らかくなっていった。
そのパワーのおかげか柔らかい優しい顔つきになった王様がゆっくりと目を開いた。
王様はまだ辛そうに呻き声を上げている。
『皆、すまない。
ワシの力が足りないばかりに、星をこんな事態に追いやってしまった。
まだだ、ワシはまだ頑張らねばならんのだ』
ルックが王様に寄り添って切なげにだけど優しい言葉をかける。
『王様、王様。
頑張り過ぎたからいけなかったのです。
もう頑張らなくていいのです!
皆を頼っていいのです!
この言葉がずっと言えなくてごめんなさい。
一緒に皆の力を借りてこの星を良くしましょう! 』
一言一言話す内に涙でグチャグチャな顔になったルックが王様にすがりつく。
王様はそんなルックの言葉を聞き、気が抜けた様に座り込んだ。
そしてルックの言葉がやっと胸に届いたのか静かに涙を流し始めた。
プディは王様とルックの寄り添う姿を見て、気まずそうに自分の顔を右足で隠した後、星の守り神であるふくれ上がった漠《バク》を見た。
『星を良くする前に、こんな風になってしまった、この守り神とやらをどうにかしなくちゃね』
そう、プディは呟いた。
ふくれ上がった漠《バク》の周りにはドス黒い空気に包まれている。
なんだ、こいつは!
まさかコイツが王様を?
俺達もこのままでは襲われてしまうのか?
皆、どうしたら良いのか分からず動きが止まってしまっている。
俺も恐怖でどうにかなりそうだ。
何かあったとしても、雪(クウロ)だけは守らないと。
俺は困ったような、険しい顔つきになってしまっている雪をみた。
その時だ!
すごい勢いで、雪(クウロ)の様に真っ黒い、だけど長毛の毛に包まれた魅力的な黒猫が俺達が居た地下室に飛び込んできた。
『『ルック!!』』
その魅惑的な黒猫を見てプディと雪(クウロ)が同時に声を上げた。
そいつの事、プディも雪も知っているのか?
特に雪は驚きを隠せていない様で声が裏返っていた。
ルックと呼ばれた黒猫はちょっと切なそうに、だけど優しく雪を見て笑った。
『姉さん、元気そうだね。
まあ、姉さんが調査員になって俺を探していた事も、知っていたし。
姉さんがこの地を離れ地球に行ってからも俺はずっと見ていたから元気なのは知っていたけどね』
ルックと言う長毛の黒猫は雪の弟の様だ。
雪も、プディも驚きを隠せず、ルックを見つめていた。
『姉さん。プディちゃん。
プラスの感情のパワーが必要なんだ。
温かい。
優しい。
嬉しい。
楽しい。
ウキウキする。
そんなプラスのパワーが必要なんだ。
王は、王様は間違ってしまった。
マイナスの感情のパワーは集まるのも早い。
そして、とてつもなく強い。
プラスの感情は集めるのに時間がかかる。
集め始めはパワーも弱い。
だけど、マイナスなパワーは身体を蝕《むしば》むんだ。
そして、星の守り神であるコイツ(漠《バク》)はこんな風にふくれ上がってしまった。
こうなってしまってはパワー供給なんて出来やしないんだ!
プディちゃん、プラスの感情のパワーを!
王様を助けてくれ!』
ルックの言う言葉に雪もプディも困惑している様だった。
『どうして?
お父様を助けるの?
それに、この奇妙な生き物が星にパワーを送っていたの?
こんなに厳《いか》つい顔をしているのに?
まあ、確かにパワーが供給出来なくなるのは困るけど......。
お父様が好き勝手に『感情を皆が持たない』そんな変な法律を作るからじゃない!
アナタも、ルックもずっと、ずっと閉じ込められて......』
プディが泣きそうになりながらそうルックに訴えかけた。
雪も後ろで涙ぐみながら頷いている。
そうだよな。
俺もこの星の方達を見た。
夢の中でも、ここでも、みんな仮面を被った様に表情が無かった。
俺の側ではあんなに表情豊かだった雪(クウロ)もそんな風に感情を殺して生活する事を強《し》いられていたんだ。
簡単に許せる事では無いよな?
ルックが必死の形相でプディに詰《つ》め寄った。
『違うんだ。
ゴメン。
ゴメンよ。
プディちゃん。
違うんだ。
王はこの星の事を一番に考えているんだ。
不器用で、やり方を間違えてしまったんだ。
全部自分だけで抱え込みすぎたんだ。
皆の感情が増えると強いモノも現れてイザコザが増えると思ったんだ。
だけど、星を成り立たせるのにはパワーが必要で、安易にマイナスな感情のパワーを集めて......集める様に命じてしまったんだ。
皆を信じられなくて、弱い部分を見せれなくて頑張り過ぎたんだ。
お願いだよ。
時間がないんだ』
まだ納得していない様だったが、青くなる王様を、肩で息をし、今にも死んでしまいそうな王様を見てプディは少しずつ少しずつ近いていった。
そして、仰向けになった王様胸に前足を乗せて祈り始めた。
そこからは淡い光りが出始めた。
金色の温かい空気、光が王様とプディを包む。
俺と雪(クウロ)、ルックも近づいて同じ様に足を乗せる。
前足、いや小指の横に生えたもう一本の指が熱い。
金色の温かい光は俺達を包み込んで王様にパワーを注ぎ込んでいる俺達までポカポカに温かくなっていく様な気がした。
王様にプラスの温かい感情が注ぎ込まれ、そして王様の眠ったままなのにキツかった表情が少しずつ力が抜ける様に柔らかくなっていった。
そのパワーのおかげか柔らかい優しい顔つきになった王様がゆっくりと目を開いた。
王様はまだ辛そうに呻き声を上げている。
『皆、すまない。
ワシの力が足りないばかりに、星をこんな事態に追いやってしまった。
まだだ、ワシはまだ頑張らねばならんのだ』
ルックが王様に寄り添って切なげにだけど優しい言葉をかける。
『王様、王様。
頑張り過ぎたからいけなかったのです。
もう頑張らなくていいのです!
皆を頼っていいのです!
この言葉がずっと言えなくてごめんなさい。
一緒に皆の力を借りてこの星を良くしましょう! 』
一言一言話す内に涙でグチャグチャな顔になったルックが王様にすがりつく。
王様はそんなルックの言葉を聞き、気が抜けた様に座り込んだ。
そしてルックの言葉がやっと胸に届いたのか静かに涙を流し始めた。
プディは王様とルックの寄り添う姿を見て、気まずそうに自分の顔を右足で隠した後、星の守り神であるふくれ上がった漠《バク》を見た。
『星を良くする前に、こんな風になってしまった、この守り神とやらをどうにかしなくちゃね』
そう、プディは呟いた。
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