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2章

42話 侵攻開始

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潜入するなら夜の方が目立たないと言うことになり、話を終えたらアラクネ達を皆に任せイザ達は早速王都へ向かった。
先ほどまで居た宿の部屋に転移した。

「敵が動き出す前にこちらから攻めよう」
「それがいいだろうな。内部にはラナさん達もいる。先手を取ればこちらの方が有利なはず」
「……」

「マティア大丈夫か?」
「んー、大丈夫」
マティアは少し眠そうだ。
若干不安を感じたイザだったが仕掛けるなら朝になる前にしたいと思い焦っていた。

「よし、二人とも準備はいいな?街中を走り回ったんじゃ敵にばれる恐れがある。隠れながら屋根伝いに行くとしよう。ではいくぞ!二人とも付いてきてくれ」

アラクネ達に教わったイスカリオテの拠点に通じる入り口の中で、最も都市中央部から近い大聖堂裏の墓地へイザ達は向かっていった。

「エルロン!正面に見えている大聖堂がそうだな?」
「ああ、あの裏に共同墓地があるはずだ!」

「二人とも!ここからは敵の縄張りになる。気を抜くなよ!」
「言われないでもそのつもりだ!」
「…」
マティアの返事がなかった。
まさか…と思いイザが振り向くと、案の定マティアの姿はそこにはなかった。

「あー!!あいつはどれだけ間が抜けてるんだよ!!何処ではぐれたんだ!!」
イザは両手で頭をかいた。

イザは念話を試してみたがマティアは反応がない。

「どうするんだ?戻って探してたら夜が明けかねないぞ?」
「まぁマティアなら一人でも大丈夫だろう。俺らだけで行こう」
「…いいのか…?」
「間の抜けた子だがあいつの魔力は俺より高い。もし襲われても自分で何とかするだろう。それに俺らが内部で騒動を起こせば冒険者狩りなんて連中もやってるどころじゃなくなるさ」
「…それもそうだな」


こうして二人は墓地へ着き、イスカリオテの拠点に続く入り口を探し始めた。
アラクネから得た情報通りに墓地の外れにある大きな墓石を動かすと地下へと降りる隠し階段が現れた。
「アラクネ達の言う通りだったな」
「こんなところに隠してたなんてな」

「さて、ここからは敵陣だ気を引き締めてかかろう」
「ああ…」

こうして二人はイスカリオテの拠点へ侵攻を開始した。



一方
二人と逸れたマティアはというと…。
宿の部屋でそのままベッドに横たわっていた。
眠気の限界だったようだ。気持ちよさそうに枕を抱いて熟睡していた。

そして…マティアに忍び寄る影が怪しい人影が窓の外からマティアを見つめていた…。
「どうやら一人のようですね…。ようやく見つけました…」
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