虚無からはじめる異世界生活 ~最強種の仲間と共に創造神の加護の力ですべてを解決します~

すなる

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2章

35話 スキルの付与

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ハルトはリーザスの街に出荷分の作物を常に確保できるようにアルレンセスの街の畑を数日掛けて更に拡張した。
午前中は手の空いた元たちで畑作業。午後はナターシャとエレン、フィルに戦闘の基礎を学んだ。
鑑定スキルを持った者が居ないので属性の適正は分からない為、魔法の扱い方やスキルの使い方、戦闘の基礎を全員で学んだ。

うーん。鑑定のスキルが無いとあっちの世界で出来ることがわからないか。一度全員をギルドに登録するために連れていくか?でも急に大勢のキャトランを連れて街を歩くのは流石に目立ちすぎるよな。
ん?そう言えばいつも使ってる異世界の扉ってスキルだったっけ。
よく考えてみたら猫達やルシアを進化のついでに話せるようにしたときもスキルを付与って加護の声も言ってたな?
ってことは加護の力で新しいスキルを付与できる?
スキルの使い方に詳しいナターシャに何か付与できないか試してみるか。
ナターシャに考えを告げると驚いた顔をしたが、少し悩んで承諾してくれた。

「そうね……。鑑定眼もいいけど、もし何でも得られるというなら……私は心眼のスキルをお願いしたいわね」
「心眼?」
「相手の行動を先読みできるスキルよ」
何処かで聞いたことのあるスキルだな……。
「あ、キールが使ってた未来予知ってスキルみたいなもんか」
「そうね。でも心眼はさらに上、身体能力が高くなければ使いこなせないと思うけれど、相手の行動を予測するだけでなく攻撃軌道を完全に見切ったり、更には幻術や魅了の効果を見破って打ち破れる優れものね。魔王アスタロトが持つユニークスキルよ」
なるほど。どんな攻撃も見切れるスキルか。

「わかった。それでちょっと試してみる。ナターシャ準備はいいか?」
「あなたのならいつでも受け入れる準備オーケーよ♪」
変な言い方はやめてくれ……。

ハルトは目を閉じ、ナターシャの背中に手をあて、聞いた内容のスキルをナターシャに付与するイメージを強く浮かべた。
するとナターシャの体が光始めた。

『対象に天眼のスキル付与。成功しました』
ん?天眼?心眼じゃない?イメージし間違えたかな……。

ナターシャの体の光が収まった。


「ナターシャごめん、スキルの付与成功はしたけど加護の声で聞こえたスキルは心眼じゃなくて天眼ってスキルだった。失敗みたいだ」

ナターシャは冷や汗をかいていた。
「いえ……。失敗なんてとんでもない……天眼ってスキルは……魔王アザゼルが持つ唯一無二のエクストラスキル……だったはずなのに」
え?エクストラ?ユニークじゃないの?

「ん?ちなみに天眼ってどんなスキルなの?」
「取得した瞬間から後ろにも目があるみたいに感覚が開けたわ……。そこにいる猫ちゃん達。今から私に全員で攻撃してきてみてもらえるかしら?」
「はぁ!?急になにいってるんだ!?」
「いいから……ちょっと試してみたいのよ」

「思いきりいってもいいんですか?」
ルナがやけにやる気満々だ。いつもハルトにちょっかいを出すナターシャに攻撃できるチャンスに燃えていた。
「面白そうじゃん!」
「いいねいいね!!」
レナもヒナタもワクワクして乗り気だった。
「私はこういうのはあまり好まないのですけど」
「同じく」
ユキとリンはそう言いつつも攻撃する構えを取っていた。
「はぁ、面倒だな」
「まったくだわ……」
シンとマリアはめんどくさそうにしていた。
ルシアは戦闘講習に飽きて隠れてクッキーをほおばって聞いてすらいない。

仕方ない。ヤバソウだったら加護の力で何とか皆を止めよう。
「んじゃいくぞ!」
ハルトの号令で全員ナターシャに一斉に飛び掛かった。
しかしナターシャはほとんどその場から動かずに全員の攻撃を紙一重でかわしきっていた。

その様子を傍で見ていたエレンとフィルは唖然としていた。
ただでさえ身体能力がナターシャよりも高いキャトラン達の攻撃をほとんど無駄のない動きでギリギリですべてを躱しているのだから驚くのも当然だ。

一通り躱しきってナターシャが息を付いた。
「ふぅ……。これが天眼……素晴らしいわ。今なら魔王すらも倒せるかもしれないわ」
クッキーを食べていて話を聞いていなかったルシアは魔王という言葉に反応した。
「ん?ルシア呼ばれた?」
「いや違うだろ!あっちの世界の6人の魔王だっ!」

ナターシャはアホなやり取りに汗を流していた。

「それで、なんだ今の動きは?」
「天眼を得た瞬間から視野が広がったって言ったわよね?」
「ああ」
「そのついでに全ての感覚が研ぎ澄まされて、そこの木から落ちる木の葉すらもすべて知覚できるようになったのよ。天眼。このスキルは全ての物を見通す力。凄まじいスキルだわ……身体能力では子猫ちゃん達は全員私を超えているもの。なのにその子たちの攻撃をこうも簡単にすべて躱せるなんて……」
実際にやってのけたナターシャ自身が一番驚いていた。

凄いスキルみたいなので同じイメージをして皆にもこのスキルを付与しようとしてみたが、このスキルは何故かシンにしか付与することが出来なかった。

どうやらスキルにも魔法の属性の様に適正があるらしく周りを見る力や観察直に元々長けていたナターシャとシンだけしかそのスキルを得る適正がなかったようだ。

シンだけずるい!と子猫達+ルナが騒いだことは言うまでもない。

また一つ加護の力の特性を知ることができた。
スキルはイメージさえできれば誰にでも付与を試すことは出来るが、適正が無いと付与が出来ないこと。
付与に失敗した場合は加護の回数は消費されないこと。

こうしてハルトは加護の力の法則を徐々に理解し始めていた。




ある神殿――
天から見下ろす謎の少年の姿がそこにはあった。
「へぇ……これは楽しみだね。あの子ならもしかしたら……」
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