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2章
52話 商人ロンメル
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カイの案内で近場で安価な宿を紹介してもらった。
騎士団の紹介と言うことで優先して部屋を案内してもらえたのでラッキーだった。
大部屋は無いようなので一人ずつ宿泊することになった。
夕食を済ませ、各自部屋で休んでいるところ、ハルトの部屋に宿の店主が訪ねてきた。
ドアをノックする音に気が付いたハルトは直ぐに扉を開け話を聞いた。
何でもハルト達に会いたいという方が来ているというのだ。
皆にも声をかけ下に降りてみた。
するとホールのテーブルに一人の男が待っていた。
男はニコニコしながらハルトの方を見ている。
「ハルトさんですね。お待ちしておりました」
「あなたは……。どこかで……」
ハルトは男にどこかで見覚えがあった。
話を聞くと寄り合い馬車に乗っていた商人たちの一人らしい。
道理で見覚えがあるはずだ。
男はミケース商会の人間でロンメルだと名乗った。
ってことはこの人がブランドさんの知り合いの人なのかな?
だから会ったことがあるはずと言っていたのか。
「あなた方の腕を見込んでお願いがあります。フォーレンシアへ向かう我々の護衛依頼を受けていただけませんでしょうか?」
「それは願っても無い話です。では翌朝早速冒険者ギルドへ行って依頼を受けさせていただきます」
男はそっと掌を掲げ、ハルトが冒険者ギルドへ行こうと行ったのを抑止した。
「ギルドは通しておりません。知っての通りフォーレンシアは鎖国国家。ですので信用が置ける者しか通すわけにはいかないのです」
「……ではなぜ我々に……?我々も王都へ来たばかりでましてやロンメルさんとは寄り合い馬車で一緒になった程度で互いのことはほとんど知らない間柄ですが……」
「ふふふ、あなた方が居なければ私……いえ、我々乗合馬車の皆は少なからずブレードウルフの被害にあっていたことでしょう。騎士団ですら手こずるブレードウルフの群れを少数で一網打尽にする実力。しかも見返りを求めない心の広さ。私は感服いたしました。あなた方ならフォーレンシアまでの護衛を依頼しても問題ないと、既にミケース様にも話は通してあります」
何か少し引っかかるが、ブランドさんの紹介あってのことだ。フォーレンシアへ向かいにはミケース商会の協力が一番の近道。ここは依頼を受けるとしよう。
「わかりました。出発は何時ごろになりますか?」
ロンメルはニヤリと笑ったように見えた。
「明日の朝一にでも立つ予定です。我々が取っている宿へ案内いたします」
「え!?明日!?1~2か月後にたつだろうとブランドさんからは聞いていたのですが」
「事情が変わったのです……。ブレードウルフの群れが現れるようならこの辺りも決して安全とは言えません。早めにフォーレンシアへ向かう方が無難だろうと三ケース様が急遽決断されました」
確かにあんな魔物が今後頻繁に出るようなら強い護衛を雇うのも、出立を急ぐのも道理……か。
「わかりました。みんな荷物をまとめてロンメルさんについていこう。せっかく用意していただいたのに申し訳ないから宿の方には俺から事情を話して謝ってくるよ」
ロンメルはまたニヤリと笑った気がした。
「それでは私は外でお待ちしております」
そういうとロンメルは宿の外へ出て行った。
ハルトは宿のおかみに事情を説明していた。
「――というわけなのでせっかく用意していただいたのに申し訳ありません。これは宿代です」
「まぁ仕方ないさね。こうして支払いも頂けるってんなら事情もあるみたいだし引き止めたりはしないさ」
「それと騎士団の方へこれをお渡しください」
「これは?手紙かい?」
「ええ、せっかく案内まで使わせてもらって紹介していただいた宿を何も言わずに去るのは流石に気が引けますので……」
「わかったよ。騎士団の子らが来たら渡しておくね。んじゃ気を付けていくんだよ」
「はい、ありがとうございます」
そうしている間に皆も準備をして降りてきたのでおかみに礼を言って外へ出た。
そこには馬車が用意されていた。
「我々の宿へはこの馬車で送らせていただきます。どうぞお乗りくださいませ」
ロンメルはわざわざ高貴なものが使うような馬車を2台も準備していた。
流石はミケース商会の財力。とハルトが感心していると戦闘の馬車の御者が下りてきた。
「私はレナースと申します。この馬車は3名が定員です。5名様とのことですので残りの方は後ろの馬車へお回りくださいませ」
話し合った結果。
先頭にハルトが乗るべきと皆が言うのでハルトは先頭の馬車。
そうなると必然的にルナはその馬車を譲らない。
プルフラは後ろの馬車を希望したので、ハルトとルナとユキが先頭の馬車。プルフラとルシアが後続の馬車に乗ることとなった。
「それでは皆様暫く馬車の中でおくつろぎ下さい」
そういうとレナースは扉を閉め手綱を握った。
ロンメルもルシア達と後続の馬車に乗り
2台の馬車は王都の夜を駆け始めた。
騎士団の紹介と言うことで優先して部屋を案内してもらえたのでラッキーだった。
大部屋は無いようなので一人ずつ宿泊することになった。
夕食を済ませ、各自部屋で休んでいるところ、ハルトの部屋に宿の店主が訪ねてきた。
ドアをノックする音に気が付いたハルトは直ぐに扉を開け話を聞いた。
何でもハルト達に会いたいという方が来ているというのだ。
皆にも声をかけ下に降りてみた。
するとホールのテーブルに一人の男が待っていた。
男はニコニコしながらハルトの方を見ている。
「ハルトさんですね。お待ちしておりました」
「あなたは……。どこかで……」
ハルトは男にどこかで見覚えがあった。
話を聞くと寄り合い馬車に乗っていた商人たちの一人らしい。
道理で見覚えがあるはずだ。
男はミケース商会の人間でロンメルだと名乗った。
ってことはこの人がブランドさんの知り合いの人なのかな?
だから会ったことがあるはずと言っていたのか。
「あなた方の腕を見込んでお願いがあります。フォーレンシアへ向かう我々の護衛依頼を受けていただけませんでしょうか?」
「それは願っても無い話です。では翌朝早速冒険者ギルドへ行って依頼を受けさせていただきます」
男はそっと掌を掲げ、ハルトが冒険者ギルドへ行こうと行ったのを抑止した。
「ギルドは通しておりません。知っての通りフォーレンシアは鎖国国家。ですので信用が置ける者しか通すわけにはいかないのです」
「……ではなぜ我々に……?我々も王都へ来たばかりでましてやロンメルさんとは寄り合い馬車で一緒になった程度で互いのことはほとんど知らない間柄ですが……」
「ふふふ、あなた方が居なければ私……いえ、我々乗合馬車の皆は少なからずブレードウルフの被害にあっていたことでしょう。騎士団ですら手こずるブレードウルフの群れを少数で一網打尽にする実力。しかも見返りを求めない心の広さ。私は感服いたしました。あなた方ならフォーレンシアまでの護衛を依頼しても問題ないと、既にミケース様にも話は通してあります」
何か少し引っかかるが、ブランドさんの紹介あってのことだ。フォーレンシアへ向かいにはミケース商会の協力が一番の近道。ここは依頼を受けるとしよう。
「わかりました。出発は何時ごろになりますか?」
ロンメルはニヤリと笑ったように見えた。
「明日の朝一にでも立つ予定です。我々が取っている宿へ案内いたします」
「え!?明日!?1~2か月後にたつだろうとブランドさんからは聞いていたのですが」
「事情が変わったのです……。ブレードウルフの群れが現れるようならこの辺りも決して安全とは言えません。早めにフォーレンシアへ向かう方が無難だろうと三ケース様が急遽決断されました」
確かにあんな魔物が今後頻繁に出るようなら強い護衛を雇うのも、出立を急ぐのも道理……か。
「わかりました。みんな荷物をまとめてロンメルさんについていこう。せっかく用意していただいたのに申し訳ないから宿の方には俺から事情を話して謝ってくるよ」
ロンメルはまたニヤリと笑った気がした。
「それでは私は外でお待ちしております」
そういうとロンメルは宿の外へ出て行った。
ハルトは宿のおかみに事情を説明していた。
「――というわけなのでせっかく用意していただいたのに申し訳ありません。これは宿代です」
「まぁ仕方ないさね。こうして支払いも頂けるってんなら事情もあるみたいだし引き止めたりはしないさ」
「それと騎士団の方へこれをお渡しください」
「これは?手紙かい?」
「ええ、せっかく案内まで使わせてもらって紹介していただいた宿を何も言わずに去るのは流石に気が引けますので……」
「わかったよ。騎士団の子らが来たら渡しておくね。んじゃ気を付けていくんだよ」
「はい、ありがとうございます」
そうしている間に皆も準備をして降りてきたのでおかみに礼を言って外へ出た。
そこには馬車が用意されていた。
「我々の宿へはこの馬車で送らせていただきます。どうぞお乗りくださいませ」
ロンメルはわざわざ高貴なものが使うような馬車を2台も準備していた。
流石はミケース商会の財力。とハルトが感心していると戦闘の馬車の御者が下りてきた。
「私はレナースと申します。この馬車は3名が定員です。5名様とのことですので残りの方は後ろの馬車へお回りくださいませ」
話し合った結果。
先頭にハルトが乗るべきと皆が言うのでハルトは先頭の馬車。
そうなると必然的にルナはその馬車を譲らない。
プルフラは後ろの馬車を希望したので、ハルトとルナとユキが先頭の馬車。プルフラとルシアが後続の馬車に乗ることとなった。
「それでは皆様暫く馬車の中でおくつろぎ下さい」
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ロンメルもルシア達と後続の馬車に乗り
2台の馬車は王都の夜を駆け始めた。
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