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第2話 涙の退場と炎上する社交界
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翌朝、王都は噂で燃えていた。
「レインフォード公爵令嬢が、王太子殿下を呪おうとしたんですって!」「信じられない、あんな気品ある方が」「でも見た? あの断罪の場、殿下は本気のご様子だったのよ」
喧騒の中で、真実など誰も求めていなかった。華やかな社交界は血の匂いのする話題が大好きだ。昨日まで羨望されていた令嬢は、一夜にして娯楽の餌食へと変わる。
誰もその「婚約破棄劇」が仕組まれたものだとは気づかない。
いや、気づいても語らない。ただ自分の立場を守るために沈黙する。
大貴族たちは権力の天秤にかけ、どちらにつけば得をするのかを計算していた。
王太子が選んだ新たな婚約者――セリア嬢は平民の血を持ちながらも、ここしばらくは王族たちに寵愛されているという。時代はもう変わるらしい、などと人々は勝手な理屈をつけて噂を楽しんでいた。
だが、貴婦人たちの嘴に乗る一方で、ひとりの女性の人生は確かに崩れていた。
***
アイリスは王都を出て三日。
まだ雪は降らない時期だが、北へ行くほど空気は冷たく、吐く息が白く長く伸びた。路銀もほとんどないまま、彼女は商人の荷馬車にひっそり混ざって北上していた。
馬車の揺れの中、彼女はひとり考える。
何もかも奪われるとは、こういうことなのか。
屋敷も、家名も、慕ってくれた侍女たちの笑顔も。
残ったのは名も知らぬ土地の地図と、胸の奥にぽっかり空いた空洞だけ。
夜になると、馬車の外で焚き火に当たりながら薄いスープをすすった。
この町を超えたら次の馬車を探そう、そう思って口にすれば、周囲の商人たちは同情とも軽蔑ともつかぬ視線を向けてきた。
「お嬢さん、一人旅なんて、危ないよ」
「……そうでしょうね」
淡く笑い返すその表情には、かつて社交界の華と呼ばれた令嬢の面影がわずかに残っていた。
王都ではまるで違う夜が広がっていた。
断罪の夜以降、レオンハルトはセリアを正式に城へ迎え入れ、盛大な晩餐会を開いた。
「殿下はついに真実の愛を手に入れられたのですわ」
侍女たちは誇らしげに噂する。
王族の中で彼女を疑う者もいたが、それ以上の権力と情熱が、王太子の判断を覆わせなかった。
そんな浮かれた空気の中、ひとりの青年が沈黙していた。
王国近衛団副団長・カシアン。
彼は、かつてアイリスの護衛として数年間仕えていた人物だった。
鋭い目つきと無愛想な口調で誤解されやすかったが、職務には忠実で、彼女を陰ながら守ってきた存在だ。
「……納得がいかんな」
晩餐会の喧騒の裏で、彼は小さく呟いた。
王城の廊下を歩くたび、思い出す。あの夜、断罪の光景の中にも歪な違和感があった。
証拠とされた封書を開示したのは侍女ではなく、なぜか宰相側の職員。
王太子はなぜあの場で感情的に怒りを爆発させたのか――。
すべてが「用意された芝居」のようだった。
「副団長、何か?」
部下が声をかけた。
カシアンはすぐに首を振り、視線を逸らす。
「いい。少し、夜風に当たってくる」
彼はそのまま城のテラスへ出た。
冬に近い風が赤いマントをはためかせる。
その夜空の下、彼は胸中で決意する。
――彼女は、生きている。必ず、真実を見つける。
***
アイリスは小さな村にたどり着いた。
辺境とはいえ、村の中央には小川が流れ、半ば朽ちた風車が立っている。
朝靄の中に牛の鳴く声が響き、子どもたちの笑い声が遠くから聞こえる。
その素朴さに、胸の奥が少しだけ温かくなった。
「よそから来たのかい?」
声をかけてきたのは、農具を肩に担いだ中年の男だった。
「ええ……少し、仕事を探しています」
「仕事、ねぇ……。まぁ、宿の婆さんに言えば、何かあるだろ」
薄汚れたコートのフードを深くかぶり、アイリスは頭を下げた。
髪を隠すためだった。輝く金髪は一目で貴族の証。ここではただの厄介者になるだけだ。
宿で出迎えたのは丸々とした老婦人で、表情からして骨の髄までお節介そうだった。
「名前は?」
「……アイラ、と申します」
「ふん、可愛らしい名前だこと。旅の子か? 部屋なら上の角部屋が空いてるよ。掃除くらいはしてもらうけどね」
「助かります」
それが、彼女の第二の人生の始まりだった。
村での生活は驚くほど地味で、痛みを伴うほど静かだった。
水を汲み、洗濯を干し、宿の客に朝の粥をよそう。
これまで“使用人に命じるだけ”だった動作を自分の手でこなすたび、思わず苦笑してしまう。
「まるで別人ね……」
けれど、そんな時間の中で、少しずつ心が軽くなっていくのを感じた。
ある日の夕暮れ、荷馬車の影でふたりの子供が泣いていた。
アイリスは駆け寄り、膝をついた。
「どうしたの?」
「兄ちゃんが怪我したの!」
見ると、少年の膝が切れて血がにじんでいた。
反射的に、アイリスは手を伸ばす。
「大丈夫よ、すぐ治るわ」
幼少の頃、家庭教師から教わった初級治癒術を試してみる。光の粒が淡く瞬き、少年の傷口がゆっくりとふさがっていく。
「すごい……痛くなくなった!」
子どもたちの笑顔。
その瞬間、アイリスの胸に少しだけ希望の光が灯った。
けれど、それは同時に“注目”を呼ぶことになった。
「宿の新しい娘が、手をかざすだけで怪我を治したらしい」
「まさか、魔女じゃないだろうな」
「いやいや、神の加護ってやつかも」
あっという間に村中の噂となり、老婦人まで「ありがとね、助かったよ」と言って笑うようになった。
――王都では“呪い”と呼ばれた力が、ここでは“癒し”になる。
皮肉だったが、少しだけ救われた気分だった。
そして、その噂はさらに北方へ――ある軍の駐屯地にまで届く。
そこにいるのは、辺境防衛軍の若き将軍。
冷徹で有能と噂されながらも、時折誰も知らぬ夜に北の空を眺め続ける男。
彼の名は、ディラン=ヴァーミリオン。
彼がその名を聞いた時、ほんの一瞬、息を止めたという。
「……“アイラ”と名乗る女が、村で人を癒している?」
その声には微かな興味と、焦燥が混ざっていた。
「少し気になるな。視察の名目で調べてみるか」
やがて、その一言が運命を変える。
彼が“彼女”に出会うまで、あと一週間。
何も知らぬアイリスは、今日も洗濯物を干しながら広い空を見上げていた。
名前も立場も捨てたこの場所で、ようやく穏やかな日々が始まる――そう、信じていた。
だがその日、王都から一通の騎馬の早駆けが発たれた。
「レインフォード公爵家、全財産没収。公爵夫妻、国外追放」
無実の娘の影は、さらに深く塗りつぶされていく。
そして夜。満天の星の下で、アイリスは小さく祈る。
「お父様……お母様……必ず、必ず取り戻します」
続く
「レインフォード公爵令嬢が、王太子殿下を呪おうとしたんですって!」「信じられない、あんな気品ある方が」「でも見た? あの断罪の場、殿下は本気のご様子だったのよ」
喧騒の中で、真実など誰も求めていなかった。華やかな社交界は血の匂いのする話題が大好きだ。昨日まで羨望されていた令嬢は、一夜にして娯楽の餌食へと変わる。
誰もその「婚約破棄劇」が仕組まれたものだとは気づかない。
いや、気づいても語らない。ただ自分の立場を守るために沈黙する。
大貴族たちは権力の天秤にかけ、どちらにつけば得をするのかを計算していた。
王太子が選んだ新たな婚約者――セリア嬢は平民の血を持ちながらも、ここしばらくは王族たちに寵愛されているという。時代はもう変わるらしい、などと人々は勝手な理屈をつけて噂を楽しんでいた。
だが、貴婦人たちの嘴に乗る一方で、ひとりの女性の人生は確かに崩れていた。
***
アイリスは王都を出て三日。
まだ雪は降らない時期だが、北へ行くほど空気は冷たく、吐く息が白く長く伸びた。路銀もほとんどないまま、彼女は商人の荷馬車にひっそり混ざって北上していた。
馬車の揺れの中、彼女はひとり考える。
何もかも奪われるとは、こういうことなのか。
屋敷も、家名も、慕ってくれた侍女たちの笑顔も。
残ったのは名も知らぬ土地の地図と、胸の奥にぽっかり空いた空洞だけ。
夜になると、馬車の外で焚き火に当たりながら薄いスープをすすった。
この町を超えたら次の馬車を探そう、そう思って口にすれば、周囲の商人たちは同情とも軽蔑ともつかぬ視線を向けてきた。
「お嬢さん、一人旅なんて、危ないよ」
「……そうでしょうね」
淡く笑い返すその表情には、かつて社交界の華と呼ばれた令嬢の面影がわずかに残っていた。
王都ではまるで違う夜が広がっていた。
断罪の夜以降、レオンハルトはセリアを正式に城へ迎え入れ、盛大な晩餐会を開いた。
「殿下はついに真実の愛を手に入れられたのですわ」
侍女たちは誇らしげに噂する。
王族の中で彼女を疑う者もいたが、それ以上の権力と情熱が、王太子の判断を覆わせなかった。
そんな浮かれた空気の中、ひとりの青年が沈黙していた。
王国近衛団副団長・カシアン。
彼は、かつてアイリスの護衛として数年間仕えていた人物だった。
鋭い目つきと無愛想な口調で誤解されやすかったが、職務には忠実で、彼女を陰ながら守ってきた存在だ。
「……納得がいかんな」
晩餐会の喧騒の裏で、彼は小さく呟いた。
王城の廊下を歩くたび、思い出す。あの夜、断罪の光景の中にも歪な違和感があった。
証拠とされた封書を開示したのは侍女ではなく、なぜか宰相側の職員。
王太子はなぜあの場で感情的に怒りを爆発させたのか――。
すべてが「用意された芝居」のようだった。
「副団長、何か?」
部下が声をかけた。
カシアンはすぐに首を振り、視線を逸らす。
「いい。少し、夜風に当たってくる」
彼はそのまま城のテラスへ出た。
冬に近い風が赤いマントをはためかせる。
その夜空の下、彼は胸中で決意する。
――彼女は、生きている。必ず、真実を見つける。
***
アイリスは小さな村にたどり着いた。
辺境とはいえ、村の中央には小川が流れ、半ば朽ちた風車が立っている。
朝靄の中に牛の鳴く声が響き、子どもたちの笑い声が遠くから聞こえる。
その素朴さに、胸の奥が少しだけ温かくなった。
「よそから来たのかい?」
声をかけてきたのは、農具を肩に担いだ中年の男だった。
「ええ……少し、仕事を探しています」
「仕事、ねぇ……。まぁ、宿の婆さんに言えば、何かあるだろ」
薄汚れたコートのフードを深くかぶり、アイリスは頭を下げた。
髪を隠すためだった。輝く金髪は一目で貴族の証。ここではただの厄介者になるだけだ。
宿で出迎えたのは丸々とした老婦人で、表情からして骨の髄までお節介そうだった。
「名前は?」
「……アイラ、と申します」
「ふん、可愛らしい名前だこと。旅の子か? 部屋なら上の角部屋が空いてるよ。掃除くらいはしてもらうけどね」
「助かります」
それが、彼女の第二の人生の始まりだった。
村での生活は驚くほど地味で、痛みを伴うほど静かだった。
水を汲み、洗濯を干し、宿の客に朝の粥をよそう。
これまで“使用人に命じるだけ”だった動作を自分の手でこなすたび、思わず苦笑してしまう。
「まるで別人ね……」
けれど、そんな時間の中で、少しずつ心が軽くなっていくのを感じた。
ある日の夕暮れ、荷馬車の影でふたりの子供が泣いていた。
アイリスは駆け寄り、膝をついた。
「どうしたの?」
「兄ちゃんが怪我したの!」
見ると、少年の膝が切れて血がにじんでいた。
反射的に、アイリスは手を伸ばす。
「大丈夫よ、すぐ治るわ」
幼少の頃、家庭教師から教わった初級治癒術を試してみる。光の粒が淡く瞬き、少年の傷口がゆっくりとふさがっていく。
「すごい……痛くなくなった!」
子どもたちの笑顔。
その瞬間、アイリスの胸に少しだけ希望の光が灯った。
けれど、それは同時に“注目”を呼ぶことになった。
「宿の新しい娘が、手をかざすだけで怪我を治したらしい」
「まさか、魔女じゃないだろうな」
「いやいや、神の加護ってやつかも」
あっという間に村中の噂となり、老婦人まで「ありがとね、助かったよ」と言って笑うようになった。
――王都では“呪い”と呼ばれた力が、ここでは“癒し”になる。
皮肉だったが、少しだけ救われた気分だった。
そして、その噂はさらに北方へ――ある軍の駐屯地にまで届く。
そこにいるのは、辺境防衛軍の若き将軍。
冷徹で有能と噂されながらも、時折誰も知らぬ夜に北の空を眺め続ける男。
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彼がその名を聞いた時、ほんの一瞬、息を止めたという。
「……“アイラ”と名乗る女が、村で人を癒している?」
その声には微かな興味と、焦燥が混ざっていた。
「少し気になるな。視察の名目で調べてみるか」
やがて、その一言が運命を変える。
彼が“彼女”に出会うまで、あと一週間。
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