ネトラレクラスメイト

八ツ花千代

文字の大きさ
15 / 55

15話

しおりを挟む
 逃避行の旅に終わりが見えてきた。

 平均的な歩行速度は平地で時速四キロメートル。
 一日に約八時間歩いたと仮定して、魔物との戦闘や休憩、慣れない森歩きを考慮すると半分も進めてないだろう。
 今日で九日目。よって進んだ距離は約九十キロメートル。
 東京から箱根くらいまで歩いたことになる。

 苦労しているわりに進んでいないけれど、俺たちは予定していた地点にようやく到着したのだ。



 目の前に広がるのは、豊富な水量を誇る川。
 いや、川というより、大河と呼ぶにふさわしい。
 川幅は一キロメートルにもおよび、とても深く、船でなければ渡れないほどだ。
 水はキレイなので川底まで見通せる。
 まるで水族館のように、水中の生命が躍動する様子を眺めることができるのだ。


千坂ちさか君、ここでいいのか」

 石亀永江委員長に声をかけられた地学部の千坂隆久モヤシは、お手製の地図を確認している。

「はい。山の位置も記録と一致しています。森の中心はまだまだ先ですが、町から十分離れたので問題ないと思います」
「ではここに村を造るのだな?」
「いいえ、雨によって増水し、水害が発生する恐れがあります。足元は湿地ではないので可能性は低いですが、できれば地面が高くなっている場所を探しましょう」
「ふむ……。見渡せる場所があればいいのだけど」

「ちょっと待っていろ」

 狛勝人空手バカは靴を脱ぐとキョロキョロしている。
 どうやら太くて高い木を探していたようだ。

 目ぼしい木の根元までいくと登り始める。
 メシッ、メシッと音がした。
 恐ろしいことに、彼の指が木に刺さっている。

 ――握力で穴を空けたのか?

 俺の想像していた木登りは、木に抱きついて登るのだが、アイツは指だけで登っている。
 横から見たら雑巾がけをしているような姿勢だ。
 脳筋のやることは理解できん。

 遥か上空の彼が豆粒のように小さく見える。





 しばらくして彼はするすると降りてきた。
 そこへ、陸上部の曽木八重乃巨乳が彼の脱いだ靴をもってきた。

「ありがとう。――見渡せるような開けた場所はない。だが、この方角は木の先端が高くなっていた」

 彼は見てきた方角を指さした。

「いってみましょう」

 千坂隆久モヤシの先導で移動を始める。



 しばらく歩くと地面が上り傾斜している感じが靴底から伝わる。
 さらに上ると地面は傾斜から水平に戻った。

「いいですね、水面から離れました。ここならまず大丈夫でしょう」
「よしっ、ここが我らの新天地だ!」

 両腕を高く突き上げ、石亀永江委員長が喜んでいる。

「ふへぇ~~~っ」

 俺たちは気の抜けた声を出しながら、荷物を背中から下ろし、地面に座ったのだ。

「ここはおーーっと声をあげるところだろ? キミたちは感動しないのか」
「感動ではなく安堵のほうが大きいですよ」

 千坂隆久モヤシが困った顔をしている。

「張り合いのない。――村造りに関してわたしは知識がない。誰か説明できるか」
「クックック、われが適任じゃないかね?」

 二見朱里歴女がドヤ顔した。
 座ったばかりなのでふたたび立つだけの気力はないらしく、座ったままで手を振っている。

「くわしい、のか?」
「世界中の城や砦に関する知識ならわれの右に出る者などおるまいよ」
「いや、城ではなく村なんだけど」
「魔物の脅威に怯えながら暮らせというのかね?」
「いや、まあ、そうなのだが」

 押しの強い石亀永江委員長がキャラの濃い二見朱里歴女に圧倒されている。
 どうやら石亀永江委員長は彼女が苦手のようだ。

「なに、そんなに心配しなくていいよ。趣味は極力抑えるからね」
「不安しかないのだが……」

「とにかく邪魔な木を伐採しなきゃね。たぁ千坂ちさか君よぅ、樽を作るときに木を消してたよね。あれはどんな理屈なんだ?」

 たぁ千坂? 二見朱里歴女は何を言い出そうとしたんだ?

「ボクの加護は工芸。家具なんかを作るための材料は加護収納に保管されるみたいなんだ」
「へぇ~。どのくらい保管できるんだね?」
「試したことないからわからないよ」
「なら試してみよう。このあたり一帯の木をすべて保管してみてくれないかね」
「いいよ」

 千坂隆久モヤシは立ち上がるとお尻をパンパンとはらう。

「ボクにも手伝わせてくれるかな」

 柔道部の気仙修司パンダも立ち上がった。

気仙けせん君の加護はいったいなんだね?」
「ボクは建設なんだ」

 キランと、彼女の瞳がまるで輝いているかのように映った。

「建設だとっ……。いったいどんなことができるんだね?」
「建築スキルは家とか建てれるよ。土木スキルは道路や河川なんかのインフラ。設備スキルは電気、ガス、水道なんかの配線、配管なんだけど、どれも使ったことはないからよくわかってないよ」
「いいねいいね! 後からくわしく聞かせてね」


「俺も手伝うよ」と、言いながら立ちあがったのは儀保裕之悪友だ。
「鍛冶師も木を使うから伐採はお手のものさ」


「わてにも手伝わせておくれやす」

 そう言いながら立ちあがったのは、競技かるた部の亀ケ谷暁子かめがやきょうこ
 能面のような顔をしている女子だ。
 濃い顔立ちが多いクラスで、彼女はとびぬけてアッサリしている。
 かるたを始めてから京都が好きになり、京都弁を喋り始めたらしい。
 なので俺は【エセ京都】と脳内で呼んでいる。

亀ケ谷かめがやさんの加護はなんだね?」
「わての加護は紙使いどす」

「紙使い! 紙で銃弾をとめたり、紙で敵を切り裂いたり、紙を飛ばしたり。もしかして亀ケ谷かめがやさんはビブリオマニアだったりする?」
「びぶ? 意味はわからへんけど、紙を作ることしかできしまへん」
「ショック!」

 出淵旭アニオタがうるさい。

「どんな紙でも作れるのかね?」

 二見朱里歴女が期待を膨らませながら質問している。

「ええ、あぶらとり紙なんかも作れますえ」

 女子たちは立ち上がるとずわっと亀ケ谷暁子エセ京都を取り囲む。

「どうして黙っていたのかね?」
「町では木材を探すのにも一苦労どす」
「早く! 早く作ってくれ!」

 女子たちの圧が凄い。
 なにをそんなに必死になっているのだろうか。

二見ふたみさん、指示が止まってるぞ」

 石亀永江委員長が腕を組んでムスッとしている。


「スマン! それじゃあ四人は作業を始めてくれ。広さは野球のグラウンドが四面入るくらいで」
「そんなに?」と、石亀永江委員長が驚いた。
「それでも狭く感じると思うけどね」

 四人は広がりつつ、木々を次々と取り除いていく。
 危険なので戦える才原優斗イケメンたちが同行している。





 木々が消えていくと、視界が明るくなり、広場ができた。
 大量の切り株が地面を覆い、それぞれが物語をもっているかのようだ。
 日の光が広場を照らし、日陰だった地面が温められる。
 切り株から立ち上る木の香りと土の匂いが混ざり合い、新たな生命の息吹を感じさせる。

「切り株が邪魔だね。誰か対処できる加護をもっていないかね?」
「俺様が燃やそうか?」

 声をあげたのは潘英樹覗き魔だ。
 顔の傷は消えている。
 出水涼音令嬢が治癒スキルで治してあげたのだ。

「火を使うのは避けたいね。生木を燃やすと煙が出ると千坂ちさか君が言っていただろ。兵士が追ってきている可能性も考慮したい」
「なるほど」

 俺は兵士のことをすっかり忘れていた。
 たしかに追ってきているかもしれないが、深い森のなかから煙が見えるとは思えない。
 けれど彼女のいうとおり警戒しておいて損はないだろう。

「わたし、できるかもしれない、試していいかなぁ?」

 手をあげたのはバトミントン部の乃木坂羽衣のぎざかうい
 父性本能を刺激する容姿をしている。
 もし妹にしたい選手権があれば、グランプリを取れる逸材。
 本物の妹ではない。そう【義妹】と呼ぶにふさわしい女子なのだ。

 しかし、女子たちからは冷たく扱われている。
 彼女ら曰くらしい。
 女子特有の関係に首をつっこむほど俺に度胸なんてない。

乃木坂のぎざかさん、加護はなんだね?」
「わたし、農業なんだ」
「いいじゃないか! 村造りには必須の加護だよ!」
「そお?」
「これで食料問題の目途も立ったね」
「あまり期待されても困るんだけどぉ、みんなが喜ぶならわたしも嬉しいなっ」

「チッ」

 誰かが舌打ちした。
 それに、女子たちの表情に怒りマークがついた気がする。
 俺はかわいいと思うのだが男子目線と女子目線は違うのかもしれない。

 乃木坂羽衣義妹は切り株の近くで中腰になると両手を伸ばす。
 目を固く閉じると『う~~~ん』という声が聞こえるような表情をした。
 ポンッ!
 煙が出た次の瞬間、切り株は消え、かわりに耕された小さな地面になる。

「へぇ~これはおもしろいね。耕すと切り株が消えるんだ」
「そうみたい。でも、みんなみたいに収納はされてないよ。ごめんねぇ」
「いいんだ。切り株は材料とみなされていないのだろう。それじゃ、残りもお願いするね」
「うん、まかせてっ」





 しばらくすると広々とした平地が完成した。

「とてもいいね」

 二見朱里歴女は満足そうにドヤ顔している。

「次は何をするんだ」と、石亀永江委員長が話しかけた。
「城壁だね」
「住居が先ではないのか?」
「寝床なんてまだテントで十分だよ」

 彼女の言うとおり、ここにくるまでずっとテントだった。
 もう慣れたので数日伸びるくらい辛くはない。
 それよりも、魔物に襲われないか心配するほうが安眠できないのだ。

気仙けせん君、建設の加護で城壁は作れないかね?」
「ボクの加護には建設可能な建物がリストになってるんだけど、城壁はないよ」
われの趣味なら城壁なんだがね。しかたない。魔物の侵入を防げるのなら別の設備でもよいのだが」
「ん~……。防波堤や堤防はどう?」
「いいじゃないか! では測量しなきゃな。新垣あらがきさん、ロープ作れるよね?」

 新垣沙弥香ギャルは話を聞かず仲間と雑談していた。
 隣の女子に肩をつつかれ、気づく。

「えっ、ウチ? 作れるけど」
「長さは指定可能?」
「ヨユーだよ」
「じゃあ二百五十メートルと二百九十四メートルのロープを作って」
「マジで?」
「マジマジ」

 糸使いの加護をもつ新垣沙弥香ギャルは、首をかしげながら言われたとおり二本のロープを作った。

儀保ぎぼ君、手ごろな長さの金属の棒を三本作ってよ」
「あいよっ」

 儀保裕之悪友が彼女の注文通りの棒を作った。

「運動部~、えっと、連城れんじょう君、ばん君、来て」

 連城敏昭野球バカとバスケット部の潘英樹覗き魔が呼ばれた。

 三人は広場の中心に向かうと彼女から説明を受けている。
 どうやら三人のいる場所が村の中心になるようだ。

 鉄の棒とロープをコンパスの代わりにする。
 ロープをピンと張らせたまま、鉄の棒で地面に線を描きながら連城敏昭野球バカが走る。
 半径が二百五十メートルの円。となると一・五キロメートルは走ることになる。
 がんばれ!



「あれ、なにやってんだ?」と、隣にいる儀保裕之悪友が聞いてきた。
「あの円が外壁になるんだろうよ」
「へぇ~っ」



 さすがは連城敏昭野球バカ一周してもほとんど息を切らせていない。

 三人は描いた円の線上に移動すると、二本の棒に短いほうのロープを結んだ。

 三人のいる場所を始点として、連城敏昭野球バカが円の上を走る。
 ロープがピンと張ったところで停止。
 二見朱里歴女がロープのうえに線を引く。
 次に潘英樹覗き魔が同じように円の上を走り、ロープがピンと張ったところで停止。
 二見朱里歴女が線を引く。
 それを交互に繰り返すと、広場には正五角形が描かれた。



「あれ五角形だよな」

 儀保裕之悪友が首をひねっている。

「たぶん二見ふたみは星形要塞を造る気だ」
「星? なにそれ」
「北海道の五稜郭しらんか?」
「あ~、アレ。見たことある」
「あの国には大砲がなかった。星形要塞なら防衛には十分だろう」
「くわしいな」
「映画の受け売り」
「なるほど」



 俺の予想通り広場には星形要塞の外殻となる下書きが描かれた。
 趣味は抑えるっていってなかったか?

気仙けせん君、この線に沿って堤防を作ってくれ。できれば外側の地面を掘り下げて水堀にしたいのだが、できるかね?」
「やってみるよ」

 気仙修司パンダが手をかざすと地面がごっそりと削り取られた。
 一辺が四メートルくらいの立方体に凹んでいる。

 その穴の隣に手をかざすと、外側は垂直、内側は斜面の堤防が出現した。
 高さは六メートルくらいだろう。

気仙けせん君! これは立派な城壁だよ!!」

 二見朱里歴女は感動しながら彼の手を握る。
 そんな二人を地学部の千坂隆久モヤシがじっと睨んでいた。

 ――あれ? 千坂隆久モヤシのヤツ、怒っている?



 気仙修司パンダが下書きに沿ってぐるりと一周する。
 その結果、頑丈な堤防と外堀が完成したのだ。

 内側には堤防の上へ登るためのスロープも作られた。
 まだ出入口は作られていないので疑似的な密室と言えるだろう。

 広々とした地面、高い壁。
 俺たちは安全な場所を確保したのだ!


 ……したはずだった。


 ドン!!!

 空から巨大な物体が落下してきた。

 それは、ファンタジー世界では定番の生き物。
 どの物語でも頂点に位置する化け物だ。


 レッドドラゴン――。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【アイテム分解】しかできないと追放された僕、実は物質の概念を書き換える最強スキルホルダーだった

黒崎隼人
ファンタジー
貴族の次男アッシュは、ゴミを素材に戻すだけのハズレスキル【アイテム分解】を授かり、家と国から追放される。しかし、そのスキルの本質は、物質や魔法、果ては世界の理すら書き換える神の力【概念再構築】だった! 辺境で出会った、心優しき元女騎士エルフや、好奇心旺盛な天才獣人少女。過去に傷を持つ彼女たちと共に、アッシュは忘れられた土地を理想の楽園へと創り変えていく。 一方、アッシュを追放した王国は謎の厄災に蝕まれ、滅亡の危機に瀕していた。彼を見捨てた幼馴染の聖女が助けを求めてきた時、アッシュが下す決断とは――。 追放から始まる、爽快な逆転建国ファンタジー、ここに開幕!

むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム

ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。 けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。 学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!? 大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。 真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

Sランクパーティを追放されたヒーラーの俺、禁忌スキル【完全蘇生】に覚醒する。俺を捨てたパーティがボスに全滅させられ泣きついてきたが、もう遅い

夏見ナイ
ファンタジー
Sランクパーティ【熾天の剣】で《ヒール》しか使えないアレンは、「無能」と蔑まれ追放された。絶望の淵で彼が覚醒したのは、死者さえ完全に蘇らせる禁忌のユニークスキル【完全蘇生】だった。 故郷の辺境で、心に傷を負ったエルフの少女や元女騎士といった“真の仲間”と出会ったアレンは、新パーティ【黎明の翼】を結成。回復魔法の常識を覆す戦術で「死なないパーティ」として名を馳せていく。 一方、アレンを失った元パーティは急速に凋落し、高難易度ダンジョンで全滅。泣きながら戻ってきてくれと懇願する彼らに、アレンは冷たく言い放つ。 「もう遅い」と。 これは、無能と蔑まれたヒーラーが最強の英雄となる、痛快な逆転ファンタジー!

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

旧校舎の地下室

守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。

処理中です...